著:藤本ひとみ コバルト文庫
「つっぱりララバイ・シリーズ番外編」
注)この作品の紹介はネタばれになります^^。
TV東京系のドラマ「IS」の番宣を見たとき、
「あ、そーいえば、つっぱりララバイ・シリーズ
でこんな話あったなー」と思いだし、検索した
ら、HITしたのが、このアメーバのブログでした。
うちがアメーバ登録したのは、その記事にコメ
するため・・・が最初でした^^。
一応、ISの説明(wikiから転載)。
「インターセクシュアル (intersexual) 」の略である。
「半陰陽」とも言い、遺伝子、染色体、生殖器(性腺、
内性器、外性器)などの一部または全てが非典型的
であり、身体的な性別を男性や女性として単純には
分類できない状態を指す。
わかりずらいので、詳しくは自分で^^。
ようは、うち的にいうと(なので、あってるかどーかは
わかりません)、一種の奇形で、遺伝子的には、XXも
しくは、XYでありながら、生物的な特徴(特に生殖器)が
どちらつかずに変形しているか、もしくは逆の外見をして
いて、性別を間違われて出生登録されてしまった状態
です。
余談ですが、ターナー症候群も、Y遺伝子がないから
雌になりますが、実際は、どうなるのか、わかりませんし
ね。
主人公、ケーコは、中学三年生で、今は死語になるの
かな・・・・つっぱり娘。
今日も夜遊びしとるときに、女の子みたいな美少年の
神立達郎と出会い、恋人・・・・とまではいかないまでも、
”恋人契約”という名目で、恋人ごっこしようかと・・・・不
思議な、それでも良い感じで付き合うことになる。
だが、彼は身長も160くらいでとまったまま、自分は
170超えで、顔もりりしくなり、なんとすね毛まで生えて
きた。悩むケーコ。
高校への進学も身近に迫った頃、できれば、余り会い
たくないというようなことを彼に言われるが・・・・
ケーコは、血液検査の結果、実はISで(作中では、”キメ
ラ”もしくは”モザイク”と記述してあります)、遺伝子的
には、男だった。
医師からは、性別は、本人の意思で、そのまま女でいる
こともできるが、男になることもできる(その場合は、一種
の外科手術を受けることになるが)よ、といわれ、
「逆のケースの患者さんがいるから、友達になるといい」
と紹介されて、会いに行くと・・・・。
そこに居たのは、勿論!「神立達郎」でした^^。
「もう一度、恋人契約しようか」
「まだ、オレのほうが男だからな、聞いてもいいかい、キス
してもいいかって」
泣かせるとはいかなくとも、切なくて、恋愛小説として読んで
も、いいお話でした。
ま、このシリーズ、毎回、主人公(本編は良子ちゃん)が美
少年に出会う話なので、その手の小説なのか・・と思いがちで
すが、このISのお話のほかにも、不法入国の労働者のお話と
か、底辺に、社会問題があります。
だからといって、こういう社会問題がある!というふうに、自己
主張はしてないので、少女小説として、しらけるような作品に
はなってません。
うちにとっては、傑作であり、藤本ひとみさんの作品の中で
一番好きなシリーズです^^。
「つっぱりララバイ200%」 コバルト文庫
昭和63年9月10日第1刷発行に収録