著:ひかわ玲子 元は大陸書房
ネオ・ファンタジーの始祖の3大女流作家の一人です。
というより、うち的には、ひかわ玲子さんが、”教祖”で
すね^^。
ひかわさんの、小説家デビュー作「バセット英雄伝~」
を読むきっかけになったのは、イラストが、「マクロス」の
美樹もと晴彦さんやったからやった気がします。
「バセット~」の方は、すみませんが、あまり面白いと
は思いませんでした。
そして、当時のうちは、ファンタジー系のT・RPGではプ
レイしていましたが、小説では、ファンタジーには、興味が
全くありませんでした。
イメージ的に、筋肉むきむきのヒーローが活躍する異
世界の話・・・という、うちの想像力をこえていたからです。
この小説では、力もなく・・・な、女の子が活躍する、こ
れはまさに、ネオ・ファンタジーというジャンルを創設した
作品や!と帯とか、解説で大きくうたってますが、確かに
・・・な感じで、”ファンタジー”というジャンルに親近感がわ
き、これ以降、ファンタジー小説も読むようになった、きっ
かけになった作品であります。
タイトル作品は、エフェ&ジーラ・シリーズの一作目。
一代で、大陸を統一するという偉業をなしとげた、オカレ
スク大帝の血をひく、現代では、かなり分断されているも
のの、大陸一の強大な力をもつムアール帝国の唯一の
継承者であるジリオラ姫(通称・ジーラ)と、星見で、何か
しらの運命があるらしい青い髪の魔術師・エフェラ(通称・
エフェ)の女二人の冒険談です。
かたや、権力に興味がなく、帝国を出奔し、かたや、
何かしらの力があるらしいのやけど、おちこぼれて、魔術
師失格の烙印をおされた、おちこぼれ。
二人の女戦士は、”傭兵”を生業としていた。
エフェとジーラは、ひょんなことから、奴隷船に捕まえら
れていた。そこで、であったのが、何かいわくありげな、二
人の美少年。実は、一国の公子と付き人であった。
とある策を使って、その奴隷船からは脱出するのやけど。
ひかわ玲子さんは、悲劇的な描写が多々あるんですけど、
ま、ラストもある意味・悲劇かな・・・・。
ファンタジーで、こんなストーリーを読めるなんて!と、当
時、夢中になり、新刊の発売を首を長くして待っていた作品
です。
エフェにも、ジーラにも、子(種まいた男は、両方とも死ん
でるので、いわゆる私生児)ができるんですけど。本人もロマ
ンスの描写は苦手だと、言うとるとおり、子ができる過程での
恋愛描写は、確かに・・・・な感じやったでしょうか^^。
特にエフェの方は、なんで?な感じやったかな・・・・・。
そして、ファンタジー小説の中で、ジーラは、今風にいうと
うちにとっては、”神”ですw。その一端をあらわす台詞。。
エフェの幼馴染で、エフェに思いを寄せているユーリック
が、ジーラに帝国の皇女に戻るよう説得するときの台詞(ほ
んまは、エフェとユーリックが結ばれてほしかった)。
「(中略)誰しもに与えられた役割、というのがあるのだと思い
ます。わたしにも・・・・恐らく、エフェラにも。ただ、生まれながら
に権力の座を与えられていて、その座にふさわしからぬ者は
多くいます。ですが、ジリオラ殿下。わたしはあなたを見て、
こう思います。あなたは、まさしく帝王だ、と。
その激しいご気性も。ご自分を曲げない正確も。なすべき
時になすべきことをなされる、そのご器量も。
わたしは、あなたを見てると思います・・・・・昔年のハラーマ
に君臨するムアール帝国を建設し、人々を統べ、この地に秩
序をもたらしたオカレスク大帝とは、ジリオラ殿下、あなたの
ようなお方ではなかったのか、と」
エフェとのやりとり。
「グルク老が言ってたわ。夢石の玉座なんかなくても、あん
たなら、よきムアールの帝王になれたんじゃないかってね」
「なんか、ユーリックもそれっぽいこと言ってたな。そうだね
・・・・ま。もしどうしても帝王になりたいんだったら、あたしは
自分で帝国を作るよ。でも、たぶん、あたしは・・・・・
人を支配したいとは・・・・・思わない」
(そうね・・・・そういうとこがあんただわ)