綺麗でいるということ | 強いことは優しいこと。

強いことは優しいこと。

2017年34歳で乳がんになった私の思うこと。
徒然なるままに。
日々変わるであろう私の気持ちと、変わらないで欲しい普通の毎日を。

ヒールの高さはプライドと女らしさの高さと比例する。

 

これはピンヒールばかりを好んで履いていた私の持論だった。

 

伸長171cmの私が11センチのヒールを鳴らし歩く。

それは爽快だった。

 

私は綺麗でいることが好きだ。

 

しなやかで柔らかい髪の毛。

潤いのある肌。

手入れされたネイル。

引き締まったふくらはぎ。

長い睫毛。

縦にラインの入った腹筋。

上品な言葉使い。

 

特にコスメが好きとか、服が好きとかでは無くて

素のままの美しさを手に入れ、維持することは私の趣味だった。

 

その私が女のシンボルとも言える乳房を失う。

 

決して大きくはなく、むしろ小さい乳房だけれど。

私には2つ合わせてたったひとつのシンボルだった。

 

切る決断をしたのは自分自身で、その決断に後悔なんてなかったけれど手術の1週間位前から酷く落ち込んだ。

 

切りたくない。

二度と元には戻らない。

再建はあくまでも再建でしかない。

 

私は女でなくなってしまう。

どんなに綺麗に装ってもそれは繕いでしかなく、

私は片方の胸が無い不完全な女なのでは・・・

 

あの日々は辛かった。

決心を決めたから常に前向きいる努力を自分に強いていたし。

笑顔でいなくてはと心がけつつ、自分からも現実からもずっと逃げたかった。

 

自分からも現実からも人生からも逃げたりなんてできないのに。

 

手術を終えた今だって腕立て伏せは禁止だし、

久しぶりにやる気のでたゴルフもダメだって言われたし、

なんなら大胸筋は使わないでってことだし。

 

筋肉は着々と弛みつつあるけれど、

綺麗でいる努力は見た目だけではないよね。

 

最近主人に穏やかだねって言われて、嬉しかったな。

人の話によく耳を傾け、

共感まではいかなくても、人は人とありのままの姿を受け入れられるような人になれるようになりたいな。

 

携帯の待ち受け画面はいつまでも自分の理想のスタイルのモデルさんだけれど。

 

わたしはどれも諦めない。

女も人間も人生も。