JR発足の頃 鉄道150周年に寄せて 国鉄赤字の元凶は、貨物輸送だった!? | 鉄道ジャーナリスト加藤好啓(blackcat)blog

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福祉と公共交通の視点から、鉄道のあり方を熱く語る?
blackcat こと加藤好啓です。
現在の公共交通の問題点などを過去の歴史などと比較しながら提言していきます。
随時更新予定です。

貨物列車をどう扱うのか
国鉄赤字の元凶は貨物列車
国鉄が赤字であったと言うことはよく知られていることですが、さて国鉄の赤字ですが、実は大きく分けて三種類の赤字が有りました。
それは以下のようになります。



建設赤字とは、在来線の改良や新幹線やその他在来線の建設で鉄道建設公団(現・鉄道建設 JRTT 鉄道・運輸機構)に支払う経費などであり。当然のことながら投資ですので当面は収支が赤字なる路線もあれば、最初から黒字転換が難しい、赤字ローカル線として問題になった、地方ローカル線等もあります。しかし、最も国鉄の赤字で大きなウエイトを占めていたのは、貨物輸送を中心とした幹線系での赤字であり、その赤字の元凶と言えるのが実は貨物輸送でした。

 

建設の赤字の場合は、幹線系の場合いずれは黒字に転換する見込みがありますが、ローカル線の場合は黒字に転換する見込みは無く、バスに転換した方がより効率が良い路線もありました、しかし、幹線系(特に貨物輸送から発生する赤字と比べれば大きな額とは言えないというのが分割民営化反対派の論調でした。
実際に、国鉄の赤字の多くは実は貨物から発生しており、それ故に国鉄では貨物会社を旅客会社から分離して扱うことになったわけです。     

貨物列車は大きく分けて二種類

  • コンテナを運ぶ直行系輸送
  • 複数の雑多な貨車を連結する車扱い輸送


JR貨物をなんとか黒字経営に

  •   線路は借りろ
  •  借金は最小限に
  •  使った分だけ払え

このように、JR貨物は当初は、国鉄改革時にはJR貨物、ならぬJRお荷物 (厄介ものという意味)とまで言われた経緯があり、JR貨物安楽死論(JR貨物はやがて衰退してトラック輸送に置き換わる)などという議論もあったのでした。
そこで、JR貨物発足にあたっては先ほど箇条書きしたように。

    線路は借りろ
ということになるわけで、皆さまご存じの通り上下分離方式が導入されました。
貨物列車が走らなければ発生しなかったであろう経費を貨物会社が負担する(アボイダブル・コスト)という考え方に基づいています。

肥薩おれんじ鉄道や、えちごトキめき鉄道の「日本海ひすいライン」気動車で運行するのは、同区間の電化設備を通過する貨物列車のみとすることで、電気施設に関する負担は全てJR貨物に転嫁できることになるからです。
少なくとも、JR貨物が通過しなければ電気設備を撤去して非電化とすれば経費は削減できるという考え方に立っているからです。
当時のJR貨物に対する考え方を示した資料によりますと以下のように書かれています。  引用、国鉄線 昭和61年2月号 巻頭言 から抜粋


とあるように、客貨を分離するのは、国鉄の貨物列車の赤字を旅客部門に転嫁できないようにするためであると明言しています。

 

借金は持たせるな
という点について解説させていただきます。
JR貨物発足に際して一番注目したのは、JR貨物も国鉄時代の長期債務のうち944億円を負担することとなった点であり、この額は本州3社と比較すれば当然のことながら小さなものですが、決して少なくない負担であったと言えます。
ちなみに、参考までに本州三社を含む承継会社が引き継いだ長期債務は、以下の通りでした。

 しかし、環境問題やトラックドライバーの不足などむしろいまこそJR貨物はもっと見直されるべき時期にきていると思うわけですが、国鉄改革時代の話とはかけ離れますので、又別の機会にでもお話をさせていただこうと思います。

続く
 

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日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代

 

 

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