「宝剣物語」 | 雪うさぎ

雪うさぎ

 子供のときから、作文とか読書感想文は苦手で^^。
 つたないながらも、少女漫画と少女小説の紹介をして
いきます。

著:伊東麻紀    大陸書房


 今のファンタジー小説のジャンルを確立した

”ネオ・ファンタジー”の旗手の女流三大女王は、

ひかわ玲子さんと、前田珠子さんと、この伊東麻

紀さん・・・(or麻城ゆうさん。どっちやったろうか

?。”マキ”という記憶はあるんですが、両方とも

”マキ”がついとるし。ま、どっちでもええですね。

お二方の作品は、おもろいし)。


 何回も書いてますけど、筋肉むきむきのヒーロ

ーが活躍する、どこか遠い世界の御伽噺(実際

異世界のお話のことをファンタジーって言うんです

けどね^^)に、親近感がわき、話にはいりやすいよ

うにした方たちです。


 単に、それは、ファンタジー世界で、かよわい”女

の子”が主人公やから・・・という理由やけではない

と思います。

 この作品と、麻城ゆうさんの「月光界シリーズ」は、

馴染みやすいようにと、”意図”したのか?は、わか

りませが、主人公は、冒頭では現代日本のどこにで

もいるような女の子です。

 それが、ひょんな拍子から、ファンタジー世界にト

リップする・・・・・。という設定になっています。


 そして、偶然なのか、わかりませんが、両作とも、

元々は、ファンタジー世界で生まれた人間で、最後

は、そっちにおちついてしまう(うち的には、異世界で

の冒険を終えて、現代日本に戻ってきて、そっちで

家庭を築きハッピーエンド・・・のほうが、好みなんで

すけどね^^。)。


 主人公・玲音(レネ)は、ライブハウスで、ステージ

バンドのボーカル。

 そこで、死んだはずの兄をみかける。

 実は、それは、魔界の使者の化けた姿やった。


 その魔界は、”宝剣”と”生命の娘”と呼ばれる乙女

の両方を手に入れると、魔王として君臨できるらしい。

 そして、レネは、その”生命の娘”とやららしいのやけ

ど。


 ”魔界”に誘拐されたレネは、魔王の妃になることを

強要される。


 ま、ファンタジーにありがちな、覇者の力を手にいれ

ようとする色々な陰謀とかありながら、そちらの世界で

大冒険をすることになるレネ。


 恋愛というか、ファンタジー系の少女小説としても、

色々もりこまれています。


 印象深いのは、2キャラ。

 ”夢魔”と”フローラ”です。

 

 殆ど、最初でフェイドアウトしますが、魔王の奴隷み

たいな感じで、コキ使われている”夢魔”といわれるキ

ャラ。

 敵役で、にくまれ口をきく、いやな奴とおもわせつつ、

彼の最期は、実は純真やったみたいな感じで、レネに

思いをよせてしまい・・・むくわれないとわかっていなが

ら、レネを守るために、いのちをおとす。


 フローラ姫は、過酷な運命にあいすぎて、ほんまに、

かわいそうなんですが、ラストは、ハッピーエンドでよ

かった・・・・・。


 小説の中の架空のキャラなんですが、感情移入し

てしまい、心の傷もいやされてくれると良いですね・・・

と思うくらいです。



 「エストレリャ異聞」と同じく、4部作で完結。

「宝剣物語」

1.「生命の娘」   1989年7月14日初版発行

2.「叡智の息子」 1989年9月21日初版発行

3.「深紅の野心」 1989年12月22日初版発行

4.「極北の王」   1990年2月24日初版発行