作者不明◇油絵 手描き《赤い服の少女》

表サイン F6号 額無

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こんなタイトルで

ある少女像の油絵が出品され

落札されて行きました。

作者不明《赤い服の少女》F6号

 

落札価格は

95000円です。

 

見た瞬間

現代風の写実感。

 

誰の作品だろうと

絵を詳細調査して見ると

少し違和感を感じる。

 

今流行りの現代写実に比べると

精緻さが足りません。

 

誰かの絵を基にした

ジグレーか何かだろうか。

そんな風にも見えて

背景をチェックすると

キャンバス目が見えて

塗りも浅く感じる。

 

ネットで類例を

探して見たら

これが見つかりました。

岡靖知作『赤い服の少女』F4号 2018年

(岡靖知旧ツイッターより)

同上

 

比較する対象が見つかりましたので

詳細検討すると

幾つも疑問が浮かんで来る。

 

一番の問題点は

本当に肉筆なのかどうか。

全て肉筆なのかどうか。

 

ここです。

ここに疑問が浮かんで来る。

 

こういう時はどうするか。

 

ここからは

自分の検証方法を公開。

 

同じ部分を抽出して

比較して行きます。

 

先ずは背景です。

岡作品。背景には一仕事が入っています。

作者不詳。キャンバス目の判る

均一な塗りの背景です。

岡作品。肌は緻密でムラが有りません。

作者不詳。ホクロを一応描き込んでいます。

やはりキャンバス目が判ります。

岡作品。毛髪の毛先は繊細です。

作者不詳。髪の毛を表現する筆先は、やや太めです。

岡作品。腕のホクロ(シミ?)に注目。

作者不詳。こちらにホクロ(シミ?)は有りません。

 

こうやって

比較をしてみると

マチエールの差は歴然で

細密な筆致も

作者不詳の方は

割と端折っていたりする。

 

でもトレースの技術は

正確なので

全体としてみると

それなりに纏められています。

 

もしかしたら

ジクレーに手彩色かな、なんて

考えたりもしますが

これはもう

実物を見てみなければ

判りません。

 

落札価格を見れば判る様に

岡作品と比べれば

遥かに全然安い。

 

岡作品真作と思っての

落札でしたら

余程目の利かない人、と

言わざるを得ないでしょう。

 

でもこの描かれている

女性を好きになったのであれば

それはまた別のハナシです。

 

以前にも書きましたが

描かれている女性を

好きになってしまったのなら

金額は関係有りません。

 

そういう時は

たといそれが印刷でも

本人的にはノープロブレム。

 

好き、とは

そういう事なんです。

 

この出品者は

原画を当然知っています。

 

それはタイトルが

物語っている。

 

絵のタイトルは

岡氏の作品と全く同じ

『赤い服の少女』

 

そして説明にも

作家名の検索ワードとして

二番目に

“岡靖知”の文字が

入っています。

 

当時評価0(ゼロ)の

出品者の

他の出品中の作品を

見て見ると

 

“ああっ、やっぱり!”

 

そういう絵画作品が

並んでいました。

 

この作品には

絵の右下に

“OKa”の文字が

入れられていましたので

贋作を意図している事は

明白なのですが

主タイトルが

“作者不詳”ですので

落札者がクレームを付ける事は

一切認められ無いでしょう。

 

問題が起こるとすれば

これを岡靖知作品として

次の所有者が

販売した時点から、です。

 

今回の一件で

他にも比較資料を

集めていますので

少しは“岡靖知作品”に関して

詳しくなったのかも知れませんが

だからどうしたって話しで

このネタを描く為に

集めた資料ですから

今後これを生かす機会は

おそらく全く無いでしょう。

 

そうしたファイルが

絵画資料と言うタイトルと

遊歩道ワタルというタイトルで

パソコンのピクチャの片隅に

作られていて

資料の墓場の様な有り様に

なっています。

 

一旦入れてしまうと

全てが忘却の彼方ですので・・・。