水曜日 スラニ
ジール「あっ……兄さんも帰ってたのか。ただいま」
ジール「編集と打ち合わせして……で、その後にナナイさんに捕まって霊力を上げる為とか言われてレイブンウッドに連れて行かれて……喧嘩別れした」
リイヴ「なんで?」
ジール「……ナナイさんが頭ごなしにギャアギャア怒鳴るから悪い」
リイヴ「ほーん」
リイヴ「あー、上司は相変わらず生意気だが上手くいってる……てかジールちゃん!!なんで弁当がラーメンなんだよ!?」
ジール「兄さん、スープとかそういう汁物が好きだろ?」
リイヴ「好きだけども!!どんぶりに入れて持たせるのはなんか違くね!?」
ジール「なんだよ、ワガママだな」
リイヴ「ええぇ……」
そして21時
今はリイヴ操作中だったので、取り乱しておきましょうか。
ヴェナート『ジール……世の中には執筆より大切なことがあるんだ……』
死生学はなんか、こう、自律で死者の言葉を話して失敗して会話相手に負のメモリーを付けるから あまり良い印象がありませぬ……。
死神キャリアの仕事についていけば、ポータルに植物の魂も解放できるのかな?
また試してみようっと。
ヴェナート『終わった……じゃないだろ、後ろになんか悪霊いる』
ジール「まったく落ち着く暇もないな」
ジール「うわああああ、やめろっ!!PCが壊れたらまた修理する事になって、修理に時間を取られた分 執筆が遅れて締切に追われる羽目になる!!俺はそれが一番怖い!!」
テンペランス『アタシに怖がりなさいよ!!なんなのアンタ!!』
テンペランス『ええぇ……』
なんか指示したわけでもないのにキレてるモーションしてて草なんだ。
テンペランス『ちょっとは怖がりなさいよ』
ジール「無理な相談だ、怖がらせたいなら他所をあたってくれ」
リイヴ「のああああ、なんかヤバそうな人形まであるじゃねえかよよおおぉぉ!!!」
ジール「うるさいな……気が散る」
リイヴ「この状態で気が散らないジールちゃんの方がおかしいだろっ!!」
あとトイレぶっ壊されました。
ちなみにジールに執筆ばかりさせてるのは、あと1冊良い本を書けばベストセラー作家願望が次のステージに進むからです!
頑張れ!
ジール「怖くはないが迷惑はしている」
テンペランス『はー、ムカつくわぁ〜』
テンペランス『何よ、このチビ!!アタシはコイツをビビらせないと成仏できないのよ!』
リン『怖がらせても成仏しないでしょ!誰が片付けると思ってんの!?お兄さんだよ!!』
テンペランス『誰が片付けようがアタシの知ったこっちゃないわ!』
ヴェナート『霊同士で騒いでる』
ジール「カオスだな……」
ヴェナート『ホントにやかましいよなアイツら、霊のクセに活きが良すぎ』
ジール「霊のクセにって……お前だってゴーストだろ」
ヴェナート『…………まあな』
ヴェナート『……他のゴーストには興味がないんだ。それにボクはお前とずっとくっついていたいから具現化なんかする必要ない。今さらそんなこと言わないでくれ』
ジール「そうか……相変わらず変わり者のゴーストだな。じゃあ、おやすみ」
ヴェナート『……おやすみ』
木曜日
ヴェナート『いや1時間しか寝てなくないか?』
ヴェナート『エナドリみたいな扱いするな、あとそれって結局元気の前借りだろ……』
ジール「ああ、行ってらっしゃい」
リイヴ「……ちなみに今日の弁当は?」
ジール「味噌ラーメン」
リイヴ「……………うん、零さないよう気をつけて持っていくわ」
ついでに魂の旅も2ステージまで進んでます。
ヴェナート『行くって……何処に?』
ヴェナート『……地下墓地なんか行って、何かあったらどうするつもりだ』
ジール「何かあっても お前が助けてくれるんだろ?」
ヴェナート『お前はボクがいるのが前提で事を進めるよな。まあ、助けるのは決定事項だけど』
ヴェナート『……お前、墓地は大丈夫なのか?それこそ、ここは霊の溜まり場って感じだけど』
ジール「ちゃんと葬られてるからか、悪い感じはしないんだよ」
ヴェナート『なるほど』
ヴェナート『当たり前のように入ろうとしてるけど、勝手に地下に入ったら怒られるんじゃないのか。適当に墓参りに来ましたって誤魔化して入れないのか』
ジール「ここは寺が管理してる寺院墓地だから、そういう嘘はすぐバレると思うぞ……埋葬されてる人や身内の情報も把握してるだろうし。住職が見てない内にコッソリ入るしかない」
ヴェナート『大胆……』
ジール(よし、誰も見てないな……今のうちに)
「待たれよ!!」
ヴェナート『めっちゃ見られてて草』
ヴェナート『なんだよ、子供じゃないか』
ジール「もしかしたら住職の娘かも……」
ヴェナート『なんであれ邪魔だな……突き飛ばしてやろうか?』
ジール「すぐに暴力的発想出すのはやめろ、余計に大事になる」
ヴェナート『……転んだ』
ジール「ヴェナート、お前まさか突き飛ばしたのか?」
ヴェナート『ボクは何もしてない、アイツが勝手に転んだ』
ジール「まさかの自滅……」
女性「きゅ〜」
ヴェナート『気絶してる……今のうちに地下墓地に行けば良いんじゃないか?』
ジール「いや目の前で転んで気絶した人を放っていけるか!!」
ヴェナート『はぁ……これだから なかなか目的が達成出来ないんだ……』
ジール「おっ、起きたか。体とか大丈夫そうか?」
女性「ここは誰、拙僧は何処、お主は何様!!」
ジール「あ……頭打ったのか……?」
女性「頭……?」
ジール「散ってはいないだろ……ただ転んで頭を打っただけだ。そもそも床が凍ってて滑るわけでもないのに、なんで何もない所で転ぶんだ」
女性「それは、拙僧が何も無き場所で足が縺れて転倒してしまうという特技を持っているからである」
ジール「特技……?特技じゃないだろ、それ……」
ヴェナート『頭わいてるんじゃないの』
ジール「お前はシンプルに口が悪い……!」
女性「……しかし、転倒の際の衝撃によって絶え入った拙僧を介抱してくれるとは……ただの痴れ者ではないようだな。父上は仰っていた、報恩の心を忘れてはならぬと。拙僧は お主の手によって気を取り戻した。この恩に対し、拙僧は お主の愚行を今回だけ特別に見逃すという行為を返そう」
ジール「いいのか、それで」
ヴェナート『本人が満足してるんなら良いんじゃないのか』
ジール「……………………」
女性「待たれよ!お主の名をまだ聞いてはおらぬ!」
ジール「そんな名乗るようなものでも……」
女性「父上は仰っていた……この世に存在する事象は全て因と縁によって成立していると。これ即ち因縁生起“いんねんしょうき”!拙僧とお主の間には因縁によって結びつきが出来た!拙僧は この縁を良いものとして捉え、大事にしたいのだ!」
ヴェナート『このガキ、面倒くさい』
女性「拙僧はサクラ ミヤビと申す……お主の名は?さあ、さあ、さあ!!」
ジール「ジ……ジール・レーヴェンだ」
ジール「そうだが……なにか……?」
ミヤビ「もしや、小説家のジール殿でござるか……?」
ジール「! そうだ、小説家だ!もしかして知ってるのか!?読んだことがある!?」
ミヤビ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
ジール「また気を失ったんだが!?」
ヴェナート『なんだコイツ……』