ナナイ「……っ…………これは……ウハネの印……」
ジール「ウハネの印?」

ナナイ「……お前達……このままでは死ぬぞ!!」
ジール「……は?」




リイヴ「死ぬって……こんな変なタトゥーでか?」
ナナイ「タトゥーではなく刻印だ……!お前達、ウハネにこれを刻まれて どのくらい経つ!?もうすぐ1時間か!?」

ジール「……昼過ぎだったし……1時間は軽く越えてるな。3時間くらいか?」
リイヴ「そうだなぁ……攻撃食らってから図書館でのんびりしてたし」
ナナイ「……1時間以上経ったのに生きている……?お前達、体は何ともないのか……?」

ジール「攻撃を受けた直後は右腕が酷く痛んだが……今は何とも。まあ、タトゥーのある場所が疼く感じはあるものの……それ以外は特に何も」
ナナイ「……ウハネの印の影響を受けていない……?しかし疼くということは印自体を無効化している訳ではない……何かの力で守られていて、効果を遅らせている……?」


ナナイ「……おかしなことを聞くようだが……お前達は何か、特殊な力を持っているのか?例えば何らかのオカルトシムだとか……」
リイヴ「あー……オレは魔法使いで、魔法使いの中でもちょっとこう……特殊な力があるな」
ジール「俺はオカルトシムではないが、具現化していない霊の気配を感知出来るし会話も出来る。それに昔から俺に憑いて」
ヴェナート『言うな!!


ジール「……なんで止めるんだ
ヴェナート『この女にはボクのことを言うな』
ジール「何故?

ヴェナート『……守護霊とはいえゴーストが憑いてるなんて聞いたら、また問答無用で祓おうとするかもしれないだろ……だから言うな……お願いだから』
ジール「……わかったよ

リイヴ「……………」


ナナイ「……どうかしたのか?」
ジール「何でもない、独り言だ」
ナナイ「そうか……」


ナナイ「……具現化していない霊を感知して、会話も出来る特異な力……そんなものは聞いたことも見たことないし信じ難い話だが……実際にウハネの印に抵抗しているしな……信じるしかないな」


ナナイ「……お前達が刻まれたウハネの印は……奴の力が秘められた死の刻印だ。常人ならば その印をつけられてから1時間弱で生命活動が停止して死に至る」
リイヴ「あぁん?オレ達は1時間以上経っても普通に生きてるぜ」
ナナイ「ああ……恐らく お前達に特別な力が死の刻印から身を守り、体を蝕む呪いの効果を遅らせているのだろう…………簡単に言えば……お前達はウハネに対して耐性があるということ」


ナナイ「……突然だが、頼みがある。お前達……死神と霊能探偵になって……ウハネの魂を刈り取ってくれないか」

リイヴ「……本当に突然すぎて笑ったわ。突然というか唐突というか」
ジール「こっちは何も事情を飲み込めていないのに、解説せずに1人だけわかってる状態で話を進めるな。こんなの小説でやったら会話の流れが不自然だの、説明不足だの叩かれるぞ」

リイヴ「流石そんなレビュー貰ったジールちゃん、説得力あるねえ」
ジール「貰ってないわ!!


ナナイ「お前達もスラニに住んでいるなら、ウハネ=クー=アムアムの伝承くらいは耳にしたことあるだろう?」
ジール「あ……ああ。太古の時代に生きていた強い力を持つシャーマンなんだろう?でも自然災害を引き起こしていると疑われて抹殺されて……強い怒りを抱いた悪霊になったって……」
ナナイ「そうだ。ウハネは強大な力を持つシャーマン……現代で言うなら“魔法使い”だった。そんな彼女は自分を排除したスラニへの強い憎悪を抱きながら死んでいき……生前の力を宿したまま悪霊と化した」


ナナイ「彼女が亡くなったのは噴火口……そこには龍脈のエネルギーが集まっており、そのエネルギーがウハネの魂をこのスラニの地に縛りつけている。そして彼女も悪霊の力を使うには具現化する必要があり、ゴーストスタミナが回復するまでは眠りについている……だがスタミナが回復すればウハネはまた目覚め、スラニの人々に危害を加えるのだ……あの死の刻印を刻んでな。ウハネが目覚めるたびに複数人の霊能探偵が駆り出され、彼女のゴーストスタミナを削りきって再び眠りにつかせる。しかし、その度に……霊能探偵にも多くの犠牲が出て、また時が来ればウハネが目覚める……そんな不毛な争いの繰り返しが密かに続いているんだ」


ナナイ「だが、死の刻印を刻まれてもなお生きている程のお前達ならば……ウハネを眠らせるのではなく、完全に消滅させることが出来るかもしれない。ウハネと対峙した者の多くは彼女の邪気にやられ、簡単に正気を失ってしまうし、死の刻印によって容易く命を奪われる。だが お前達は奴と対峙しても正気を保ち、死の刻印からも身を守っている。これは絶好のチャンスなんだ……」


ナナイ「悪霊を消滅させるには、霊能探偵と死神の連携が必要となる。霊能探偵がゴーストスタミナを削って動きを封じ込め、その隙に死神が魂を直接 刈り取る。しかしウハネ相手では普通の死神では敵わない……だが強い魔力を持つ お前ならば、きっと良い死神になって刈り取れる」


ナナイ「そしてお前もだ……先程話していた特別な力が事実ならば、お前もきっと良い霊能探偵になれる。それにお前達は兄弟なんだろう?意思疎通や連携も容易い筈だ」


ナナイ「……本来ならスラニの地に縛りつけられているウハネが何故今回に限ってリンという少女の体を乗っ取り、スラニを出ることが出来たのかは分からないが……少女の体を奪った際に奴も力を使い切っているに違いない。だからこそ他の地で呪いが急速に進行していないのだろう……奴が回復する前にお前達が死神と霊能探偵になり、ウハネを刈り取るしかない」


リイヴ「オイオイオイ、1人で盛り上がってるところ悪いがな……オレもジールちゃんもやるとは言ってないからな!オレ達には何の悪影響もないんだ、わざわざ危険なことをする義理がねえ!」
ナナイ「しかし、ウハネを消滅させない限りは死の刻印は残ったままだ。ただ死を先延ばしにしているだけで助かったわけじゃない……いずれは死ぬぞ。お前も、お前の弟も」
リイヴ「……っ」


リイヴ「…………ジールが、死ぬ……」


ジール「兄さん、俺は霊能探偵になろうと思う。このままでは俺達も危ないし、リンの体だって取り戻さないといけない。この家が呪われているのもリンをこの地に縛り付けようと悪霊が集っているせいだし……それに、そんな危険な悪霊を野放しには出来ないしな」
リイヴ「………………仕方ねえな……オレ1人ならまだしも、お前が危ないなら……」


ナナイ「よし、決まったな。ではお前は死神局に連絡してキャリアに就け。そっちの弟は……霊能探偵になるには試験に合格してライセンスの取得が必要だからな、試験の日までに腕を磨いておけ。私は連邦恐怖捜査局に戻って、お前達やウハネのことを報告する。また顔を出すからな」
リイヴ「へーい……」


ジール「……なんだか、呪いの家をどうにかするという話から壮大な話になったな」
リイヴ「そうだな……」

ジール「でも やるしかない……一緒に頑張ろう、兄さん」
リイヴ「おう……」


リイヴ(……昔は生きている奴を殺して、今度は死人の魂を刈り取るのか……結局オレは、こういう命を奪う役割ばかりやらされるんだな……)


ジール(……俺を庇ったせいで、兄さんまで死の刻印とやらを刻まれてしまった……リンの事もあるし……絶対にウハネを何とかしないと……何があっても、絶対に……!)


当面の目標

とりあえずチマチマお金を稼ぎながら呪いの家(肝試しモード)を乗り越えて満足度を手に入れる。

満足度3000まで溜めて霊能探偵ライセンスを購入する。

ジールのベストセラー作家願望をクリアする。

+Life&Deathパックの要素も追加!

リイヴは死神キャリアのトップを目指し、ジールは魂の旅の完遂も目指していこうと思います。
まあ、暫くはお金稼ぎが重要となりそうですが……。


ジール「とりあえず兄さん、アンタは死神キャリアとやらに就いてくれ。これでヒモから脱却できるぞ」
リイヴ「えー、別に脱却したくないけどな。一生働かずにジールちゃんに養ってほしい」

ジール「あ?
リイヴ「やだなぁジールちゃん、そんなに睨むなよ。冗談だって」


ヒモおじ、働くってよ。
リイヴはLife&Deathパックで追加された死神キャリアに就くことにしました。

ヒモがアイデンティティでしたがリイヴは扱いを持て余していましたし、これで丁度良いかもしれません。
お給料も貰えるしね!


ジール「どうだ、雇ってもらえたか?」
リイヴ「……話は聞いてるから明日の9時から来てくれってよ」

ジール「よしよし、これでヒモ卒業だな。おめでとう」
リイヴ「おめでたくねえ〜」




ジール「さて……ヒモがヒモであるが故に電気水道が止められて何も出来ないし、何か食べ物でも探すか……」
リイヴ「ジールちゃんの印税が少ないからだろぉ?」

ジール「これから売れるから印税は多くなる」
リイヴ「今多くなってくれよ」


見つけたスラニの指などを売ったりしてチマチマ稼ぐぜ!


スラニの指や目、心臓を売りまくった結果──なんとか家賃を払える金額に達しました。
あとダメになったローストチキンも発見。

ビーチでのガラクタ探しもバカには出来ませんな!
でも次回の請求書は払えるかな?


ジール(これで電気が回復して執筆が出来るようになった……しかし、毎週こんな風にヒヤヒヤさせられるんじゃ身が持たないな……はぁ……)


ジール「仕方ないな、ライセンスを獲得するまではライターの仕事も引き受けて小銭稼ぎするとしよう」
ヴェナート『小銭稼ぎっていうけど、お前の売れてない本の印税より報酬金高いぞ』

ジール「う、うるさい。これから莫大な印税が入るんだ」
ヴェナート『そんな日は永久に来ないから安心しろ』


ジール「さて……クライアントから一発オーケー貰ったし、少し懐も暖まったな。霊能探偵になるまでに少しでも霊媒の力を強め」
リイヴ「ぎゃああああああぁぁぁあああ!!
ヴェナート『……うるさい……』
ジール「一体何の騒ぎなんだ……」


ジール「兄さん、何を騒いで」
リイヴ「い、いるっ!!
ジール「何がだ?」


リイヴ「ここにっ!いんだよ!!なんか赤くて小生意気な顔した変な丸いフワフワしたのが!!何だこれっ!!」
ジール「何だも何も、それは浮遊霊で………………ん?」
ヴェナート『あ……?』


ジール「……アンタ、あの赤いのが視えるのか……?」
リイヴ「あ!?見えてるに決まってんだろ!何だよアレ!」

ジール「…………浮遊霊だが?」
リイヴ「は?」


リイヴ「浮遊霊!?あれが!?つまりアレは、お、お、オバケってことか!?」
ジール「そうだな……」

リイヴ「アイエエェェ!?ナンデ!?オレには霊感なんてもんはなかったのに、なんで急にっ!?」
ジール「そんなのこっちが聞きた……あ」


ジール「もしかして、ウハネの印とやらの影響じゃないか?悪霊から直に攻撃くらったわけだし……それで、こう……刺激されてシックスセンスが目覚めたとか」
リイヴ「……つまり……これから お兄ちゃんたちは浮遊霊だのゴーストだの視えまくり……ってわけ!?」

ジール「まあ、そうなるんじゃないか?」
リイヴ「…………………」


リイヴ「ノオオオオォーーー!!!