「外科東病棟/看護婦物語」 | 雪うさぎ

雪うさぎ

 子供のときから、作文とか読書感想文は苦手で^^。
 つたないながらも、少女漫画と少女小説の紹介をして
いきます。

著:江川晴



 江川晴さんが1980年代にかかれた小説です。

 自身が、元看護婦であり、人間の生と死を見つめる看護婦の

リアルな心情描写(そして、問題提起)もさることながら、当時の

看護婦が抱える問題や悩みや・・・・色々なものを描かれていま

した。

 富田靖子主演で、2時間ドラマにもなっています。

 このドラマは、うちの感想としては、原作者の意向を優先して、

視聴率を意識して、衝撃的でドラマ的な表現をせずに、作られた

感じがして、良いドラマでした。


 この本が書かれた当時、米国では、フェミニズム運動がさかん

で(それ以前からありましたけどね)、MR、MISSの区別をなくして

統一しようとか、英語には女性形がありますので、それは差別だ!

と、いう改変が色々ありました。

 これ以降、日本でも、看護婦やスチュワーデスとかいう言葉をな

くし、看護婦なら、看護士と呼ぶようになってます。


 さて、「外科東病棟」にように、外科などは当然やけど、人の生死

をみつめる・・というより、みつめなければならなくなる場所です。

 その中で、看護士が悩む姿が描かれていますが、その他にも、看

護士たちのさまざまな配慮が描かれています。


 例えば、新聞記者か何かに、「病院内で、患者が病気と戦っている

ときに、看護婦がそんな派手な化粧をするのは、不謹慎ではない

か?」と、いうシーンがありました。

 普通に考えれば不謹慎かもしれません。

 ですが、看護士たちは、”ファッション”で、化粧をしているわけでは

ありません。

 死を直面して、気が暗くなっている患者さんたちの心を、少しで

も明るくしようと、明るいメイクをしたり、明るく振舞っているんです。


 もう1つ、江川さんが主題にしていたのが、雇用の問題です。

 看護士というのは、学歴社会です。

 単刀直入にいうと、正看護士と、準看護士の差になります。

 この区別は、単に、正看護学校を卒業したか?、準看護学校やった

か?の差なんですが、実際に病院勤めとした場合は、仕事内容は

どちらも同じです・・・・同じなんですが、待遇に差がありました。


 昭和には、高校あたりを出て看護士になった場合は、大体、病院

負担で、看護学校に通いながら仕事をし、準看護士の資格をとって

いました。


 大病院勤務になれば、準も正も仕事は同じです。

 早番、通常、遅番、夜番という”日本国内にいながら、時差を感じ

る”、辛いローテをこなしながら、”準看護士”というやけで、賃金が

低くなる・・・・不条理を感じずにはいられません。


 まー。”時差”に関しては、”慣れないけど、慣れた”けどねw。

 もー、仕方ない・・・・とあきらめるしかないですw。


 現代では、雇用の問題(正規雇用と、非正規)で、とりだたされて

いますし、看護婦から看護士に改名されたときに、ちょっち解消され

たのですが・・・・・・・社会情勢にあわせて、新たなる問題がでてきて

います。


 すなわち・・・・・・・

 「パート・アルバイト募集・準看護士の資格所持」です。

 せっかく、資格をもちながら、”パートやバイトの時給”?


 江川晴さんも、看護士の抱える問題を提起していましたし、

その改善に尽力されていましたが、こんな時代になってしま

うとは・・・・・予想外やったのではないでしょうか?