「きみは三丁目の月」 | 雪うさぎ

雪うさぎ

 子供のときから、作文とか読書感想文は苦手で^^。
 つたないながらも、少女漫画と少女小説の紹介をして
いきます。

著:岩館真理子   週間マーガレット



 岩館さんの作品の中には、かなりの確率で、

不思議ちゃん・・・いあ、不思議さん(?)かな・・・

キャラが登場する感じします。


 不思議キャラというても、一般的にイメージす

るような・・・例えば、GACKTや、小雪(古いか^^;)、

ちょっち前の千秋等とは、違う感じの”不思議キャラ”

です。

 以前、紹介した「アリスにお願い」のアリスのような

ミステリアスガールもいれば、オードリーのようなイメ

ージの中での姉妹(実は2匹の金魚)等、色々な”不

思議”です。


 この主人公も、ある意味、不思議ちゃんな気がしま

す(TVコマーシャルやないけど、あくまで個人的な

感想です)。

 マイペースで、少し自己中で、おっとりしていて、殆

ど周囲からの目は全く気にしていない。

 こう書いちゃうと、”イヤなやつ”みたいですが、全く

厭味がありません。


 それは、岩館さんの作品に評される、”繊細で透明

感のある~”が、全てを物語っていると思います。

 ちょっち穿った見方をすると、そのキャラに、社会的

欲求が全く見られず、自分の道をいくことやけにとら

われているのですが、それでも、独善的でもなく、我侭

とも違い、水槽に隔離された熱帯魚を観賞しているか

のような感じです。

 それで、繊細で、透明感のある~に、うち個人として

は、結びつきます。


 主人公・ルツと、その弟・彰は、非常に仲がよい。

 そして、お互いが、それぞれ男女として恋していた。

 ”愛”ではなく、”恋”です。

 と、いうのも、そういった作品の暗い部分がなく、ルツ

に関していえば、”恋に恋する乙女”という言葉が、よく似

合う描かれ方をしているからです。


 そんなおり、彰は、日野みどりという転校生と知り合い、

仲良くなる。

 姉であるルツは、みどりに嫉妬心をもやし、よくある作品

で、本来なら悪役の恋敵がやるような、陰湿な妨害工作を

するんやけど・・・・ほんま何ていいますか、全くドロドロした

感じがしないし、主人公の”悪意”も”悪意”って感じがしな

いし・・・・・岩館さん・・・・天才!といいたくなるほど、上手い

描写をしています。


 ルツのクラスにも、みどりの兄である、誠というのが、転校

してきて、やたらと、ルツにちょっかいだす。

 というのも、小学生のときに、誠はこの地区に住んでおり、

ルツや彰と遊び仲間で、ルツに淡い恋心をいだいていた。

 やけど、父母の再婚でここに戻り、ルツと再会してみたら、

きれいさっぱり忘れ去られていた。


 この誠とみどりは、実は、お互いに連れ子どうしで、血はつ

ながっていないのですが、彰が、そのことをみどりに相談され

たおりに、「実は、俺とルツも本当は血がつながっていないん

だ」と告白する。

 偶然にも、今までそのことを知らなかったルツが偶然いあわ

せ、聞いてしまう。


 それぞれの思いが交錯するなか、本格ミステリーなみの、

”実は!こうやった!”というのもあります。

 それは、読んでみてのお楽しみで^^。

 いあはや、人間の心情描写というか、それにからんだ、エピ

まで盛り込むjとは、岩館さん、すごすぎですw。


 最後は、おさまるとこに、おさまって、ルツの多感な少女の

心情描写も、ほんま”透明感あふれるわー”って、感じで、変化

・新発見して、成長していく模様も短い作品の中にもりこまれ

ています。



「きみは三丁目の月」表題作   マーガレット・コミックス

  1988年3月30日第1刷 




*古本屋さんで、どーしてもみつからず、どーしても知りたい

 なら、メッセかなんかで、こそっと教えますw。