陶芸の世界に於いて

方南と言えば

田山方南が先ず頭に浮かびます。

 

田山方南(たやま ほうなん)
三重県出身、東京帝国大学卒。本名は信郎。
中国、日本の古書墨蹟を研究。

国宝、文化財認定、保存、鑑定に功績を残し、
書のほか中国明時代や日本の古陶磁も研究。

作陶も手掛ける。

釘彫にて「方南」、印名は「田山信」 「田山信郎」等

 

ですので

方南の書付の有る陶磁器は

幾つも有り

評価も得られているのですが

問題なのは

自作の陶磁器にも

それなりの評価が有る事。

 

で、問題なのが

“方南”の印のある共箱作品。

 

その多くが

『田山方南』作とされる事が多い。

 

田山方南氏のホンモノよりも

ずっと沢山出て来ます。

ネットオークション等で。

 

知ってる人は、知っていますが。

 

この印です。

 

で、共箱が

 

こんな感じです。

この共箱はまだ別作家だと

判り易いのですが。

 

大樋焼窯元 方南

 

と成っていますので。

 

 

こう言うのが出て来ると

先ず勘違いする人もいる事でしょう。

 

この作品の作家は

 

西坂方南

 

と言います。

石川県金沢市で活躍した陶芸家。

 

加州方南とする人もいるのですが・・・。

加州とは加賀の別名、石川県の事です。

 

 

大樋焼 西坂方南

 

西坂方南は八代大樋長左衛門の門人で、

金沢市立中村記念美術館にも

作品が所蔵されています。

大樋焼の茶碗など主に茶陶を手掛け
晩年はペルシャ陶器の研究に取り組み、

テラコッタのような手取りの軽い陶器に、
淡い色あいの釉薬で、

異国風の絵付けを施した作品を残している。
金沢市に生まれ、

石川県立工業高校を卒業し、陶芸の道に進んだ。
飴釉茶碗や黒茶碗などの茶器を多く製作し、

主に京都で認められるようになった。
中国や台湾 ・・・

 

以上です。

実は断片的な情報しか得られていません。

セーフティブロックで

先の情報を得られないでいます。

 

ですから得られた情報は

自分ではこの程度でした。

 

この印のある作品は

全て西坂方南の作品です。

 

一方で、田山方南は、と言うと

 

 

 

 

彫り銘、描き銘が多い。

印銘が有ると言われてはいますが

自分では未確認です。

 

『方』印ではないかとの

情報も有りますが・・・。

 

それも未確認です。

 

作品には稚拙さが見えますので

そこは西坂方南と

区別が付け易いでしょう。

 

『方南』印は西坂方南。

 

大樋長左衛門の門弟らしい

御茶碗で

京都で評価を得られた事自体で

その実力を示しています。

 

その意味ではホンモノです。

 

決してまがい物では有りませんので

誤解はしないで下さい。