あんなに頑張っても、受けた愛を返そうとしても何一つ報われやしなかった。
振りまいた善意は必ず返ってくるものだと信じていたのに、オレが苦しい時には誰も助けてくれなかった。

ただ無責任に「頑張れ」と言ってくるだけ。
そんな言葉聞きたくなかった。
助けてくれなくてもいいから、ただ吐き出させてほしかった。

母さんのことは愛していたし、母さんもオレのことを愛してくれていた。
でも母さんが壊れてしまった時から その愛は“呪い”に変わってしまった。

辛くて逃げ出したくて、自分の好きなように生きたくても受けた愛や恩がそれを阻む。
相手が死ぬまで逃げられない、そんな呪いだった。


愛と呪いとわかっていても、どうしても愛を求めてしまう。

大切にされたい。
一番に見てほしい。
一緒にいてほしい。
辛い時には支えてほしい。

そんな人が欲しい、でも手に入らない。
なのに何であんなニセモノが……オレが欲しくて仕方ないものを簡単に手に入れられるんだ……。

 


 サバイバル生活 28日目 寺院



ジェム(やっと おきたか!さあ、はやく、寺院をクリアしろ!)
リオン「………………やっぱり、ない…………」
ジェム(おい、きいてるのか!)


ジェム「ブルルルー!!
リオン「………………」
ジェム(ううむ……ウワノソラ、というやつか……)

リオン(……いつもメモを書いてるノートが無い……気を失った時に落としたのか……それとも、オレを突き飛ばした奴に取られたのか……?)

リオン(あれがないとダメなんだ……あのノートは記憶を呼び起こすトリガーだ……あれが無いと忘れたことを思い出せないし、オレはどんどん記憶が消えていく……ニアさんとの思い出や顔だって忘れちまうかも……)


リオン(あ……でも、ニアさんがくれたネックレスやブレスレットがまだある……!これさえあればニアさんに関する記憶を呼び起こすトリガーになるかも……まだ、大丈夫だ……)
ジェム(なんだかヒトリでヘコんで、ヒトリで立ち直っている気がするゾ!)


リオン(今はとにかく前に進まないと……イチゴを胃に入れたら探索の再開だ)


しっかりジェムちゃんのケアもしてから出発です。


そして調査の結果。
総当りタイムきちゃああああ。


3択ですねえ!
さあ1発で正解を引けるかな!?


ダメでした。


リオン(うわ……!なんかメダルがジャラジャラ出てきた……!え、大丈夫かコレ……呪われない……?)


特に害はありませんが、悲しみムードがつきました。
リオンくん、専念のお陰でムード関係のデバフはノーダメージなんよなぁ……。


リオン(なんか急にレオンの記憶が蘇ったけど……アイツはアイツ、オレはオレ……もう振り回されたりなんかしない……)


リオン(ところで なんか引っこ抜いたけど、なんだコレ?骨の……手か)


骨の手と握手してるのに、なんでそんなに落ち着いていられるんだよ!!
この後、骨の粉をぶつけられましたが無事に回避して事なきを得ました。


あっちの仕掛けに正解はなかったらしく、3つ目の選択肢も間違っていたので骸骨の方に来ました。
ちなみに3回目のミスも回避したのでノーダメージです。
リオンくんの回避力高すぎワロタ。


次の部屋は仕掛けがこれしか無かったので簡単にクリア!


そしてあれが最後の仕掛けだったそうです!
今回のダンジョンは短かったな……。


リオン(……この床の模様がワープゾーンってやつか……?でも何も反応しないけど……)


リオン(……ん、ここに何か書いてある……ワープゾーンを起動させる方法……)

リオン(ワープゾーンの起動には力が必要となります……価値の高い宝石を箱の中に入れれば、そのクリスタルの力がワープゾーンに注ぎ込まれます……って……宝石が必要なら あの看板に最初から書いとけよ……!)


リオン(……仕方ないな……宝石をカットしてこないと……クソ、あと少しなのに……!)

 

 修行場


ニア「腹減りなうですわー!!これ食ったら、また宝石のカット頑張りますわー!!」
レオン「……………」

ニア「テメーもサボってばかりいないで、そろそろ宝石のカットに取り組んだほうが良いんじゃありませんの!?」
レオン「……言われなくてもちゃんとやるし……でも、今は食料が不足してるから魚釣りに行く……」

ニア「まあ!いつも率先して食料を調達してくださり、ありがとうございます!テメーのお陰で私は生きていけますわー!!」
レオン「ん……」


レオン「……なんかさ、最近 好き好き言ってくれなくなったな……前は今日も好きですわよー!ってウザいくらい言ってたのに……」
ニア「リオンさんが好きな気持ちに変わりはありませんわ!でも……いなくなったジェムちゃんのことが気がかりで、今はノレないだけですわ」
レオン「…………またジェムか」


レオン(……あの馬、ウザいな……いっそのこと死んだほうが この女も割り切れるだろ……どこ行ったか知らないが、見つけたら ぶっ殺して馬肉にして食うか……いや、ちゃんと死んだってわからせる為に まず死骸を見せるべきかな……くくっ……)


さてはて、食事を終えたので宝石カットのお時間です。
これで2500シムオリオンの価値がある宝石になってくれますかね……?


完成しましたが、売値が1687シムオリオンだからギリギリ届かず……ノンッ!


この後は体力真っ赤なニアを寝かせて1日が終了。
レオンは世帯にいますが、操作せず自律任せなので彼に関してはノータッチです。




 サバイバル生活 29日目



今日こそは……と宝石カットに挑戦ですの。
てかカットのタスククリアしないとストーリー進まねーし。


ちなみに真っ当に育っていた木は遂に極上に育ちました。
ここからさらに壮麗まで持っていかないといけないってマ!?


連打の木はこんなに育っているのによぉ!!


完成した宝石はまた1687シムオリオンだしよぉ!
もうジェットをカットしようかな……死神召喚タスクに必要だし……。


そして今日から雷雨の季節ですわー!!
火が消えちまいますわー!!


まあ今のニアなら野菜があるので、火が消えても凌ぐことが出来ます。
野菜最高!

さて、宝石カットのお時間です。
先程 収穫したアレキサンドライトの方が値段は高いですが、死神タスクの為にジェットを使います。

完成!!
2531シムオリオンですわ!
ちゃんと願望もクリアになりましたわー!!


ニア「ふふふ、また1つタスクをクリアしちまいましたわ!しかし思ったよりデカくて禍々しいですわ……あとはこれをチャージして、死神さんをお呼びすれば……私の修行は終わりですわ!!」


ニア「それにしてもリオンさんってば最近ジュエリー作ってる様子ありませんけど、修行やる気あるのでしょうか?このままでは私が先に終わっちまいますわ……なんか様子もおかしいし、ジェムちゃんも行方知れずのままですし、私このまま修行を終えちまって大丈夫でしょうか……」




レオン「……ただいま」
ニア「あら、おかえりなさいませ!魚釣れましたか!?」

レオン「……大量に釣れた……あとさ、ハーブやカモミールが沢山咲いてたから……新しいハーブ薬作ってみた……」
ニア「まあ、どのような薬ですの!?」


レオン「……疲労回復の効果がある薬……ニアさん、最近ずっと宝石カットしてるから疲れてそうだったし……これで疲れがとれたらと思ってさ……」
ニア「あらあらまあまあ、私の為に!嬉しくて可愛いことしやがるじゃありませんか!!確かに私、疲れてましたわ!!ありがたく頂きますわー!!」


ニア「グビグビっとな!!ですわ」


ニア「ぷはああぁぁ!なんか意外と甘くて美味かったですわー!!」


ニア「……でも、なんか……急に睡魔が……あまりにも眠すぎて……抗えませんわぁ……」


ニア「グガー、グガー」
レオン(……よし……これでいいんだ……くくく……)

 

 隠しエリア



リオン(クソ、なかなか高価な宝石がカット出来ない……でもさっきジェットのクリスタルを発掘できたし……これならイケるかもしれない……!)


リオン(よし、出来た……これならワープゾーンを起動できるだろ……急がないと……!)

2531シムオリオンの宝石をカットし、リオンも無事に願望タスクをクリアしました!




リオン「……ふぅ……やっとここまで戻ってこれた……」


リオン(あとは、この箱の中にさっきの宝石を入れて……ワープゾーン起動だ……!)


リオン「…………何も起こらない……なんで……?」
ジェム(……ビミョーに、パワーが足りないのかもしれんな)
リオン「……まさか、まだパワー不足だったりする……?でも、もうまた拠点に戻って、宝石をカットするなんて……これ以上時間をかけたくないのに……」


リオン(……宝石……というか、クリスタルの力がワープゾーンを起動させるなら……ジュエリーにあしらったクリスタルでもセーフにならないか……?)

リオン(ニアさんに初めて貰ったブレスレット……入れてみよう……ごめん、ニアさん……)

リオン(……まだ起動しない……じゃあ……この、ネックレスも……)

リオン(……ブレスレットもネックレスも、ニアさんから貰った大切なジュエリーで……ニアさんとの記憶を呼び起こすトリガーだけど……ニアさんの安全の為なら背に腹は替えられない……)


リオン「……っ!眩しい……!」
ジェム(ワープゾーンが起動したのだ!やっとニアサマのもとに帰れるぞ!!)

 


 修行場



リオン「……ん、ここは……」


リオン「……いつもの修行場だ……本当に帰ってこれた……!」
ジェム「ブルル!」


リオン「……よし、ジェム……急いで拠点に帰るぞ……!」
ジェム(まかせろ!マッハで帰ってやる!)




リオン「ニアさん……!!」


リオン「……ニアさん……いない……?」
ジェム(ニ、ニアサマ……!?)


リオン「ニアさん、ハウスの中で寝てるのか……!?…………いない……」


リオン(……なんで……いないんだ……まさか、もう……?)


ジェム(ニアサマ……どうして……もしかして、間に合わなかったのか?)
リオン「……落ち込むなよ、ジェム……まだ、わからないじゃないか……たまたま森に出かけてるのかもしれない……探しに行くんだ……!」
ジェム(そ、そうだな……!ニアサマ、さがさねば……!)


リオン「……手分けしてニアさんを探すぞ……ニアさんを見つけたら、この拠点に連れ帰ること……数十分おきに確認のために戻るぞ……」
ジェム(がってん承知!!)

 


 ディープウッズ



ニア「ムニャ……あー、なんかめっちゃ寝た気がしますわぁ……」


ニア「……んん!?ここは何処ですの!?私は修行で激しく厳しいサバイバルをしていた筈なのに、何故こんな上等な家にいますの!?てか、この家は何なんですの!?」


レオン「……ここは森の最深部にある管理者の家……本来ならクリスタが使う家だが……合鍵をありがたく頂いてきた」
ニア「リオンさんっ!?


ニア「クリスタさんが使う家を何故私達が使っちまってるんですの!?てか合鍵って、いつ貰ったんですの!?まさか あの恋愛脳カプ厨おばさん、私とテメーをイチャイチャさせる為に仕組みやがったりしましたの!?」
レオン「……オレが目の前にいるのに、クリスタの話なんかするな……」
ニア「テメーが先にクリスタさんの名前出したんだろうがよ!!ですわ」


レオン「……とにかく、これからはここがオレとアンタの家……この先ずっと……2人っきりで暮らしていくんだ」
ニア「なーに言っちゃってますの?修行が終わったら帰るんですわよ、私もお祖父様のお店を継ぎたいですし」


レオン「……あんな店、どうだっていいだろ!!オレがいるんだから!!愛してる人が側にいればいいだろ、オレだけを見て、オレだけを大事にすればいいんだ!!」
ニア「はあぁー!?もしかしてテメーって、ヤンデレだったりしますの!?いい加減にしろやコノヤロー!」


レオン「いい加減にするのはお前だろ……どれだけオレをコケにすれば気が済むんだ、ん?」
ニア「ぞわわわわ」


ニア「キモッ!!近づくんじゃねーですわ!!」
レオン「……………」


ニア「……テメー、本当にリオンさんですか?まるで人が変わったようですし、近づかれると私の本能がテメーを拒みますの……なんだか……リオンさんの偽者みたいな感覚が……」
レオン「……オレは本物だ……オレこそが本物なんだ、オレが……オレが……!!」


レオン「オレが本物なんだよ!!
ニア「ぎゃああああ!テメー、ナイフはアウトですわああぁぁ!!近づけんなそれええぇ!!」


ジェム「ブルルルルー!!!
ニア「きゃあああ、ジェムちゃん!?」
レオン「……っ!!」


ジェム(キサマ、よくもニアサマを!!)
レオン「邪魔をするな、このクソ馬があぁぁ!!」
ニア「ジ、ジェムちゃん!!」


ジェム(ニアサマ!!ワタシが引きつけてる間にニゲテ!!)
ニア「わ、私に逃げろと仰いますの!?ジェムちゃんを置いてはいけませんわ!!」

ジェム(お願いですからニゲテクダサイ!!このままでは、ワタシもニアサマもやられてしまいます!!ワタシ、無駄死にしたくない!)
ニア「う……ううぅ……!!」


ニア「うわああぁんですわあああぁ!!




ニア「はぁ、はぁ……なんで、こんな事になっちまいましたの……私……何を間違えちまったんですの……なんで……なんで……」


リオン「……あっ……!」


リオン「ニアさん!!」
ニア「ひっ!」


ニア「こっ、来ないで!!」
リオン「え……」

ニア「テメー、私を殺す気なんだろ……!!冗談じゃないですわ!!」
リオン「何言って……」


ニア「いやあぁ、来ないでええぇ!!」
リオン「ニアさん……待って……!」


レオン「あ〜あ、気の毒になぁ。あの女、お前のことがわかんないだってさ……所詮ニセモノだな」
リオン「誰だ……!」


リオン「……えっ…………オレと、同じ顔……?」


レオン「違うだろ……オレがお前と同じ顔なんじゃない……“お前がオレと同じ顔”なんだ。オリジナルは こっちなんだから」
リオン「……オリジナル…………まさか……」


リオン「アンタ……レオン、なのか……?」

 


ジェム(……ニア、サマ……)