ネトウヨ疝気・恋愛編 1回 | 夏炉冬扇の長袖者の尉のブログ
それでは、全20話にのぼる作家・ヒロシの手による渾身の力作について、総評を述べていこうと思います。
ネタバレは自重しませんので、この記事を読まれるネトウヨ諸氏はヒロシのブログで全部読んで出直してきてくんせえ。
儂だって我慢して読んだんですからね(笑)
ザッとストーリーを説明すると、
・岐阜県警から愛知県警に就職?した主人公「もが」は、外国人を拷問して自白させる違法捜査をやる悪徳警官である
・ネットで知り合ったメガ姫なる女性に惚れて、大阪で合おうと言われたので会いに行ったら、えんどうまめとかいう別人が現れ、奇行を繰り返した挙句カラスの死体を晩飯に拾って帰って行き、もががビビって小便を洩らす
・猿が果樹を盗む事件の捜査に携わり、ヲムラという相棒と共に岐阜県庁解体作業にあたるクルド人の集団に混じって岐阜へ出張捜査に向かう
・そこでラーヤなるクルド人の少女に出会って恋に落ちる
・金津園近くの喫茶店やその周辺、カミタケなる情報屋への聞き込みにより、猿事件の真相が明らかになり、特に誰も逮捕することなく捜査が終了
・岐阜県知事のサトウのタワケとか黒木先生、「カスが」や大先生といった人物に言及されるが、特にストーリーに関わらない
・主人公が突然「猛烈にラーヤとやりたくなってきた」ことから、プロポーズしてOKをもらい、16歳の誕生日に婚姻届を出すことになる
・当日、相棒のヲムラが婚姻届を提出しに行くと言って、主人公がなぜかヲムラに感謝する
・ラーヤとホテルで一発かまそうとしたところで「淫行罪」で御用になる主人公
・違法捜査がけしからんので罠にハメたと胸を張る相棒のヲムラと刑事部長のカバ
・しかし違法捜査の件は揉み消すと言う
・外国人差別がけしからんからハニートラップに協力したと説明し、以後特に出番のないラーヤ
・ブブカなる監察官の拷問を受けて自白する主人公
・送検予定が語られて終了
という感じです。
若干ツッコミも混じえてしまいましたが、実際におかしいので仕方ないですね(笑)
まずこの作品を読むにあたり、ヒロシが何を意図しているのかを考えないといけないです。
このブログではオリジナルの『ネトウヨ戦記』が3年にわたり連載されていたことは、古くからの読者諸氏なら御存知かと思いますが、タイトルを見ても分かる通り、ヒロシが拙著に対する意趣返しをしたかったのは明らかです。
言うまでもなく、拙著においてはいわゆるネトウヨが善玉、対抗するサヨクというか反日勢力を悪として描いてましたからね。
ヒロシがヒール役の登場人物に自身を当てはめてしまったのかどうかはわかりませんが、読みながら「儂だってやれる、得意の小説でネトウヨを酷い目に遭わせてホルホルすることが出来るんだぞ!!」と思ったのは間違いないでしょう。
ヒロシがいつ頃から構想していたのかはわかりませんが、そのようにして生まれた『ネトウヨ疝気』は前シリーズがあって、その時は「さくらいしょう」という別の主人公の視点で書かれていました。
そっちのストーリーをほぼ忘れてしまったので解説はしませんが、物凄い名作だと言うことはないにせよ、商業作家としての実力の片鱗みたいなものは感じられました。
面白いかどうかで言ったら、大して面白くはなかったです。
雰囲気的には今シリーズとあまり変わらなくて、特にこれといった盛り上がりもなかったんですよね。
それで続編となる今回ですが、その大して面白くなかった前シリーズを遥かに下回るつまらなさと壊滅的な出来を目の当たりにして、逆に面白かったまでありました(笑)
細かい点はこれまでほぼ全話を語りながら指摘してきたので、最後にまとめとして、何がダメなのかをザッと書き出してみましょう。
1 先の見える意外性のカケラもないストーリー
この作品、もうタイトルで「恋愛編」と銘打ってるじゃないですか。
主人公は作者であるヒロシの嫌いなネトウヨなので、恋愛絡みでヒドい目に遭う結末が確定しちゃってるんですよね。
私は後の展開として、どうせ「もが」が少女に手を出して捕まって終わるんだろうと予想したら、ラム夫氏が「そんなありきたりな展開はないだろう」とか言ってたんですよ。
彼はどんな顔をして結末を読んだんでしょうね(笑)
2 全員が同じ顔に見える工夫のない会話文
さんざん指摘した通りで、皆が皆同じ棒読みのような語り口調に見えてしまいましたね。
そういう作風と言ってしまったらそれまでなのかもしれませんが、登場人物がドイツもコイツも同じ顔をした感情のないロボットみたいに思えてしまい、作者が何を狙ってそんな風にするのか私には正直理解できません。
3 唐突で必然性がない割に驚きのない展開
大阪で登場する「えんどうまめ」、主人公が捜査にあたる猿事件は本筋にまったく絡むことのない無意味なエピソードでした。
そもそもストーリーの本筋が何なのかもよくわかりませんでしたが、一応恋愛編とヒントは出してもらっているので、読者としては恋愛絡みの話を期待するところでしょう。
猿事件の顛末もポッと出のモブ(与力のカミタケ)に語らせて全部終わりってのは、さすがにあんまりですよ(笑)
あと極めつけが14話から15話への唐突過ぎる超展開で、アソコはさすがにヘタクソ過ぎました。
4 「、」を多用した息切れのような文章
読みやすいとかテンポがいいというのは、今作唯一に近い美点だったんですが、特に会話文に多用されるコレが読みにくさに一役以上買っていますね。
これも一つのスタイルなのかもしれませんし、他にやっている人もいるんでしょうけど、会話文まですべてこういう風なのはマズいと思います。
あとこれに関連するのが、1話で区切る箇所も唐突な箇所があって、そこも非常に気になりました。
1話という感じにするなら、ちゃんとオチをつけるか、次回への引きになるような書き方にするべきですね。
5 因果応報と言うにはあまりにも中途半端過ぎるラスト
冒頭で主人公が外国人を拷問してきたという話は一応しているので、作者の一番書きたかったものはわかるんですが、本編中で主人公の悪行場面をしっかり書かなかったせいでカタルシスがないんですよ。
また、主人公をハメるやり方が卑劣なのもそうなんですが、微妙に頭の悪い感じで、クルド人少女を使う必然性が一切見当たらないんですよね。
そこ普通にメガ姫かえんどうまめで良かったじゃね?、と。
もしクルド人少女がこの悪事に加担するなら、親兄弟が無実の罪で拷問にかけられたとか、もう少し強い動機付けが必要でしたね。
どう見てもネトウヨを悪、それをやっつける側が正義という話を書いている筈なのに、ネトウヨを追い詰める側が冤罪を肯定しているかのような展開も腑に堕ちず、スッキリもしないです。
何より裁判結果どころか起訴されたかどうかも不明なまま、送検で終わるって。
ヒロシはそんなにこの小説を書くのが苦痛だったんですかね。
6 現実との激しい乖離
県で通貨を発行しているなど、そもそもの世界観がファンタジーではあるんですが、現実に起こっているのがクルド人の男が日本人の少女を襲う事件なのに、ヒロシが一体何を思ってクルド人を出してしまったのかが謎ですね。
創作なんですから、別にすべてが現実に即しているべきだと言うつもりは毛頭ありませんが、これはヒロシの中の願望なのかな?という気がします。
つまりヒロシ的にはネトウヨっていうか日本人を叩くネタが欲しいんじゃないかと。
それで実際に日本人がやっちまった暁には、「それみたことか差別だァ!!」と喚きながら正義のヒーローになれるわけですからね。
これでわかりました。
ヒロシはヒーローになりたかったんですよ。
ヒロシ頑張ってくれヒロシ!!!
さて、あんまり欠点ばかり書き立ててもヒロシがアレしてしまうんで、良いところもムリクリ挙げておきたいと思います。
1 スピーディーに読める
2 現代を舞台にしながら時代劇のような雰囲気がある
3 語彙が豊かで作者の知識の深さが窺える
4 拷問場面の描写が克明である
5 ド素人が書いた小説にプロが影響を受けて書いた作品である(笑)
・・・以上です。
だいぶん辛辣な言葉で評してしまいましたが、今回は私もまさかここまで辛辣になるとは自分で思ってませんでした。
それくらい難があった小説でしたね。
とはいえ、ヒロシが私に影響を受けてコレを書いたという事実は、小説の内容以上に面白く、さらには今やすっかり寂しくなったアメブロの政治界隈も、ヒロシ作品を肴にこうして盛り上がるが出来たわけで。
ヒロシがこれまで世に発表してきた作品が、これほどまでに熱く語られたことって今までにあったでしょうか?
何より、ヒロシが私に感化されてこんな小説を書いちまったという事実は、2人の友情がフォーエバーであることを物語ってると思うんですよ。
今後ヒロシがアレしても、ブログが残ってれば作品も残るし、仮にヒロシ側が消えてもこの男の熱い思いは永遠です。
ネトウヨ疝気は・・・、俺とヒロシの友情の証だァ!!!
というわけで本題です。
Pretty Maids - Attention
名古屋のショップで100円買いしたCDのひとつがこれでした。
バンドは勿論昔から知ってますし、アルバムも幾つか持ってるんですが、このアルバムは未聴だったのでちょうど良かったんですけどね。
ライナーノーツが不良だということだったので、まあ多少汚くても我慢するか・・・と思ったんですよ。
紙がバリバリ貼りついてました(笑)
一体ナニをどうしたらこんな風になるかというくらいにくっついていて、そのあまりの癒着ぶりに綺麗に剥がすのは諦めて一気に行ったら、歌詞カードがほぼ読めなくなりました。
まあ肝心なのは音楽の方なので、CDを聴いてみたら、そっちは普通に再生できました。
全体的にポップ寄りになってはいますが、正道のハードロックとして十二分に楽しめる内容でしたし、この曲は特にガツンと来るスピードチューンで良かったです。