以前の記事を参照していたら、今から30年程前に行った業務改善の思い出話を3年ほど前に書いていました。

昔が良かったとか、自慢話をするわけではないのですが。

改めて考えると、仕組みを作るというのは改めて大事だなぁと思ったわけですね。

 

そして、仕組みを作るのに決して高い開発費を掛けるとかしなくても、身近なものを使って、きっかけを作ると言うことが大事だなぁと思うわけです。

30年前に手がけた仕組みは、殆どが資材部時代に行われたもので、最初に手がけたのは流れを変えると言う仕組みでした。

当時の私は、資材部で物品の配給事務を行っていたのですが、そこで現場から上がってくる声は欲しいものが欲しい時期に来ない、要らないものはどんどん送ってくる。

そんな不満でした。そして、そうした不満に対して真摯に対応できていなかったのです。

というか、そうしたことを真剣に変えていこうという気概がなかったのでしょうね。

 

まず、最初に手がけたことは以前にも書きましたが、当時はOCR用紙に書かれた数字を読みとって、データ化していくというもので、結構時間がかかるものでした。ただ、その請求理由が適当であったこともあり、運用上に問題がありました。

そこで、請求してくると言うことは足りないから、それならば理由は使用数の増加に強制的に変更する・・・そうした仕組みを導入しました。

最初は手作業でして貰おうと思いましたが、あまりにも膨大ですので、マクロを使った自動運転で強制的にステータスを変更させるようにしたわけです。

 

そして、更に次に行ったのは、それまで行っていた定期的な在庫報告を中止したこと。

それまで、在庫数を確認して、それを更に報告書に転記していくようにする。複数の場所で保管していると時に、その分を読み忘れていたりしてなんてこともあったりして、現場ではたいへんだという声を聞いていたので、その辺を改善したわけです。

まぁ、その発想に至った背景には、私自身の前年の失敗があったんですけどね。

 

実は、マクロを使った自動運転を作成する前に、不備データを削除したOCRのデータを読み込ませたらエラー続発で全くデータが読めないという事態になり、土日返上で郵便局から上がってきたOCRデータをもう一度読み直すという作業をしたのです。

その作業量があまりにも多くて、それでこうした無駄と言えるような作業を止めてしまおうと考えて、在庫報告自体を止めてしまったわけです。

 

郵便局では、在庫報告をしなくても良い。定期配送物品で送られては困るものだけを報告してこいとしたわけですから。

いちいち数えなくても現場では肌感覚で、これくらい半年なり1年で要るとわかっていますから、その辺で要らないものだけを○をして返すわけです。

こちらとしても、査定の数字にかかわらず、不要と郵便局が言っている物品は送付しないわけで、その年の定期配給はそれまでよりも全体に少なかったと思います。

 

と言うわけで、現場の声、そして自身の失敗を経て少しでも楽を出来るようにという、究極のものぐさですので、仕組みを作っていったわけです。

そして、こうしたことを行うときに大事なことは、シンプルで良いので、ひとまず作ること。

これが大事なんですね。

色々な機能をぶち込んでいつまで経っても完成しない訳です。

  • 出来るだけ単純化した、誰でも使いこなせる
  • 更に、それを深度化させる
  • 結果、業務改善となる

業務の改善等言うのはこうしたことからスタートさせるべきだと思うわけですね。

 

高い金を払って新しいプリグラムを開発する必要も無い、出来るだけ現在の内容を把握して、出来るところから改善を図っていく。

そして、更に大事なことはそうした開発は、最初のきっかけは自分で行う、最低限を実装させる。

その上で、今度は多くの人に使って貰って利便性を上げる為の改良点を見つけ出す。

 

そして、こうした改善に要した費用はと言えば、0円なんですね。

業務委託を行ったわけではなく、自分で考えて改善したわけで、新しい機械を導入したわけでもなく、現在ある装置の機能を活かすことで、改善が図れるわけです。

 

そう考えると、現在のDXも同じで、いたずらに新しいサービスを高い金を掛けて導入する前に、自分たちで何を実現したいのかをまず見極めて、そこから単純で良いので方法を模索する。

そして、それで不可能な部分は徐々に改善を図っていくことが大事なのかなぁと思ってしまうわけですね。

 

いたずらにシステム屋さんに丸投げして、使い物にならないシステムを構築するのであれば、最初はシンプルなシステムを手作業で良いから作ってそこから徐々に改善していく。これが大事なんじゃないかなぁと思いますね。

 

現在も、ある会社のDX化を実施していますが、出来るだけ既存のエクセルなどを活かして、誰でもが簡単にできるシステムを出来るだけ費用を掛けず実現する。

いわゆる、「0」円プロジェクトを実践しています。

 

まぁ、無償でやっているのであまり評価されないのはちょっと辛いんですけどね。苦笑

 

自分の勉強代だと思って請求しない私も悪いのかも知れませんが。