夫の畑にいる鶏。
最初はグループホームから連れてきた雄鶏1羽、雌鳥5羽だった。
6羽は仲良く暮らしていた。
ある日、グループホーム入所者の息子さんが自分の飼っている鶏の中で群れに馴染めない雄鶏1羽を引き取ってくれと夫の畑に持ってきた。雄鶏1羽だけだと、ただただ厄介者を押し付けることになるから、と他に雌鶏を5羽も持ってきた。
夫の畑には都合12羽の鶏が暮らすことになった。
鶏というのは順位付けを鳥だ。
最初からいた雄鶏と後からきた雄鶏は決闘をし、結局最初からいた雄鶏が勝った。
最初は6ー6の2群だったのがすぐに11ー1の1群と1羽となった。(ちなみに負けた雄鶏は勝った雄鶏の目を盗んでは雌鳥と後尾するので夫は間男と呼んで面白がっている)
雄鶏の順位が決定した日から負けた鶏はあの立派な鶏小屋に帰ることを拒否するようになった。
最初の数日はイタチに襲われてもいけないから、と夫がタモを持って畑に行き、何分間も雄鶏を追い回して捕まえて小屋に強制送還していた。
だが、そんなことは何日も続けることができず、じきに小屋に帰らせることを夫は諦めた。
しかし、いくら雄鶏とはいえ、イタチに殺られてしまっても可哀想と思ったのか、夫は裏庭に置いていた犬小屋を畑に持って上がった。
果たして夫の思惑は上手くいくのか
上手く行ったらしい
最近、間男鶏はひとり犬小屋で別居生活をしているらしい。
日が暮れてくると何もしなくても自分から犬小屋に入るそうだ。(他の鶏たちも日が暮れたら自分たちの立派な家に帰る)