「…………ん?なんか、物音が……」


「あっ……!母さん、ダメじゃないか大人しく寝てないと!!」
「あらレオンじゃないか、おはよう」
!!


「今日は……オレのこと、わかるの?」
「何言ってんだい、当たり前だろ?自分の息子がわからなくなる訳じゃないかい」
「…………は、はは……そうだよ、ね……」


「そ、それより何してるのさ母さん。大人しく寝てないとダメじゃないか」
「なにって、掃除だよ掃除!気づいたらこんなにホコリだらけ、ゴミだらけになってて汚いったらありゃしないよ!」

「うっ…………とにかく、掃除はオレがするから!母さんはベッドに戻って!体力落ちてるんだから……!」
「確かになんかちょっと動いただけで息切れしたわ……」


(……久しぶりに……“母さん”とちゃんと話せた……)


「ほら、大人しくしてるんだよ」
「はいはい……でも、ベッドにいると暇だねえ」

「本でも読む?心のあるがままの裏切り、好きだったよね」
「ああ、読む読む」


「……ん?なんか、本棚が……スカスカになってるような………………あれ……?ない……なんで、えっ?」
「心のあるがままの裏切りなら捨ててないよ」
「それはあるけど!…………ちょっと待って、“なら”ってどういう意味?」


「ホコリ被ってたり古臭い本は全部捨てておいたよ!断捨離って大事だからさ!しかし最近のゴミ箱って凄いね、ゴミを捨てたら一瞬で処理されてシムオリオンになるなんて」
「……!!」


なんでそんな勝手なことしたんだよ!!大切なアルバムまで捨てたのか!!あのアルバムの中には、母さんが……大事に取っててくれた愛の日の手紙もあったのに!!」
「アルバム?愛の日の手紙?何のことかわからないよ、なんで怒ってるんだいレオン」


「あんなにアルバムを大事にしてたのに!!写真はその一瞬でしか撮れないものだから大事に残すんだって言ってたのに!!そんなことももう忘れちまったのかアンタはっ!!
いたいっ!!


「……うわああああぁぁ!!あー!!殺されるー!!殺されるあああぁ!!アンタ誰だ、レオンがこんな事するわけない!!誰かー!!助けてー!!殺される、殺される、殺される殺される殺される!!!出ていけ出ていけ出ていけ出ていけ!!」
「っ……」


この時──何かが切れた感覚がした。

 

サバイバル生活 8日目

ツリーハウス完成直後からスタート。


ツリーハウスに振り回されたお陰でリオン・ニア共に欲求ガタガタです。
ニアは余裕ありますが社交ゲージが真っ赤
これにホームシックが重なり、意気消沈が続いております。

でもニアの社交を満たすと代償にリオンとの友好度下がるんだよな。
まあ簡単に仲良くなる方法はありますがね……雲を眺めるという最強コマンドが……。


腹減った!
寂しいーですわー!!
求めるものまでバラバラやな君達。


とりあえずリオンは体力黄色だから食事より先に睡眠。
回復矢印が2つになっています!
これで体力の回復が余裕になりました!
自給自足生活最高!


しかしツリーハウスで寝ることが出来るのは1人だけ……。
リオンが寝てる間、ニアは植物の収穫に行ってもらいます。
あー、悲しんでるから移動がおっせええぇ!!


リオンが起きたので交代でニアを寝かせます。
ニア「久々に屋根のある場所で眠れますわ!!最&高ですわー!!


さて、ツリーハウスの為に器用さばかり上げていたのでリオンのタスクはまだ第2ステージのままです。
今日はクリスタルを掘りに行って、シードシェイプをカットして埋めねば。


とはいえ今のところ拠点まわりに岩は無いし……ニアが回復するまでは魚釣りでもしていましょう。


てなわけで、ニアが体力回復したので森に来ました。
森と拠点を行き来するだけで岩がスポーンするなんてウマい話だぜ!


ニア「腹減りましたわー!!今すぐ何か食べないと死んでしまいそうですわー!!
リオン「うるさ……そんな大声出す元気あるなら、まだ余裕だろ……」

ニア「これは空元気ですわー!!辛い時こそ涙を見せず、気丈に振る舞うのが良い女だとお祖父様から教わりましたわー!!」
リオン「……それ、アンタの爺さんの単なる好みだろ……」


リオン「まあ……今日は魚が沢山釣れたし、面倒なツリーハウス作成も終わったし……魚、分けてやるよ……」
ニア「あ、ありがとうございますわー!!血も涙もねえ冷酷無比なクソガキと思っておりましたが、案外良いヤツですわね!!」
リオン「あー……やっぱうるさい……隣で大声やめろ……」


外見を褒める
魚を分けてもらってご機嫌なのかい?
でも君、リオンの顔嫌いって言ってたやん。
心境の変化か?


ニア「初めて お会いした時はあのクソ野郎に瓜二つだったからウゲー!となりましたが……まあ8日間も一緒にいれば慣れてくるものですわね。似てるとはいえ、クソ野郎と貴方はまるで別人ですわ!!」
リオン「……ウゲーッて……アンタ、失礼すぎませんかねぇ……てか、そのクソ野郎ってなに……?誰……?そんなにオレに似てんの……?」
ニア「似てるどころかガチで瓜二つですわーコンチクショー。ドッペルゲンガーってやつじゃないだろうな!!」


リオン「……はぁ……クソ野郎クソ野郎って……アンタ、ソイツとどんな関係……?」
ニア「………………クソ野郎はお祖父様を殺したヤツ……加害者と被害者遺族という関係ですわね」
リオン「……え……」


ニア「私のお祖父様は立派なクリスタルクラフターでしたの。小さなジュエリーショップを開いて、制作したジュエリーを皆様にお売りしていましたの。お店はいつも繁盛していて、お客様もお祖父様のジュエリーを身に着けてニコニコしていて……笑顔が絶えない、キラキラとした素敵なお店でしたわ。私もお祖父様のようなクラフターになりたいと思ったものです」


ニア「でも、あのクソ野郎が……お祖父様のお店で売り子として働くようになってから……何もかも滅茶苦茶になりましたわ」


ニア「最初は良い人だと思っていましたの。穏やかで明るくて、真面目で……私にも親切にしてくださいましたわ」


ニア「けど……売り子として働いていた そのクソ野郎が……お祖父様を……手にかけやがったのです……!」


ニア「クソ野郎は即逮捕されてムショにぶち込まれましたが……動機を聞かれても未だに何も答えませんの……あんなに優しくて、皆を笑顔にしていた素敵なお祖父様が……何故殺されなくてはいけないのか……!」
リオン「…………」


ニア「お祖父様が亡くなって、主を失ったジュエリーショップは寂れていくのを見て……私、決意しましたの。私がお祖父様の後を継ぐと、お祖父様のように素敵なクラフターになって……またジュエリーショップに笑顔を取り戻すと。その為に今こうして修行しているのですわ!!」
リオン「……そう……」


リオン「……そのクソ野郎ってさ……そんなにオレに似てる……?」
ニア「似てるというか鏡写しのようにソックリですわ!初めて見た時、本人かと思いましたもの!名前も地味に似てましたし!!でもクソ野郎は豚箱にいるし、クソ野郎は中年で貴方はティーンだから年齢も違いますし、他人の空似と思いましたわ……」
リオン「……名前も似てんの?そのクソ野郎の名前って……なに……?」


ニア「レオン・マイダスですわ」
リオン「…………っ!!」
ニア「……って、どうしましたの?顔が青褪めてますわよ?食あたりでもしましたの?」


リオン「……オ、オレ、帰る!!」
ニア「は!?なんですの急に!!私、テメーとここに来る度にモメてる気がするからそのジンクスを打ち消したいんですけど!!ちょっとー!!止まらないとぶっ飛ばしますわよー!?」


ニア「……あーあ、行っちまいましたわ……アイツ何なんですのマジで……でも顔色がスッゲー悪かったなぁ……疲れやすいとか言ってたし、ここに来てガッと疲れが溜まっちまったのでしょうか……ストレスも溜まってそうですし……この間ヒドイこと言った落とし前もつけたいですし、何か考えねーとな!ですわ」




サバイバル生活 9日目


拠点まわりにクリスタルの岩がスポーンしていたので発掘。
ヘマタイトを手に入れました。
これでシードシェイプの宝石をカットしましょう!


ちなみにリオンがずっと「クリスタと会話したい」という欲望を出していて、いつまでもクリアしないままだと達成できない恐怖がつきそうで嫌だったので気分を変えたい薬を報酬ストアから買いました。

そしたらニアと仲良くしたいという思いが。
昨日のニアの話を聞いて心境に変化が……?


リオン(…………はぁ……マジで最悪……祖父を殺したとか、殺されたとか……なんでそんな………………はぁ……頭痛くなってきた……アイツとどんな顔して接すれば良いんだろ……)


リオン(……考えると、あの記憶が蘇って吐きそう…………別のことして、気を紛らわせよう……)


ニア「おはようございますですわ!
リオン「……ぶつぶつ……」

ニア「はよーんですわ!!
リオン「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ
ニア「おはようっつってんのが聴こえねえのかコラ!!耳糞でも詰まってんのかああぁ!!


リオン「うっさ!!……オレ、今ストレス発散してるんで放っておいてくれませんかねぇ……」
ニア「やはりストレス溜まってますのね!しかも顔色もまだ悪いですわ!!生産的なストレス発散は素晴らしいものですが、たまには体をゆっくり休めるのも必要だと私思いますの!!」


ニア「というわけで、地面に寝っ転がって私と一緒に雲を眺めましょう!何もしない、何も考えないというのは一番リラックスできる筈ですわ!!」
リオン「……嫌だね、あんな惨めな暇つぶししたくない。てか暇じゃないし……」

ニア「惨めって言うな!!あとストレス発散っつってんだろうが!!ですわ!」
リオン「うるさ…………断ったほうが面倒くさそうだし、わかったよ……でもちょっとだけだからな……」
ニア「それでいいんだよ……ですわ」


雲を眺めればちょっとは仲良くなるだろ!


ニア「……ほげー……」
リオン(お……流石に雲を眺めてる時は静かだな……)

ニア「あっ!あの雲、テメーのリボンに似てますわね!!プリチーですわー!!」
リオン(……静かじゃなかった……)


リオン「……あっ。あれ、アンタの輪郭に似てる」
ニア「はぁー!?私、あんなにふっくらしていませんわー!!目ぇ腐ってんのかぁ!!」

リオン「いや、あんなもんだって……鏡見てこいよ」
ニア「鏡ねーだろ、ここにはー!!ですわ!」
リオン「そうだった……」


リオン「……こうやって雲眺めるの、生まれて初めてだな……」
ニア「あらまあ、それは人生損してましたわね!」

リオン「損はしてない…………空をゆっくり見る機会とか無かった……ずっと暗い所にいたから、外とか見えなくて……」
ニア「外見れないとか体にも心にも悪そうですわ!!」


雲を眺めただけでこの上がりよう!!
やはり最強だ、このコマンドは。



その後、リオンはシードシェイプの宝石を完成させました。
彼も無事に願望第3ステージに進むのであった……。


あとニアもガーデニングスキル3になり、肥料をあげられるようにやったのでクリスタルの木の品質上げに励みます。
早く壮麗になーれ!