残業代請求(サービス残業)、解雇、借金、刑事事件、交通事故などに注力する顧問弁護士(法律顧問) -17ページ目

残業代請求

今回は、サービス残業の残業代請求に関する判例を紹介します(つづき)。 
2 争点(2)について
(1)原告の時間外労働(残業)時間、深夜労働(残業)時間について
 原告の労働時間、時間外労働(残業)時間及び深夜労働(残業)時間が別紙(略)の各表のとおりであることについて争いはない(なお、乙六(枝番含む。以下同じ)と対照すると、〔1〕平成一五年一一月一一日、〔2〕同月一二日、〔3〕平成一六年一二月一九日それぞれ就労開始時刻は、タイムカードの打刻と異なるが、〔2〕は明らかに始業時の打刻忘れであり、遅番の出勤時刻を開始時刻としていること、〔1〕及び〔3〕は、打刻時刻より遅い時刻の主張である)。
 被告は、原告に対して、食事のための休憩時間が一日に一、二回与えられていたと主張し、それに沿う証人の証言もあるが、具体的にどの程度の休憩時間が実際に与えられていたかについての主張も証拠もない。実際には、食事のための休憩時間といってもせいぜい一〇分程度であったことが十分にうかがわれ(証拠略)、本件店舗の従業員四名の陳述書(書証略)によっても、実質的な休憩時間があったものとは認め難い。
 したがって、時間外労働(残業)時価、深夜労働(残業)時間は、原告主張のどおりのものと認められる。
(2)原告の通常の労働時間の賃金単価について
ア 原告に支払われていた賃金について争いはなく、原告が本件請求をしている期間の所定労働日数も主張どおりであると認められる(書証略)。
 被告は、原告が、退職後になって時間外労働(残業)割増賃金(残業代)、深夜労働(残業)割増賃金(残業代)の請求をすることは権利濫用である都主張する。
 しかし、労基法は、強行法規であるから、使用者は労基法を順守すべきであり、労基法に沿った賃金の請求をすることが権利濫用になるとはいえない。
イ また、被告は、本件各店舗の営業形態から、被告は賃金に深夜労働(残業)に対する割増賃金(残業代)が含まれていることを承知して本件雇用契約を結んだのであるから深夜労働(残業)割増賃金(残業代)の請求には根拠がないなどと主張する。
 しかし、労基法四一条は、労働時間、休憩、休息及び休日の規定を適用除外としているものであり、深夜業の関係規定(三七条の関係部分及び六一条の規定)は適用除外されるものではないから、管理監督者であっても、労基法三七条に定める時間帯に労働させる場合は、労働協約、就業規則その他によって深夜業の割増賃金(残業代)を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合以外は、深夜業の割増賃金(残業代)を支払わなければならないと解すべきである(昭和六三年基発一五〇号、平成二年基発第一六八号)。
 そして、被告の就業規則は、一般職には定額時間外深夜手当を支給し、管理職にはこれを支給しないとしているのであるから、深夜労働(残業)に対する賃金を含めた所定賃金でないことは明らかであって,被告の主張は採用できない。
ウ したがって、原告の時間外労働(残業)割増賃金(残業代)及び深夜労働(残業)割増賃金(残業代)単価は、原告の主張する以下のとおりとなる。 
(ア)平成一五年一月六日から平成一六年一月二五日まで
a 通常の労働時間の賃金単価 一四九五円
b 時間外労働(残業)割増賃金(残業代)単価 一八六九円
c 深夜労働(残業)割増賃金(残業代)単価 三七四円
(なお、原告の請求は、深夜労働(残業)と時間外労働(残業)が重複しない部分と重複する部分があるので、計算の便宜、深夜労働(残業)割増賃金(残業代)については通常の労働時間単価の二五パーセント増で計算している。以下、同じ)
(イ)平成一六年一月二六日から平成一七年二月八日まで
a 通常の労働時間の賃金単価 一五一四円
b 時間外労働(残業)割増賃金(残業代)単価 一八九三円
c 深夜労働(残業)割増賃金(残業代)単価 三七九円
(3)以上によれば、原告に対して支払われるべき時間外労働(残業)割増賃金(残業代)及び深夜労働(残業)割増賃金(残業代)は、合計四五二万七六六五円となる。
(4)付加金の請求について
 原告の請求期間の労働時間その他の労働条件など本件の実情に照らせば、付加金として、未払の時間外割増賃金(残業代)及び深夜労働(残業)割増賃金(残業代)と同額の付加金の支払いを命ずることが相当である。
なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談交渉刑事事件多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。