⚠WARNING⚠
ストーリーの展開上、不適切な発言が出てきます。
苦手な方はご注意ください。
水曜日から修学旅行の牧場生活、
やっていきます。
月曜日
キルシュ「まあな……まあ面子が面子だから、絶対トラブルが起きそうな気がするけど……主にアレックスとかが何かやらかしそうな……」
ゼーレ(ヤラカス ニ キマッテル)
キルシュ「だよな」
ゼーレ(私達ノ コト ハ心配スルナ。牧場スタッフ、イルシ!)
クルーク(そうですよ!キル兄、たまには何もかも忘れて羽根を伸ばしてきてください!)
キルシュ「おう……ありがとな」
シュバルツ(キルシュ、りょこう、たのしみにしてる!いっしょにいけないの、すこし、さびしいけど……ボク、おにいさんだもん!みんなをまもらなくちゃ!とくにワイルドソニックのこと、おせわしなきゃ!ふんぬっ!)
キルシュ「……おはようございます、校長」
校長「あのね、話があるんだよね。昼休みになったら校長室まで来てほしいんだよね」
キルシュ「は、はい……」
キルシュ(なんか嫌な予感がするな……)
校長室
校長「明後日の修学旅行の事だね。率直に言うとね、君は修学旅行には参加させないことにしたんだよね」
キルシュ「………………は?」
キルシュ「誘拐してません!!大体、迷惑かけられてるって言ってんのは誰ですか!」
キルシュ「あれはお酒じゃなくてジュースです……!」
キルシュ「……なんだよそれ……何もかも全部デタラメですよ!そんな組織のタトゥーなんて入れてません……」
校長「じゃあ、服を脱いでタトゥーなんてありませんって証明してみせなよ」
キルシュ「な、なんで脱がなくちゃいけないんですか!嫌ですよ!!」
キルシュ「………………身体に……」
校長「ん?」
キルシュ「う、嘘じゃな」
校長「傷があるってさ……自分でやったんじゃないの?君の両親から聞いてるんだよね。自分を可哀想に見せる為なら何でもするって」
キルシュ「…………っ」
キルシュ「…………………」
校長「ちょっと返事は?てか聞いてるのかね」
キルシュ「……すみませ……ト、イレ、行かせて、くださぃ」
校長「これが噂の自分可哀想ムーブかな?都合が悪くなったらそうやって逃げるんだね。まあいいよ、話は終わったし行きなさい」
キルシュ(……シムって、言葉だけでも、吐き気を催すことが、出来るんだ…………話しても、わかってもらえなくて……ほんとのこと、言ってるのに、信じてもらえなくて……頭の中は熱いのに、体は凄く冷え切って、気持ち悪くなって……)
キルシュ「……すみません……体調悪いんで、帰ります……」
先生「ぬっ、そうなのか!?おいおいしっかり体調管理せんか!明後日は修学旅行なんだぞ、それまでに治るのか!?」
キルシュ「…………しゅうがく、りょこう…………」
先生「ん、どうした?」
校長室
校長「それがどうかしたのかね、僕は事実を述べただけだね」
校長「僕はね、ブルームくんの為に心を鬼にして言ってあげたんだよね。ああいう悪ガキには厳しいくらいじゃないと心に響かないんだよ、あれが若者くらいになったら価値観が練り固まって誰が何を言っても変わらなくなる。まだ柔軟なティーンのうちに無理矢理にでも変えとかなきゃダメなの」
先生「言っていることはまだわかりますが……アンタのやり方には賛同出来ませんっ!!!」
先生「貴方だって、悪い意味でブルームを特別視してるじゃないですか!!問題児というフィルター越しにあの子を見ている!事実を確かめようともせず、悪評を広めている生徒の言うことを鵜呑みにして追い詰めている!!校長自らイジメに加担してるようなもんじゃないか!!」
校長「イジメって大袈裟な……僕は客観的な判断をしているだけだね。そろそろ午前の授業の時間。ブルームくんの修学旅行不参加はもう決まったことだからね、覆せないからね。ほら、授業に行きなさい」
先生「ぐうぅ……」
シュバルツ(キルシュ、どうしたんだろ……きょう、ガッコウなのに、スグかえってきちゃったし……それに、かお、まっさお……なにかあったのかな……しゅうがくりょこう、なくなったっていってたから……それのせい?)
ミルヒ「メェ……」
シュバルツ(そっか……ミルヒも、どうしたらいいか、わかんないんだ……)
シュバルツ(あっ、トーマスだ。キルシュなら、いま、クルークと おさんぽ、いってるよ)
シュバルツ(ボク?)
トーマス「うん……先輩の修学旅行のことで」
シュバルツ(しゅうがくりょこう!なくなっちゃったやつ!)
トーマス「そう、それ。あのさ……この修学旅行は先輩にとって最後の…………ゴホン、最高の思い出になるんだ。だから僕は先輩を修学旅行に行かせてあげたい。その為には……君達の力が必要なんだ」
シュバルツ(ボクたちのチカラ……)
トーマス「シュバルツくん、明後日の朝……今から僕が言うように動いてほしいんだ」
そして水曜日の朝
キルシュ「ん……?どうしたんだ、クルーク」
キルシュ「は!?シュバルツが家出!?」
クルーク(は、はい……凄い勢いで走り去ってしまって止められなくて……!どうしましょう!!)
キルシュ「どうしましょうって……探しに行くに決まってんだろ!?ああ、でも何処に行ったのかわかんねえのか……手当たり次第に探すしか……」
クルーク(大丈夫です、キル兄!ボクがシュバル兄の匂いを辿っていきますから!)
キルシュ「ああ、なるほど!流石クルークだな!頼むよ!」
クルーク(はい!!)
キルシュ「おう!」
キルシュ「うん……でもここって……駅……」
クルーク(駅だかなんだか知りませんが、あそこにシュバル兄がいますよ!早く行ってあげてください!)
キルシュ「わ、わかったよ……」
シュバルツ(キルシュ!ちゃんと、クルークにあんないされて、ここまで、きたんだね!!)
キルシュ「……えっ?クルークに案内……?お前、家出したんじゃ……」
キルシュ「う……」
シュバルツ(このシム、キルシュいじめる!!キライ!!)
キルシュ「ご、ごめんなさい……俺は、ただ、馬を、探しに」
「待った!!!」
キルシュ・校長「!?」
校長「はぁ!?」
キルシュ「……?」
バーバラ「ああ、そうさ!キルシュは1人で遊びに行くだけさ!」
キルシュ「???」
校長「りょ、旅行券が当たっただって……?」
アレックス「イエス!!ほらキルシュ、スマホに旅行券が添付されたメール来てるでしょ!?ぴゅ!」
キルシュ「いやそんなメール知らな…………あれ、マジで届いてる……」
キルシュ(でもメールの送信者がガーランドって書かれてんだけど……しかも“余計なことは言わずに周りに合わせてください”って書いてあるし……)
バーバラ「なんだい、この校長はプライベートな旅行さえもしちゃダメだっていうのかい!?個人で楽しむだけの旅行を禁止する権利がどこにあるって言うんだろうね!」
アレックス「まったくだよ、ぴゅぴゅ!キルシュはたまたまコモレビ山の旅行券が当たって、たまたまオレ達と目的地が同じで、たまたま同じ電車に乗り合わせただけなのに!アドベンチャーを奪うなんて酷いや酷いや!!」
校長「……はぁ……ここで揉めた方がカッパーデール高校に悪いイメージがつくね……はいはいわかったわかった、個人で遊びに行くならどうぞご自由に!」
キルシュ「え、えっと……何がどうなってんのか全然わかんねえんだけど……」
バーバラ「アンタが修学旅行に参加出来ないって聞いてねぇ……皆で作戦立てたんだよ、アンタも一緒にコモレビ山に行く為の作戦をね」
キルシュ「さく、せん……?」
先生「しー!ジョーンズ、あまり大声で言うな!!」
キルシュ「シュバルツ達が乗っかった……じゃあ、シュバルツが駅にいたのも、クルークが俺をここに連れてきたのも……!」
バーバラ「トーマスに指示された通りに行動したってことだね」
キルシュ「……偽物の旅行券を送ってきたのはガーランドってことは、アイツも協力してくれたってこと……なんだよな……でも……俺1人の為に、そこまで……」
アレックス「イエス、マイフレンド!!だからさ!!ガーランドも、ディランも、カシューも、インソレンスも、柊や彗も、アレクシスも、キルシュと一緒に行きたかったんだよ!!」
バーバラ「それに、アンタが今回の旅行楽しみにしてるのはヒシヒシと伝わってきたからねぇ……校長の職権乱用なんかで潰させたくなかったんだよ」
アレックス「あれ?キルシュ、もしかして……泣いてる!?」
キルシュ「な、泣いてねーよ!!」
バーバラ「相変わらずガキっぽいね、こんな事で泣くなんて」
キルシュ「泣いてねえっつってんだろうが!!」
クルーク(これは嬉し泣きですね、キル兄!)
キルシュ「お、おう」
キルシュ「ああ……ありがとな。でも帰りは大丈夫か?」
シュバルツ(うん!スタッフのヒトが、むかえ、くる!)
キルシュ「牧場スタッフまで協力してくれてんのか……帰ったらお礼言わなくちゃな……」
キルシュ「あ、はい!」
シュバルツ(キルシュ、いってらっしゃーい!!)
クルーク(楽しんできてくださいね!!)