エヴァンズの見た世界恐慌 | 『カメラとアメカジの日々』

エヴァンズの見た世界恐慌


 

ウォーカー・エヴァンズの写真集『 アメリカ―大恐慌時代の作品』を知ったのは趣味として写真を始めてからだ。
この写真集は大恐慌時代のニューヨーク市や南部の農園主、ニュー・オリンズの黒人地区など、当時の姿を伝えている。

しかし、それ以前からデニム(ジーンズ)やファッション関連の雑誌や書籍でエヴァンズの写真を見掛ることは知らず知らずのうちにあった。
 

1929年に始まり、1930年代後半まで続いたとされる世界恐慌。
作家を目指してフランスへ渡ったエヴァンズは、志半ばで帰国を余儀なくされ、アメリカに戻り写真を始める。
そこに巡って来たのが1929年に勃発した世界恐慌だった。
 

ジーンズやデニムの歴史を語る書では、世界恐慌については深く掘り下げて語られてはいないが、10年に及ぶ厳しい時代を生き抜く上で、デニム地のワークウエアは不可欠だったことを位置づけている。
 

1929年といえば日本は昭和4年。
その時代の厳しさを知る人は限りなく少ないだろう。
 

今回の新型コロナウィルスの影響によって、世界が受ける経済的打撃は計り知れない。
専門家によると「(1929年の)世界恐慌以来の厳しい経済状態に陥る可能性が高くなってきた」と危惧する声も出始めている。

出来れば信じたくはないが、我々は覚悟を持ってそれを乗り越えるために備えなければならない。

撮影
Camera:OLYMPUS PEN Lite E-PL7
Lens:OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL 17㎜ F2.8(35㎜換算34㎜)