昨日は、本省から通達が来たという話で終わっていたのですが、本省から示達された内容は、新しい式紙消耗品システムを開発することにしたから一応伝えておく、ただし、本省だけで決めたと言って後で文句を言われるのも癪なので一応地方の意見も聞いてやるから、言いたいことがあったら適当に書いておけ、採用するか否かは本省が決めることだから文句言うなよ・・・まぁ、そんなふうに書いているわけではありませんが。

 

新式紙・消耗品システム更改に際して、地方の要望を聞くということで文書が来たわけで、本来であればこうした報告事項は次席が担当する仕事なのですが、次席がシステムわからないと言ったので、私がやりますと手を上げたのが始まりでした。

私自身もシステムに当時は詳しいわけでもなかったのですが、調子こいていたんでしょうね。

できるだけアピールしておこうという意識が無意識に働いたと思います。郵政局で4年目仕事にも慣れて来た頃ですので仕事が面白くて仕方がないそんな時期でした。

自分の考えた仕組みが郵便局を動かしている、それを実際に行ってきたわけですから、今回の新式紙消耗品システムのような全国レベルの仕組みに携われたらという思いが強かったのだと思います。

 

さて、手を上げてみたものの、どこから手を付けてよいか全くわからない。

冒頭にぶっきらぼうに意訳した文言を書かせていただきましたが、まさにそんな内容なんです。

多分、本省もまだ仕様とか固まらないうちにとりあえず地方にも言っておこうという感じなので、具体的にどのようなシステムを構築するのかが全く見えないわけです。

もっと言い方を変えれば、本省にしてみれば地方郵政局からは特段些末な部分での現在乗っシステムに対する不満程度が上がってくるのだろうと高をくくっていたかもしれません。

もちろん、そのへんは推測に過ぎませんが・・・・。

 

そんな訳で、やりますと言ったものの、今度はその答えが出せない。

やっぱり無理でしたでは、信用失墜も甚だしいことになりますので、どうしたか。

ひたすら考えました、猶予は5日ほど、最初の3日間はひたすら考えていました。

午前の臨時請求によるルーチン業務が終われば、ひたすら考える。

今のようにインターネットですぐ調べるなんてことができない時代ですので、紙と鉛筆だけでひたすら考えるわけです。

3日目いよいよ煮詰まってきて、どうにもならなくなったとき、ふと現行システムの流れ図が載った仕様書が目に入ったのです。

いよいよギブアップかなと思って、パラパラと現行システムの流れ図を見ていると、ぼんやりと今まではその都度在庫報告をさせていたけど、データを1年分かつ郵便局ごとに管理できたら、いちいち在庫報告もいらなくなるのではないかと言う結論に達して、そこからはひとまず頭bに浮かぶ言葉をワープロで書き並べ始めたのでした。当時はワープロが全盛で、パソコンは表計算などの分野がメインでした。
そこで、文章に落とし込みながら、自分でももいちど整理しながら考えていくわけです。

そのときに一番念頭においたのは、すでに何度も書かせてもらっていることですが。

 

  • システム構築なので、10年、はては20年後でも陳腐化しないようなものが求められること
  • 自分が郵政局長だったら、どのようなシステムを郵便局で使わせるか
実際に、当時本当にそんなふうに考えていました。
自分が郵政局長などの決済権だったら、どんなシステムを採用したいか・・・とか、10年後でも使えるようなものというのはどんなものか。
本気で考えていたから、閃くことができたと思います。
 
結論から言えば、今では当たり前ですがデーターベースの構築でした。
しかし、私自身はそうしたシステムを専門的に学んだわけではなく、特に統計理論などもその時は知恵として持っていませんでしたので、単純に配給した数+臨時請求で使用した数+今年必要と算定される数(不要と判断される返事があった分は送付しないのでシステム算出数が誤っていることになる)と言った単純な思考で、最初の数年はばらつきはあるがやがて収束すると言った内容のレポートを作成したのでした。
正直レポートの作成は一日で終わらず、2日ほどかけて作成したもので、自分的には非常に自信があるものでした。
そして、このレポートを携えて、課長説明を行うことになるのですが・・・これが非常に難航することとなったのです。
そのへんのお話は、明日以降に改めてさせていただきますが、
 
答えがないもの、もしくは全く新しいジャンルなどに挑戦するときは、安易にネットなどで答えを見つけるということをせずに、自分の頭でまず考える。
考えても答えが出ないことは多々ありますので、その時はひたすら考える。
考えて、考えて、考え抜いて・・・もう限界だと思うところまで考えたとき。
ふっと、頭に閃くものです。
その閃きを大事にしてあげればと思うわけですね。
 
さらに、考えるときの手法ですが、まず時間軸をずらしてみる。
1年後、3年後、5年後・・・どうなっているかなぁと考えてみる。
それと、上から目線ではなく俯瞰して考えるということです。
郵便局の職員さんが使いやすいシステムとはどんなものか、システムに詳しくない人でも問題なく扱える、もしくは全くシステムに触れることがなく(実際にシステムにアクセスしていても、アクセスしていると感じさせない)作業が進むということ。
コレを意識するわけですね。
特にシステム構築などの場合構築だけで数年かかることもあるので、数年先ではなく10年先、20年先でも陳腐化しない仕組みという点を意識しないといけないわけです。
更にはシステムの場合使うのは自分ではなくて、郵便局の職員ですから、職員さんが使いやすい、いわゆるユーザーフレンドリーなものを構築することが重要になってくるわけです。
こうして準備万端整えた仕様ですが、課長説明は非常に骨が折れる作業となりました。
そのへんは明日以降にお話をさせていただきます。