カッパーデール


ドライブ「……ただいま」
オムニ「ドライブさん!大丈夫ですか!?ケガとかしてませんか!?」
ドライブ「ああ、無事だ」

オムニ「良かったあぁ。でも、なんか浮かない顔してません?」
ドライブ「……色々と気になることがあってな」





ドライブ「……というわけだ」
オムニ「カッ、カオスの眷属っぽかったんですか……でも、なんでドライブさんを狙ってきたんスかね」

ドライブ「恐らく、私が子供達の生命源だからだろう。子供達を倒したところで私がいれば また復活されてしまう。ならば その源を倒して復活を阻止するのは理にかなっている」
オムニ「なるほどぉ……」


ドライブ(……しかし……あの程度の力であれば対処は可能だが……もしオムニが巻き添えで狙われたりしたら……子供達はどうしても私と共にいなければならないが、オムニは別だ……彼だけでも遠ざけた方が……)
オムニ「


オムニ「ドライブさん!言っときますがオレは何があってもドライブさんと一緒にいますからね!」
ドライブ「な……まさか、声に出ていたか?」
オムニ「いや、出てないッス!でもドライブさんが考えてることなんてわかりますよ!相棒ですからね!オレだって自分の身くらいは守れるし……もしドライブさんが何かあってもオレの再生のパワーさえあれば回復できますし……」

オムニ「……アイヴォリの時みたいに……オレが我が身可愛さにヘタれて、知らないところで大事な人がいなくなるのは……もうイヤなんで……」
ドライブ「……そうか」

オムニ「だから、絶対に離れませんからね!てかドライブさんってアホの子だし1人だと何しでかすか……」
ドライブ「ほう……どうやら痛い目にあいたいようだな。拳か蹴りか、好きな方を選ばせてやる」
オムニ「どっちもイヤアアァァ!!

 


 翌日 サザンクロス本部


ハンドル「あ……ボス。お疲れ様です」
ドライブ「ああ、ご苦労。ブレーキはいるか?」

ハンドル「ブレーキさんならば……グラニット・フォールズでショッキングピンクの髪色をしたヴァンパイアがシムを襲っていたとの情報が入ってきたので、また我先にと向かいましたよ」
ドライブ「そうか……グラニット・フォールズならば帰還は明日になりそうだな……」


ドライブ(ブレーキはショッキングピンクの髪色をしたヴァンパイアの情報には敏感だ。彼女の息子らしき男について聞きたかったが……また後日にするか)


ドライブ「ときにハンドル、先程から上司である私の顔も見ずに一心不乱にPCを操作しているが……何をしているんだ?」
ハンドル「子育て掲示板を巡回しているんです!最近子育て掲示板に人にやたら突っかかって荒らしまくる奴がいましてね……!アイツがまた悪さをしていないか見張っているんですよ!」
ドライブ「ほう」
ドライブ(ハンドルカバーの事だろうか)


ドライブ「……ハンドル、熱心なのは良いことだ。だがな……」
ハンドル「はい!」


ドライブ「真面目に働け」
ハンドル「はい」

 


 月曜日 ドライブ私邸



ドライブ「ただい」
うるせー、バカっていうほうがバカなんだー!!
「なんのひねりもない、ようちなかえしだな!!」
「もう!ミッチちゃんもライトちゃんも いい加減にしないと、あたし、おこっちゃうよ!!」
んああああ!!ケンカすんなあああぁ!!
ドライブ(な……なんの騒ぎだ……)


ミッチ「だいたい、それオレのベッドだし!かってに のるな、バカ!!
ライト「テメーだってアリステラのベッドにのってるじゃねえか、バカ!!

アリステラ「オムにいちゃん、なんでケンカとめてくれないの?あたしたちのこと、どーでもいいの?」
オムニ「だってえ……仲裁入ったら噛まれたんだもんよ……」


ドライブ「おい……何の騒ぎだコレは……」
オムニ「えっと……見ての通り、ケンカです」
ドライブ「見ての通り、じゃないだろう。この間ごめんなさいを教えて協調性を高めたと言っていたじゃないか」

オムニ「ははは!思い通りにいかないのが子供ってヤツですよ!」
ドライブ「開き直るな」


ドライブ「しかしミッチとライトには困ったものだな……あの2人は しょっちゅう揉めている。アリステラは比較的大人しいが、ウェアウルフ特有の気性の荒さが垣間見える。この子達には思いやりが少々欠けている。情操教育が必要だ」
オムニ「ジョンソン教育?」
ドライブ「情操教育だ、たわけ。情操教育というのは……お前にも分かるよう説明するとシム力を育てることだ」


ドライブ「主なシム力はマナー、感情コントロール、責任感、思いやり、協調性の5つ。幼児期に見聞きしたことは人格形成に大きく関わる……今のうちから あの子達の育ちを考えなくては」
オムニ「人格形成っつっても……将来的には結局サラリンが設定した通りの性格になるんじゃ……」


ドライブ「……確かにベースはサラリンが決めた性格かもしれんが……だからといって今の喧嘩三昧の日々を見過ごす訳にもいかん。多少となりとも彼らの性格に何かしらの影響を及ぼすかもしれんからな」
オムニ「そ……そうですよね……でも、情操教育っつっても何をどうすれば……?」
ドライブ「そうだな……子育て掲示板で得た情報だが……こういうのはどうだ?」

 


 チェスナット・リッジ



ドライブ「情操教育では動物と触れ合うことも効果的と聞く。生きた動物と触れ合い、多様性や命の大切さを学び、優しさが育まれていく」


ドライブ「というわけで、牧場アニマルデーを開催しているブルーム牧場とやらに来たぞ。ここには牛もラマも鶏も、犬も猫も馬もいるという。これならば触れ合い放題だ」
オムニ「ひゅー!さっすがドライブさん!!ここは動物の国だぁ!!」

シュバルツ(ヘンなヒトたちがキタ!)
キルシュ(なんかまた……濃い人達が来た……)


オムニ「うひょー!本物の馬だぁ、初めて見たー!!」

ドライブ「君が牧場主か、今日は お邪魔させていただくよ」
キルシュ「あ、はい…………あの……」
ドライブ「どうした?」


キルシュ「……あの子、素っ裸になってますけど良いんですか?」
ドライブ「ミッチ!!服を着ろ!!!
ミッチ「えー、さらけださないなんてロックじゃねえよ」
シュバルツ(おじさん、タイヘンそう……)


さて、ブルーム牧場にやってきたのはドライブさんとキルシュくんの推しと推しの絡みを見たいだけというわけではありません、コテージリビングの動物とは幼児でも触れ合うことが出来るんですよ!

幼児で出来るアクションは積極的にやっていきますよ!


あとミニヒツジ・ミニヤギとも交流できますぜ……。


ゼーレ(ン……?オマエ、人ジャナイナ)
ライト「おや、わかりますか……ふふ……かしこいネコですね。ええ、わたしはヒトではなく にんぎょうです。あなたミッチより かしこいのでは?」


ライト「かしこいヤツはキライじゃないですよ、なでてあげます」
ゼーレ「ゴロゴロ……」


ゲルダ(あら、小さい子達がお客さんだなんて珍しいわネ)
アリステラ「ドラおにいちゃん、おっきいウシさんいる!さわってもいいのかな?」
ドライブ「ああ、触れ合えるらしいからな。あとミッチ、お前は いい加減に服を着ろ」


ミッチ「えー、でもウシってどういうふうにさわればいいんだ?たたいたらオコるよな?」
ドライブ「牛じゃなくても叩けば誰だって怒る……」

ミッチ「でもオムニはアンタに なぐられてもおこってないぞ」
ドライブ「ア、アイツは特別なんだ。いいか、私が牛の触り方を見せてやる」


ドライブ「いいか、こうやって優しく撫でてやるんだ。そうすれば動物は喜ぶ」

ゲルダ(坊っちゃん、この人の手冷たくて 寒いんダケド)
キルシュ「……悪い、お客さんだから我慢してくれ……」
ゲルダ(仕方ないワネ)

ミッチ「ドライブ、なんかウシ イヤがってんぞ」
ライト「ヴァンパイアのては つめたいですからね」
アリステラ「よろこんでないねぇ〜」
ドライブ「………………」


ミッチ「ウシー、こうやって さわればいいのかー?うわあ、あったけえー」


アリステラ「ドラおにいちゃん、こっちのコッコちゃんにさわりたいー」
ドライブ「ニワトリか……ニワトリは特にデリケートだからな、私の触れ方をよく見ておくように」


ドライブ「こうやって優しく手を差し伸べて……」


アイ「コケー!!
ドライブ「おい、獰猛なニワトリだな……!」
アリステラ「コッコちゃん、おこっちゃった」


アリステラ「コッコちゃん、ドラおにいちゃんがゴメンねぇ。ドラおにいちゃん、わるいひとじゃないんだよぉ」
アイ「コッコ……」


アリステラ「わかってくれて、ありがとねぇ。いいこ、いいこ」


カイザ(まったく騒々しい下々の奴らだ……神の優雅な休日が台無しではないか)
ライト「ドライブ、こっちに じしょう かみのラマいますよ」
ドライブ「ほう、ラマにも厨ニ病な性格があるのだな。だが神を自称するだけあって毛並みが美しい……」


カイザ(奴隷が整えた神の麗しきウールに軽々しく触れるでない!!)
ドライブ「ええい、この牧場には獰猛な動物しかいないのか!!」
ライト「まあ、あなたって どうぶつにきらわれそうなタイプですからねえ」


カイザ(夜闇の魔物がラマ・ザ・ゴッドに触れるなど百年早いわ、カッカッカ!
ドライブ「この厨ニ病ラマが……!何がゴッドだ、言っていて恥ずかしくないのか貴様!!」

カイザ(私は神だ!!揺るぎなき事実を述べることに何を恥じらう必要がある!!)
ドライブ「ツバを飛ばすような神がいてたまるか!そこに直れ、貴様の根性を叩き直してくれる!!

ライト(ちゅうにびょうと18さいじの ジンギなき たたかい……)


カイザ(ふう、まったく……穢れなき幼い魂よ!お前はあんな幼稚な夜闇の魔物になってはならんぞ!)
ライト「ええ、はんめんきょうし にします」


ドライブ「仕方ない……普通の動物が駄目ならば、カウプラントと接するか………………何故そんなに身を引く!?」

キルシュ「えーと……なんか皆がすみません……」
オムニ「あー、大丈夫大丈夫!ドライブさんってあんなもんだから!」

キルシュ(あんなもんって何だよ……?)
ゲルダ(扱いが雑ネェ)


動物に懐かれないドライブはさておき、幼児は動物と仲良しです。
てかミニヤギちゃんとのハグ可愛すぎん!?


きゃわわわわわわ


はわー!!


あまりにも平和な空間。


ドライブ「動物達は牧場主への愛情が深すぎた。野鳥ならば大丈夫かもしれん」
オムニ「もっと懐かれなさそうな予感しますけど」


ドライブ「そんなことはない、ほら……指に止まろうとしているぞ」
オムニ「ホントだ!奇跡だ!!
ドライブ「私が懐かれたくらいで奇跡呼ばわりするな」


あああー、ワイもミニヒツジちゃんとハグハグしたいんじゃあああああ。


可愛すぎんかミニヒツジちゃん……。


モフモフ最高!!


勿論 野生のウサギとも触れ合えます。
ちなみに野鳥は木と一体化してるからか、クリックしても「なんだろう?」しか出ませんでした。


ミッチ「おまえ、イケメンだな!ロックだぜ!」


幼児と動物は可愛いですねえー。
幼児もなかなか挙動がアレですが、乳児の方がクソ挙動だったので許せました。
許した。


オムニ「ドライブさん、オレは乗馬ってもんに憧れてたんスよ!てなわけでやってみます!」
ドライブ「大丈夫か?お前は鈍臭いからな……落ちないよう気をつけろ」
オムニ「うす!」


オムニくん、初乗馬。


オムニ「んああ、なかなか乗れませえぇん!」
シュバルツ(キルシュは、サッとのれるのに……)
ドライブ「馬に呆れられているぞ」


いざ乗ったらドヤ顔しやがって……。


勿論 推しにも乗ってもらいます。
はー、格好良い好き。


ちなみに幼児だと馬と交流できず、馬のスキルに関する解説を聞くことしか出来ませんでした。
子供になったら馬ちゃんにも乗れるようになりますが、流石に幼児は無理みたいですね。


でも憧れは小さい子と親が一緒に乗ることなんです。
てなわけで雑コラなう。


この後はクルークきゅんとモフモフして、幼児達が疲れたので帰宅しました!
動物と会話させたら多分 会話スキルが上がるんでしょうが、3人とも会話スキルがカンスト済だから特に何も無しでした。

でも可愛かったから良し!

  


 翌日 サザンクロス本部



ドライブ「ブレーキ、戻ったか」
ブレーキ「お疲れ様です、ボス。先程帰還しました。どうかなさったのですか?」


ドライブ「……君に話がある、上に来てくれ」
ブレーキ「了解」


ブレーキ「……ボス、私に話というのは?」
ドライブ「……この間、君の息子らしき男に会った」
ブレーキ「え……」


ドライブ「その男はカオスの眷属らしきウェアウルフと仲間で、そいつからアクセルと呼ばれていた。髪色も君と同じショッキングピンク……血の匂いも君のものが混じっていた。これで血縁関係を疑うなというのは無理な話だ」
ブレーキ「……カオスの眷属と一緒にいたんですよね?」

ドライブ「眷属と断定は出来ないが、そうだな」
ブレーキ「そうですか……では、恐らくその男……ジャッジ・アクセルは私の息子です……」


ドライブ「……君は娘をヴァンパイアに殺され、それが切欠でハンターになったのだったな。だが息子がいたとは……しかも、その息子がヴァンパイア化していたとは」
ブレーキ「……私の娘を殺したのは……ヴァンパイア化した息子なんですよ」

ドライブ「……過去を詮索するのは趣味ではない……が……カオスに関係していそうな男だ。訊かないわけにもいかない。悪いが話せるところまで話してくれ」
ブレーキ「はい……といっても、私自身にもあの子に何があったのか……よくわからないんです」




親である私には少し反抗期気味でしたが……妹の世話はよくする、根は真面目な子でした。
ですが……あの日以前から、少し様子がおかしかった。


声がするって……カオスという男から自分を呼ぶ声がしてくると。
それと同時に頭の中を掻きむしられるような感覚がすると。


でも私はバカでした……反抗期も相まって、思春期によくある……所謂“厨ニ病”の時期なのだろうと適当に流していました。
真面目に話を聞いていれば、運命を変えられたのかもしれなかったのに。


仕事を終えて帰ってきた私を出迎えたのは、禍々しい瞳の色をした息子が娘の血を吸っている光景でした。


「……アク、セル……?なにを……して……」
「…………見つけられたんだ」
「は……」


「カオスのお陰で、自分らしさってのを見つけられたんだ。こんなに気持ちよかったことなんて今まで無かった……ヴァンパイアになる事でこんなに……解き放たれた気持ちになるなんて」
「ヴァンパイア……!?何を言ってるんだお前は……!自分が何をしたのかわかってるのか!!妹を……クラッチを……!!」
「こんな薄汚れた世界から解放してやったんだ、感謝してほしいくらいだよ」


「……カオスが呼んでる……行かないと」


呆然としている私を無視して、息子はそのまま姿を消しました。
カオス──そいつの名を呼んで。




ドライブ「……君がハンターになったのは……ヴァンパイアとなった息子を探す為か。だからいつもショッキングピンクの髪色をしたヴァンパイアの目撃情報に食いついていたのか」
ブレーキ「はい……でも……あの子はずっと見つからなかった。もしかしたら既に死んでるのかもしれないと……そう思いながらも、ずっと探し続けました…………そして……貴方の口から“カオス”の名を聞いた瞬間に予感がしました。アクセルの足取りを掴める予感が」

ドライブ「……そして実際 私の前に君の息子が現れた。カオスの名を聞いた時、君の様子がおかしかったのはこれが理由か。カオスはテレパシーを飛ばし、声が聴こえたものに力を分け与えて眷属にするらしい。君の話を聞く限り、アクセルはカオスの声を聞いて眷属になったようだな」
ブレーキ「…………」


ブレーキ「……もし、あの子がまた貴方の前に現れた時は……私に連絡をしてくださいますか。あの子とは私自ら決着をつけたいんです」
ドライブ「決着……具体的にはどうつける気だ?殺すのか?」

ブレーキ「…………わかりません。あの子が自分の意志で眷属となったのか、カオスに洗脳されたのか……それがわからない以上は……」
ドライブ「そうか」


ドライブ「……事情はわかった。なるべく君の希望に添えるよう尽力はしよう。だが……状況によっては私の手で終わらせることになる。奴が仕掛けてきたならば、私も対処しなくてはならんからな。その事だけは理解してほしい」
ブレーキ「はい……」


ブレーキ「………………」