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ワイルドソニック(キルシュ様……本当に本当に、ありがとうございました)
キルシュ「ああ……元の世界でも元気でな」
ワイルドソニック(はい!!あちらでも優雅で可憐なレディとして生きていきますわ!)
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ワイルドソニックちゃんを元の世界に帰すには僕も一緒じゃないといけない……一緒に転移するしかないからね……でも、そうしたら僕はアウトだ。世界線を悪戯に渡り歩き、次元の乱れを引き起こした違反者として……魔法の国の断罪者達に捕まって処刑されるんだ……。
僕がこの世界から去れば、この僕の記憶は全員から消える……死んでも誰にも思ってもらえないのは少し寂しいけど……この世界の先輩が生きていてくれるなら……それでいい。
先輩……さようなら。
キルシュ……バイバイ。
キルシュも、このセカイのボクも、シアワセになってね……。
「あっ……先輩っ!!」
キルシュ「ん?」
キルシュ「えっと……悪い、誰だっけ?」
少年「ふふふ、わからないのも無理はありませんね!僕です、トーマスです!!」
キルシュ「トーマス……」
キルシュ「そんなに不安そうにするなよ……思ってることぶちまけても、きっと大丈夫だよ。お前の事を心配して、こんな山奥まで息切れしながらやって来るくらい お前のお父さんはお前を心配してるし、愛してるんだよ」
トーマス「……そう、なんだ」
キルシュ「……俺の連絡先を伝えておくからさ、また何かあったり、不安なことがあったりしたら いつでも連絡してこいよ。俺で良かったら いくらでも話聞くから」
トーマス「……うん!!」
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キルシュ「あの時の子か!!ティーンになってたんだな!」
トーマス「はい!昨日 誕生日を迎えたので、今日からカッパーデール高校に通う事になりました!宜しくお願いしますね、先輩!」
キルシュ「なんで先輩?」
トーマス「同年代になったのに“お兄さん”はおかしいですし、学校の先輩なので そう呼ぶのが良いかなって!」
キルシュ「普通に名前で呼ぶって発想は無いのか……?」
トーマス「先輩が良いんです!!だって……名前で呼ぶなんて照れくさくて……」
キルシュ「そ、そうか……」
キルシュ「なんだよ虹色って……」
トーマス「だって僕、早くティーンになって先輩の同級生になりたいって思ってましたから!!先輩のお陰で僕は父さんと和解できたし……あんな生意気で面倒なクソガキでしかなかった僕に、あんなに親身に接してくれて…………こんなの、人として好きになるに決まってるじゃないですか!!」
キルシュ(勢いが凄い)
トーマス「そんな訳ですから、これから宜しくお願いしますね!!」
キルシュ「ああ、宜しく」
放課後
バーバラ「1人クラスメートが増えただけじゃないかい」
アレックス「わかってないなあ!!人が増えれば その分アドベンチャーの幅が広がるってことだよ!?アドベンチャーの幅が広がれば今まで出来なかった あんなアドベンチャーやこんなアドベンチャーが出来るっていうアドベンチャーが待ってる!なんてアドベンチャーなんだ!!」
キルシュ「アドベンチャー聞きすぎて脳内でゲシュタルト崩壊してきたわ……」
トーマス(先輩の友達、濃いなぁ……)
キルシュ「まあ、歓迎を兼ねた親睦会は良いことだと思うけど……パーティーって何のパーティーをするつもりだ?」
アレックス「それは皆がこれから考える!」
バーバラ「アンタじゃなくてアタシ達が考えるのかい」
キルシュ「うわっ、なんか増えた!」
トーマス(なんて濃いクラスなんだ……!)
バーバラ「泣いてないで さっさと用件を言いなよ」
先生「態度が冷たくて また涙が出てきたぞ!!コホン……もうじきハロウィンだし、ここはタイムリーにホラーパーティーなどどうだ!?」
アレックス「ホラーパーティー!?なんだかとってもアドベンチャーな響き!!なんですかソレは!!」
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先生「ホラーパーティーというのは まさにハロウィンにうってつけのパーティーだ!皆で仮装を楽しみ、パンプキンをくり抜き、ハロウィン仕様の特別な料理を食べて楽しむ!!まったく懐かしいな……先生が昔 人気漫画のキャラに仮装をした時には皆からキャアキャア言われたものだ……何を隠そう、あの時の私は」
先生「ええいジョーンズ、話を遮るな!コホン……あの時の私は」
バーバラ「ホラーパーティーやるのは良いけど、どこでやるんだい?クラスで集まるなら広い場所じゃないと困るよ」
アレックス「キルシュの家で良いじゃない」
キルシュ「は!?俺の家!?」
アレックス「広いし、山奥だから騒いでも近所迷惑にならないし、一人暮らしだから同居人に遠慮もいらない!なーんてアドベンチャーに向いてるんだろー!」
キルシュ「……まあ、別にいいけど」
トーマス(おおおおん!!こんなに早くからまた先輩の家に行けるなんてー!!)
キルシュ「俺の家に着くまでに通報されるから常識の範囲内にしろ」
アレックス「えー、つまんないなーぴゅー」
先生「ええい、誰か私の話を聞け!!」
カイザ(カカカッ、このラマ・ザ・ゴッドが飛行士とは分かっているではないか!神とは天を統べる存在!無謀にも天に近しい場所を目指す飛行士の仮装はまあ妥当だ!)
キルシュ(そういうつもりで選んだわけじゃないけどな)
ゲルダ(あら、眼鏡!片眼鏡だけど坊っちゃんとお揃いネ!)
ゼーレ(オオ、確カニ強ソウ!コレナラ、リス ニモ勝テソウ)
キルシュ「いや……リスとの喧嘩は程々にしてくれ……」
クルーク(はわわ、今日のボクはなんだかプリティーですね!)
キルシュ「お前はいつもプリティーだよ」
シュバルツ(どう、ボクかっこいい?)
キルシュ「おう!クールに決まってて格好良いぜ!」
シュバルツ(わーい!!)
キルシュ「えっと…………悪い、顔が見えないからわかんねえ。誰だ?」
?「オレだよ、アレクシス」
キルシュ「あー、アレクシスか……ガッツリ仮装してるな」
アレクシス「当たり前だよ、オレは仮装に命懸けてるじゃないか」
キルシュ「何さも知ってるだろみたいな言い回ししてんだよ、初耳だっての」
インソレンス(ふへへ……エリザベスがオレにはこれが似合うってよ!)
柊(み、みんなネタ方面じゃないか……!格好いい系の仮装をしてきたが逆に浮いてしまった……!)
キルシュ「また顔見えねえ、誰だよ」
インソレンス「インソレンスだよ!!クソ、お前ネタを避けやがって……!」
キルシュ(腕のキズが隠せるコスチュームがウチにこれくらいしか無かったんだよ)
バーバラ「凄い奴らに囲まれてるねえ」
ディラン「なんかオレの仮装……地味な気がしてきた……」
キルシュ「おお……顔が見えると安心するな……てか、アレックス意外と普通だな……」
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アレックス「キルシュ!!オレがいつでも奇抜方面に行くと思ったら大間違いだぞ!!毎回似たような立ち回りをするだなんてノン・アドベンチャー!固定観念良くない!自分の殻を破らなければシムは進化できないぞ!ぴゅぴゅ!」
キルシュ「そ、そうか……悪い」
インソレンス「お前も殻を破ってネタキャラになりやがれ!」
キルシュ「そういう殻は破りたくねえよ」
アレックス「そんな事言われなくてもわかってるよ常識だよねディランはオレを無教養な男と思ってるんだね見下された気持ちだよ」
ディラン「早口っ!!普通にアドバイスしただけなのに、なんでこんなにチクチク刺されなきゃいけないんだ!?」
柊「結構楽しいぞ!キルシュもやってみたらハマるかもな」
キルシュ「そうなのか……ちょっとやってみるわ」
柊「まずは頭の方……フタになる部分を切り落として、中身を出すんだ」
キルシュ「なるほど」
キルシュ「確かにな……さて、どんな顔にするかな……」
柊「俺は……ああ、駄目だ。家で甥や姪の育児に追われているせいか、赤ちゃんの顔が浮かんできて それに切り抜いてしまいそうだ……」
キルシュ「柊、お前疲れてんだよ」
キルシュ「幻覚見えるレベルはヤバイだろ!!お前帰ったらゆっくり休んでくれ!!」
アレックス「幻覚だなんてアドベンチャーだなー、ぴゅう!」
ディラン「嫌なアドベンチャーだな……」
カシュー「私がカシューだよ~」
先生「私が先生だ」
ロック「僕がロックだよ」
トーマス「はぁ……えっと、こっちが先生?」
ロック「僕はロックだよ……先生と間違えるだなんて……君は僕がティーンとは思えぬほど老けていて若々しくないって密かに思ってるんだね……」
トーマス「顔見えないし同じコスチュームだから わかりませんよ!!!」
ディラン「おお、初めてとは思えないくらい上手いな!」
エリザベス「ほんっとウスノロねえ」
キルシュ「うるせえな……てか、お前らのそれは……仮装なのか……?」
エリザベス「はぁー?どっからどう見ても立派な仮装でしょーが!まったくモノを知らないわねー!!」
キルシュ(あんま仮装感ないけど……これが地味ハロウィンってやつなのか……?)
バーバラ「へえ……結構可愛いじゃないかい、そのヒヨコ」
キルシュ「いや、フクロウだよ」
バーバラ「初めてなのにこんな切り抜き方出来るだなんて、アンタやっぱり手先が器用だね。ちょっと見直したよ。そのヒヨコ、写真撮ってもいいかい?」
キルシュ「フクロウだっつってんだろ!!」
エリザベス「はっ!?賊がいるんだけど!アンタ誰よ!!」
アレックス「もしかして現代に生きる忍者ですか?」
彗「彗だよ!!忍者の仮装してんだ!!」
シュバルツ(コモレビーズニンジャ……カッコイイ……!)
アレックス「器用な人なら防腐加工すれば痛まなくなるし、パンプキンってアドベンチャーだね!ぴゅぴゅー!!」
エリザベス「それにシムスタグラムにアップしたらバズりそうじゃないの~」
キルシュ「普通に迷惑!!勘弁してくれ!!」