TMスティーブンス | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

すでにお聞き及びの方もいらっしゃるかと思いますが、TMスティーブンスがナーシングホームに入院しています。

 

最初に彼の具合が良くないという知らせが入ったのは、今年初め頃だったのかな。TMと長く一緒に演奏していたドラマーのGマンからの連絡でした。そこには仔細は書かれていませんでしたが、連絡すると認知症とのこと。個人的な事なので、皆さんにお伝えするのを控えていましたが、最近になって、彼の代理人の方が発表されたようなので、日本でも人気の高いTMのことですから、お伝えしたほうがいいのかなと思い、今日のブログを書いています。

 

Photo by Susan Stone

 

TMとはずっと昔から知り合いで、NAMMのイベントに客演したりもしていましたが、一緒に演奏するようになったのは2008年、バーニー・ウォーレルの音頭で集まった”Socialibrium”の活動です。

 

初期メンバーは、バーニー、TM、Primus、Guns N Rosesとの活動で有名なBrain、そしてブラックバードの4名。

 

 

Brain脱退後、シンディ・ブラックマンがドラムで参加し、バンド名の綴りを”Socialybrium”に変更して、キックオフ。

 


この後、TMは脱退、ブラックバードもSocialybrium名義のアルバムを一枚残し、バンドから脱退しましたが、TMのソロツアーに参加したり、ブーツィー・コリンズのツアーを一緒に回ったり、またブラックバードはFramus、TMは兄弟ブランドのWarwickとエンドース契約があり、いろんなイベントを一緒にやったりもしました。

 

 

 

TMというと、Mrs.、忘れられない思い出があるんですよ。Socialibriumが最初に集まったのはサンフランシスコ。Great American Music Hallで結成ライブがあったのですが、連中、その数日前から集合し、リハーサルやレコーディングをやったんです。

 

初日のリハーサル、あまりの寒さに鼻かぜをひいてしまったMrs.、くしゃみが止まりません。それに気づいたTM、売薬で効くのがあるよと薬の名前を教えてくれました。その日はもう遅く、周りにドラッグストアもないところだったので、翌日、調達することにして、その日は休みました。

 

夜中に、我が家のドアをノックする音がするので、ブラックバードが出て行くと、TMでした。誰かが車を出してくれて、街まで行ったので、Mrs.のためにオススメの薬を買ってきてくれたんです。お金を払おうと思っても、

 

”Common! You are my sister (何言ってんだよ、お前は俺の妹みたいなもんさ)”

 

と言って、受け取ってくれません。

 

それまでに何度か会ったことはあるとは言え、親しく話すほどのことはありません。なのに、こんな優しい心遣い。心がとっても暖かくなり、風邪なんて、すぐに治ってしまいました。ブーツィーのツアーで再度一緒に仕事ができて、ブラックバードもとても喜んでいたのですが、こちらも脱退、Warwickとの契約が終わったあたりから、ほとんど音信も無くなってしまいました。

 

幸い、健康状態は良いとのことですので、元気にはしているようです。あの、優しく、明るいTMの姿を思い出します。会いたいな、我が家のことがわからなくてもいい。元気にしていれば、それだけでいい。

 

天がTMの人生を明るく照らしてくれるよう、祈る我が家です。