ジャクスン・ブラウン 東京公演 3月13日 | Music and others

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 ジャクスン・ブラウン(Jackson Browne)の7年振りの単独の来日公演が始まりました。3月11日を挟んでの来日公演は、日ごろの彼の真摯な姿勢にリンクしたものではないでしょうが、何かを感じさせるように思います。



それにしても、今回は多くの方がすでにそれぞれに記事をアップしており、出遅れた感は否めませんがせっかくなのでアップしたいと思います。 と云うのも、先週の金曜日にライヴを観て、その翌日の土曜日の早朝には羽田空港より、実家のある愛媛県に旅立って週末も私的な用事に忙殺されていたからです。



■ 名古屋公演  3月9日 
■ 東京公演   3月11日・12日・13日 
■ 大阪公演   3月16日・19日
■ 広島公演   3月17日


かつては武道館でライブも行っていた時代もあり、チャートを席捲していた時代もありましたね。1980年に行われた最大級の規模のワールド・ツアー、"ホールド・アウト"(Hold Out)ツアーは最強のバッキング・メンバー(セクションと、デヴィッド・リンドレー)を率いて行われました。とても印象的であったので、このブログ(↓↓)でも取り上げました。


とは言うものの、96年『ルッキング・イースト』(Looking East)以降のアルバム3作品は全く聴かなくなり疎遠になっていたのは事実です。



それだけに、最新作を聴いて久々に良いと実感してのライヴ参戦です。最近は歳のせいか、大きな会場でのライヴに行くことはまずなくなりました、エリック・クラプトン以外は。 オフィスから近いので、青山にあるブルーノート東京にはたまに行きますが。


昨年リリースした14枚目のアルバム、『スタンディング・イン・ザ・ブリーチ』(Standing In The Breach)(ブログはこちら↓↓)がとても印象深い出来であり、非常に愉しみにしていました。



東京での会場がロック系ではかなり珍しい東急Bunkamuraのオーチャード・ホールで、こちらは2009年の11月のライ・クーダー(Ry Cooder with Nick Low)公演以来です。 クラシック向けの箱と言うイメージのスペースに、普段とは違う客層が大勢訪れていました。 最近よく感じるのですが、客層がかなり高い年齢層の方ばかりで、タイドアップしてスーツを着ている男性を見かける頻度が極端に低いのです、平日の夜なのに。


私はいつもの様に、ジャケパンにタイドアップし、ストールとコートと云うビジネス・スタイルでオフィスから駆けつけました。余裕をもっての来場ではありません。


客層は、現役を退いて悠々自適の生活を送っているご夫婦だったり、下腹が出っ張った白髪の方、或いは・・・・・と、何か"懐メロ"コンサートのような空気を感じました。



自分は常に現役感を大切にしているので、何か哀愁のある、この空間には正直馴染めませんでした。 コンサートを愉しんでいた方には大変申し訳ありませんが……。ロックのライヴのような雰囲気ではない・・・・・変わった雰囲気でしたね。



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さて、肝心のコンサートですが、東京公演の最終日と言うことで、ジャクスンの思いやり(優しさ)が過ぎたようで、会場内でのリクエスト攻撃に賛否両論がありました。 詳しくは同じアメーバ・ブログ内で精緻なレポートを挙げられている、High-Hopesさん(ソニー・ミュージック・エンターテインメントの関係者の方)の記事を参考にして下さい。



内容的には、初出の曲が5曲と多く演奏されましたが、その分ステージ上でキーの確認などの打ち合わせに時間がかかり、曲数は少なくなりました。 それと、以前のコンサートに比べると外国人の比率が低かった事が意外でした。


それからもう一つ、ステージ前でジャクスンにプレゼントを渡す光景も以前にも増して多かった気がしましたね。らしいコンサートではあったし、自分なりには満足出来ました、惜しむらくは"The Pritender"と"Before The Deluge"の2曲が聴けなかったことくらいです。



◇ Setlist;


1. The Barricades of Heaven

JB(Jackson Browne)がGibsonのアコースティック・ギターを抱えて、この曲で幕が開きます。VC (Val McCallum) はTelecaster、ジャクスンと同じ高校に通った同級生には見えない風貌の渋いギター職人、GR(Greg Leisz) が Lap Steelで彩りを添えます。


そして、1曲終わった時点で直ぐに、バンド・メンバーの紹介を行う。よほど、このバンド・メンバーの技量やリレーションシップに信頼を寄せているようである。


2. Something Fine

意表を突いたような1枚目のアルバムからのチョイスです。かなりレアな選曲だと思います。

3. The Long Way Around

ここからは、新作から続けて2曲を演奏しました。 この曲では、JB とGL は共にMartinを携えて、VMは最も出番の多い Telecasterを使ったヴォリューム奏法で良いソロを聴かせます。

4. Leaving Winslow

JB は珍しい Telecaster Thinline を弾いていました。

5. These Days

すでにお馴染みのリクエストの声が飛び交い、いきなりこの曲に変更したようだ。 JBはこれまた珍しい、GibsonのFull Acousticをぶら下げていました。ハイライトは原曲と同様にGLが弾くLap Steelのソロでしょうか。

6. Red neck friend

そして、こちらも場内からのリクエストで懐かしい2ndアルバムからの曲です。JB のギターは黒のStratocasterに変更していました。

7. Walls and doors
  立て続けにリクエストの声が掛かったようで、最新アルバムからの初出のこの曲になりました。可笑しかったのは、長い付き合いのはずのベースマン、ボブ・グロウブ(Bob Glaub)が慌てて目の間に置いてある紙(おそらくはコード進行などが書いてある譜面みたいなもの)をめくり、相当に焦っていたことです。想定外の曲だったようですが、この曲はイイですね。


8. . I'm Alive

客席からリクエストが鳴り止まないが、ボブが大変だからと笑いながらこの曲に行きました(多分)。そして、客席に向かって尋ねていました、『僕のショーは、今日で何回位観にきたの?』と。
多くの方が手を挙げていました。 『そう、じゃあ出来る限り違うショー(different show)にしたいね』とあくまでファミリアーで真摯なジャクスンでした。


9. You Know the Night
  GL はDobroに変更して、VMは珍しいTeisco 製のギターを持っていました(ライ・クーダーやリンドレーさんも持っていますよね)。

10. For a Dancer
  
この曲で第1部が終了し、20時10分から15分の休憩に入ります。




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◾️ 2nd Show

11. Your Bright Baby Blues

12. Jamaica Say you will.
ここでも、リクエストがステージそばの観客が寄せられて、JB曰く『多分このメンバーなら出来るだろうけど、』と言いながらピアノの前に座る。そして、『KeyはDかな?』と言いつつ始める。
この曲が聴けるとは思わなかった。

13. If I Could Be Anywhere

14. Late For the Sky
そして、極め付けのリクエストが放たれ、この思い入れたっぷりの曲が演奏された。

15. Which Side

ニューアルバムからの曲に戻るが、旧作との違和感は全く感じさせない。この曲では、VM はこれまた珍しいDan Electro 、JB はと言えば、クリーム色の改造されたStratocaster(ネックが交換され、ピックアップも交換)を弾いていた。US国内のツアー程ではないだろうが、ギター・テクニシャンはさぞかし大変だと思う。


16. Standing in the Breach

JB は歌い出した直後に声が裏返ってしまい、演奏を止めてやり直す。曰く、『キーを間違えてしまったみたいだね。』と話しながら、やり直します。さすがに、3日連続ではお疲れではないかと想像しました。
VC はまたしてもTeisco に持ち替えていました。

17. Looking East

18. The Birds of St. Marks

GL はロジャー・マッギン(Rodger McGuinn)さながらに、Richenbackerの12弦ギターModel 370/12(360ではないように見えましたがどうでしょうか?)を弾いていました。 このギターも実はジャクスン所有のモノだそうです。それにしても、Byrdsのサウンドが見事に蘇っていました。

19. The Late Show

20. Doctor My Eyes

21. Running on Empty






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■ Encore;

20. Take It Easy

21. Our Lady of the Well

  20&21 はメドレーで続けざまに演奏されます。

22. I Am a Patriot
  これも今回初披露となった、レゲエチューンですが、意外な選曲ではありました。 時計はもう21時56分を指しており、これ以上は演奏はないことが分かり、一目散に家路を急ぎました。





私の座ったシートは丁度1階席の中心部、ミキサーやライティングのコントロール・ボードのすぐ傍でした。色々な意味で興味深いポジションでした。



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ジャクスン御一行は、この後大阪、広島と移動がありますから、ゆっくりと休養を取って欲しいと思います。5月以降には、ワールド・ツアーが以下のようにスケジュールされており、9月末まで長い旅が待っています。



EUROPA 2015 TOUR;
   May 24 ~ July 6

US 2015 TOUR;
   July 30 ~ Sep. 27

Greek Theatre (Los Angeles) 以外は、全て今回の日本公演同様のキャパシティ(2000から3000人収容)の会場で行われます。


いつもそうですが、ジャクスンの歌心溢れる楽曲を聴くと、前向きな気持ちになることが出来ます。無理かもしれませんが、かつて長期滞在した西海岸でライヴを観てみたいですね、一度でいいから。