土曜日


キルシュ(夏も今日で終わり、明日からは秋か。季節が変わるのは早いもんだ……来年の夏はもっと、こう、夏らしい遊びしてみたいな。それこそ……友達と海に行ったり、プール行ったり…………こうやって友達と遊ぶことを考えられるようになるとか、なんか夢みたいだな……近々 修学旅行もあるし、そっちも楽しみだ)


キルシュ「おはよう、ゲルダとカイザ。今キレイにするからな」
ゲルダ(坊っちゃん……最近イキイキしてるワネ……お友達とよく喋るようになったからかしラ?)


キルシュ「さて、牧場仕事も一段落…………ん?アレックスからメールだ……なになに……」

【せっかくの連休だってのに、また牧場に引きこもってるのかキルシュ!?引きこもってばかりじゃ全然アドベンチャーじゃない!!今日はシネマデーだから映画館が半額なんだ、ここはパーッと皆で映画でも観に行こうじゃないか、ぴゅっ!!ぴゅっ!!】

キルシュ「……アイツ、メールでまでテンション高すぎだろ……皆と映画か……でも牧場スタッフ雇えないし、休みなのにまた皆を置き去りにするのも……」


カイザ(ええい、奴隷よ!何を悩んでいる!!せっかくの友人からの誘いであろう、ゆくが良い!神が許可してやる!!)
キルシュ「え……いいの?でも大丈夫かな……」

カイザ(数日間留守にするわけでもあるまいし、貴様は心配性すぎる!!時には己に使命“仕事”と宿命“学業”を忘れ、羽を伸ばしてくるが良い!!奴隷とて休息が必要だと理解はしている慈悲深いラマ・ザ・ゴッドに深く感謝するのだぞ、カーッカッカッ!!
キルシュ「お、おう。ありがと……」


キルシュ「じゃあ、遊びに行ってくるよ。皆を頼むぜラマ・ザ・ゴッド様」
カイザ(方舟に乗ったつもりでいるが良いぞ!!)

 




 映画館

(ギャラリーからDLさせていただいてます)


ロック「ま、またこのイカれたメンバーか!」
アレックス「酷いなぁロック!ホイップはまともなんだぞ!」

柊「ホイップって俺のことか……?」
ディラン「おい、オレだってまともな部類だぞ!」


トーマス(久しぶりに先輩と会えたあああぁ。隠し撮りしとかなきゃ……ふひひ……)
キルシュ(なんか邪なオーラを感じる……)


柊「ほら映画が始まるぞ。皆座った座った」
トーマス(ふんぎゃああああ、先輩の隣を取られたああぁ、インソレンスとロックが憎いいいいぃ)


殆どのシムがちゃんと観てなくて草。


インソレンス「いやー、映画面白かったなー、うん」
キルシュ(皆喋ってばっかだった気がするけど……)


柊「あれ、あそこのスイーツショップ……今日は賑わってるな」
ガーランド「明日はバレンタインデーだからでは?」

ロック「あっ……そっか。もうそんな時期か」
キルシュ(バレンタイン……)


柊「バレンタインか……そういえばこの辺りだと男性が女性にプレゼントをするんだっけ。コモレビ山だと女の子が好きな男の子にチョコレートを渡すんだ。文化の違いって面白いよな」
インソレンス「なにいいぃ!?じゃあオレがコモレビ山に暮らしていたらエリザベスからチョコを貰えたのか!!チクショー!!
柊「貰える自信あるのか……」

キルシュ(……バレンタイン、か……)

 


 ブルーム牧場


キルシュ「よし、綺麗に型ができた。あとは焼くだけだな」


シュバルツ(キルシュ、カエッテキテカラ、ズット リョウリシテル!ドウシタノ?)
キルシュ「ああ、明日はバレンタインデーだから……」

シュバルツ(バレンタイン?)
キルシュ「愛と感謝を伝える日だよ。カップルが主役の行事だけど、恋人だけじゃなくて親密な相手にも感謝を伝えるのもアリらしいから、その…………友達の皆に、感謝の気持ちとしてお菓子を贈ってまわろうかなって」

シュバルツ(ワア、プレゼント!?)
キルシュ「うん……俺、捻くれてるからさ……普段はあまり言えないけど皆には感謝してんだよ……仲良くしてくれるし、今日みたいに遊びに誘ってくれるし……だからバレンタインくらいは素直に感謝を伝えたいなって」

シュバルツ(ウンウン、イイコト♪ トモダチ、ダイジ ニ シナキャ♪)
キルシュ「そうだよな……よし、うんと美味いものを作って皆に喜んでもらうぞ!」
シュバルツ(ガンバレ、キルシュ!)


日曜日


キルシュ「ふう……どれも上手く作れて良かった、喜んでもらえたらいいな……」


シュバルツ(イロイロ ナ、オカシ、アル!)
キルシュ「皆それぞれ食の好みがあるからさ、皆の好みに合わせて色々作ったんだ。喜んでくれるかな」

シュバルツ(キット、オオヨロコビ マチガイナシ!ジシン モッテ!!)
キルシュ「うん」


キルシュ「でもな、感謝してるのは友達だけじゃないんだ。今日は他にも……」

シュバルツ(ナンダロウ?)
クルーク(はわ!?なんだか良い匂いがします……)


キルシュ「というわけで、今日は特別にペット料理な。クルークにはこれだ」
クルーク(はわー!!キル兄の手作り!!ありがとうございます!!)


キルシュ「ゼーレにはこれな」
ゼーレ(私ニモ アルノカ!美味シソウ!アリガト、キルシュ!)



キルシュ(皆にもしっかり贈り物して……)


キルシュ「よし、それじゃ配りに行くか……シュバルツ。今日は宜しく頼むよ」
シュバルツ(マカセテ!)


キルシュ(まずは一番近いインソレンスの家からまわるか)


ガナール(おや少年、我が家に来るとは珍しい)
キルシュ「ああ……インソレンスの相棒のガナールだっけ。元気してたか?」

ガナール(まだまだ若いもんには負けんからねぇ、元気いっぱいさぁ)
キルシュ「はは、それなら良かった」


キルシュ「よう、インソレンス」
インソレンス「なんだぁ、いつも引きこもってるキルシュが家に来るとか珍しいじゃねーかよ!何の用だ?」

キルシュ「今日はバレンタインデーだろ?だから ほら、贈り物だよ」
インソレンス「ふぁっ!?わ、悪いがキルシュ!!オレはそっちの気はないぞ!!」
キルシュ「は?」

インソレンス「オッ、オッ、オレのことが好きなんだろ!?でも駄目だ!!オレにはエリザベスが!!」
キルシュ「ちげーよ!!友達として感謝の贈り物だっての!!」


インソレンス「なーんだ!それならそうと言えよ!あー、ビビった」
キルシュ「お前が自意識過剰すぎるんだわ……」


インソレンス「うほっ、美味そうなビビンカ!お前 口悪いけど料理の腕は良いもんな!ありがたく頂くぜっ!」
キルシュ「お前には口悪いって言われたくねえ」


キルシュ(次はエリザベスの家……シエナさんとは仲良くやってるらしいし、牧場仕事の手伝いもちゃんとしてるみたいだ)


キルシュ「よう、エリザベス」
エリザベス「はー?なんでアンタがアタシとシエナさんの花園に足を踏み入れてるわけー?マジありえないんですけどー」

キルシュ「相変わらず捻くれてるな……」
エリザベス「大体インソレンスも毎日来るしさー、男ってほんと ちょーウザーい」
キルシュ「アイツ毎日来てんの……?やば……」


キルシュ「ま、まあインソレンスはさておき……ほら、バレンタインデーのプレゼント」
エリザベス「えっ?アンタ、アタシが好きなわけ?まあそんな気はしてたけど〜、アタシ年下は好みじゃないのよね〜。悪いけどアンタの恋はこれで ぎょ・く・さ・い。もっと良い男になって出直しなさ〜い」

キルシュ「お前もインソレンスも自意識過剰だな……友達として感謝のプレゼントだよ」
エリザベス「それならそうと言いなさいよ、バカ!中身は……ストロベリーフィジーカップケーキね!」

キルシュ「シエナさんと一緒に食ってくれ」
エリザベス「言われなくても食べるしぃ〜、きゃーシエナさんと優雅なアフタヌーンティー出来るわー!!」


キルシュ(次はロックの家……相変わらず大所帯だな)


ロック「キルシュ、いらっしゃい……何しに来たの?バレンタインなのにプレゼントする相手がいない僕を笑いに来たの?」
キルシュ「いや、被害妄想すぎ」


ロック「いいんだいいんだ、僕なんてどうせ、皆から影薄いとか、こんな奴いたっけとか、いつからいたっけとか笑われて、しかも飼ってる馬に噛まれちゃうようなクソザコシムなんだから、僕なんてどうせ!!僕なんてどうせ!!
キルシュ「おーい、戻ってこーい」

ロック「こうして僕は君の優しさの出汁に使われるのだった……ちゃんちゃん……」
キルシュ(拗らせてるな……)


キルシュ「と、とりあえずコレ……友達としての感謝のプレゼントな。中身はティラミス、家族で食べてくれ」
ロック「ありがとうキルシュ。友達としてと強調する辺り、僕にはロマンチックな魅力を一切感じないキングオブ地味シムと遠回しに言ってるんだね」

キルシュ(友達と言わなかったら自意識過剰反応されるし、言ったら悲しまれるし、どう渡すのが正解なんだよ!!)


キルシュ(なんか、さっきので どっと疲れたが次はディランの家だ。アイツの家に来るのは初めてだな)


馬(む、貴様……見ない顔だな。何者だ)
キルシュ「俺はキルシュ……ディランの友達だよ」

馬(ああ、ディランがよく話している友人か!俺はマッターホルンだ、宜しく頼む!!)
キルシュ「マッターホルンか、格好良い名前だな。宜しく」


キルシュ「よう、ディラン」
ディラン「キルシュじゃないか、お前がウチに来てくれるのは初めてだな!どうしたんだ?」


キルシュ「今日はバレンタインデーだから、いつも仲良くしてくれてる皆に感謝のプレゼントを配ってまわってるんだ。てなわけでお前にもコレ。中身はチョコチップクッキーだ、弟と食べてくれ」
ディラン「えっ、いいのか!?」
キルシュ「当たり前だろ。それにお前は初めて出来た友達だし……なかなかクラスメートに声をかけられなかった俺に話しかけてきてくれて、嬉しかったんだ。いつもありがとな、ディラン」


ディラン「はは、どういたしまして…………キルシュ、オレ達友達だよな?」
キルシュ「ああ」

ディラン「友達なら、お前が何か困ってることあったらいつでも相談してくれ。友達だからこそ力になりたいんだ」
キルシュ「…………うん、ありがと」

 サンマイシューノ


キルシュ(さて、次は柊と慧の家だ。アイツらとはあまり登校日が被らないけど……見かけたらいつも声をかけてくれるし、海の家では世話になったからな)


柊「やあ、キルシュ!いらっしゃい!」
慧「キルシュじゃん、めっちゃ久しぶりって感じがするわ〜」
キルシュ「確かに3人揃うのは久しぶりだな」


キルシュ「今日は2人にバレンタインデーの感謝のプレゼントを渡しに来たんだ」
柊「いいのか!?ありがとう!」

慧「中身は何だ〜?」
キルシュ「レインボーブラウニーだよ、皆で食べてくれ」
慧「うぇーい!ありがたく頂くわ。あっ、ちなみに今度の修学旅行、俺らも行くからさ。一緒のグループになったら宜しく頼むぜ」

柊「いつも家の事が忙しくて参加できなかったけど、やっと修学旅行に行けるんだ」
キルシュ「マジか!お前らが来るならもっと楽しみになったわ……また思いっきり楽しもうぜ」


キルシュ(次はバーバラの家……なんか一昨日来たばかりだし、緊張しないな)


サクラ(あっ、キルシュ!もう遊びに来てくれた!早いね!)
キルシュ「まあな……バーバラは?」

サクラ(非番の売り子さん捕まえて、安く食べ物を売ってくれないか説得してる)
キルシュ「相変わらず図々しい!!


キルシュ「おい、バーバラ!」
バーバラ「キルシュじゃないか……また家に来るなんて、アタシがいなくなってそんなに寂しいのかい?」
キルシュ「アホか」


キルシュ「とりあえずコレ……バレンタインデーの……」
バーバラ「バレンタインデー……ふぅん、そうかい。アンタ、アタシのことが好きなのかい。でもアタシには考える時間が必要だ……なんにせよアンタ、ガキっぽいよ。もっとクール&スタイリッシュじゃないとアタシの好みじゃないね」
キルシュ「なんで俺がフラれたみたいになってんだ?友達としての感謝のプレゼントだよ」

バーバラ「……なんだい、それならそう言いなよ!」
キルシュ「言おうとしたらお前が遮ったんだろうが!!


バーバラ「でも、ありがとねぇ。ありがたく頂くよ」
キルシュ「ああ……中身はハロハロだ。口に合うと良いけど」
バーバラ「アンタが作ったもんなら何でも美味いさ」


キルシュ「さて、次は……ん?あそこにいるのはカシューか……丁度いいな」


キルシュ「よう、カシュー。奇遇だな」
カシュー「キルっちだぁ〜!こんにちは〜、キルっちもカラオケでオールナイトしに来たのぉ〜?」
キルシュ「いや、今バレンタインデーのプレゼントを皆に配ってまわってるんだ」


キルシュ「てなわけでカシューにも日頃の感謝のプレゼントな。中身はブルーベリーパイだ」
カシュー「え〜、私にもくれるのぉ〜!」

キルシュ「当たり前だろ、友達なんだから」
カシュー「ありがとキルっち〜!お礼に今度女装コンテストがある時は、私がメイクしてあげるねぇ〜」
キルシュ「き、気持ちだけ受け取っておくわ……」

カシューの家はヘンフォード・オン・バグレーにある為、訪ねようとしてもエラーを吐いてしまい行けないので仕方なくカシューだけ呼び出しました……ハヤクナントカシテ。

 フォーゴットン・ホロウ


キルシュ(次はアレックスの家だ……前に来た時は火事だの幽霊だの色々あったな……)


アレックス「あれ、キルシュ!呼んでないのに家に来るなんて珍しい!!この雨はもしかしてそのせい!?ぴゅー!!」
キルシュ「相変わらずテンション高いな……今日はバレンタインデーだから、友達皆に感謝のプレゼントを配ってまわってるんだ。ほら、お前のぶん。中身は心からの望みワッフルだよ、アドベンチャーだろ?」

アレックス「プレゼント!?なにゆえ!?」
キルシュ「だから感謝のプレゼントだって……」


アレックス「オレ、感謝されてたの!?てっきり鬱陶しがられてると思ってた!!」
キルシュ「まあ確かに鬱陶しい一面はあるけど……お前はいつも遊びに誘ってくれるしさ、感謝してんだよ」

アレックス「ワオ!スーパーアドベンチャー!!!ありがとうキルシュ!!この ご恩を一生忘れない為にも、このワッフルは大事に枕元に飾っておくね!!」
キルシュ「いや食えよ、駄目になるから」


 ウィンデンバーグ


キルシュ「ここがガーランドとアレクシスの家か……なんかムワッとしてるのは気の所為か?」
シュバルツ(キノセイ ジャナイ ト オモウヨ、キルシュ)
キルシュ「だよな……」


ナックルズ「いらっしゃい……君はガーランドとアレクシスの友達かね?」
キルシュ「あ、はい……キルシュ・ブルームです……」

グレイブ「ああ、君がキルシュくんですか!よく2人から話を聞いていますよ!ところで君、なかなか良い筋肉を持っていますね……どうですか。一緒にトレーニング」
キルシュ「えっと……今、筋肉痛なんで遠慮しておきます……」

ナックルズ「なるほど、無茶は良くないからな。君は筋肉を労ることが出来る優しい子だ」
キルシュ「ど、どうも……?」


キルシュ「よう、ガーランドとアレクシス」
アレクシス「やあ、こんにちは」

ガーランド「どうもこんにちは。このような筋肉の巣窟に来るとは……まさか貴方もその筋の者なのですか?」
キルシュ「どの筋だよ……今日はバレンタインデーだから、2人にプレゼント……」

アレクシス「あっ」
キルシュ&ガーランド「え?」


何やってんだおまええぇ!!!


アレクシス「ガーランド!!オレの股間が熱く燃えてるよ!!」

キルシュ「ガーランド、これ持ってろ!」
ガーランド「あわわわわ」


キルシュくん、自律で消火!!


アレクシス「死ぬかと思った……ありがと……」
キルシュ「股間まだ燃えてないか……?」


キルシュ「そ、そんなわけで感謝のプレゼントな」
ガーランド「ありがとうございます……むしろ感謝すべきは私達のような気がしますが……」
キルシュ「まあ、気にすんなよ……」


キルシュ「さて次は……ちょっと気まずいけど、お礼しなくちゃだしな……」
シュバルツ(ダレ ノ オウチ ダロウ?)


キルシュ「お邪魔します、先生」
先生「ブルーム!?お前、一昨日どうしたんだ!?無断欠席だなんてらしくもない!!」

キルシュ「その……急用が入って、それで……連絡するのも忘れてしまって……すみません……」
先生「急用って……本当に急用なのか?何かあったんじゃないだろうな?」

キルシュ「本当に急用ですよ」
先生「はぁ……」


キルシュ「それより、今日はバレンタインデーなんで この間のお礼も兼ねてプレゼントしに来ました」
先生「この間のお礼?」
キルシュ「ほら、俺が体調崩した時に牧場の仕事代わりにやってくれたじゃないですか」


先生「ああ!気にしなくともいいのに……だが、可愛い生徒からの贈り物だ。ありがたく受け取っておくとしよう!!ちなみに中身は何だ?」
キルシュ「スカーフ付きセーターです、これから寒くなるし丁度いいでしょ。あと先生ってあんまファッションセンス良くないから、ちったぁコレでお洒落してくださいね」


先生「…………ええい、余計なお世話だっ!!誰のファッションセンスが悪いっていうんだああぁ!!」
キルシュ「事実でしょ」

先生「やかましいわっ!!この問題児めっ!!廊下に立っとれ!!」
キルシュ「ここ学校じゃないんですけど」

キルシュ(やっぱ先生とは、こういう軽口言える関係の方が気楽でいいな……)


 カッパーデール


キルシュ(さて、ここで最後だな……なんかアイツから邪な目で見られてる気がするから、2人きりはちょっと心配だけど……いや考えすぎか、俺も自意識過剰だな)
シュバルツ(キルシュ、ダイジョウブカナ?)


トーマス「はあぁん、先輩が来てくれるなんて嬉しいなぁ……はぁはぁ……」
キルシュ(鼻息が荒い)


キルシュ「と、ところでお前、なんか顔つきが前と比べて大人っぽくなったな!」
トーマス「ふふ、成長期ですからね。しかし外見をわざわざ褒めてくれるなんて……先輩、嬉しいです……」
キルシュ(邪さもパワーアップしてるような……)


キルシュ「まあ、それはさておき……ほら、プレゼントだ」
トーマス「プレゼント…………あぁ、そういえば今日か……」

キルシュ「なんだ、バレンタインデーって忘れてたのか。お前最近忙しいみたいだから、体力つけたほうが良いと思って中身は……」
トーマス「高エネルギープロテイン料理」

キルシュ「…………なんでわかった?」
トーマス「……話の流れ的に、そうかなあって」
キルシュ「ふーん……察しが良いんだな」


トーマス「……実は僕、こことよく似た平行世界の住人で、これも元いた世界で体験したから知ってたと言ったら信じます?」
キルシュ「は……?えっと…………そういう、設定に浸りたいとか……そういう お年頃?」

トーマス「……そうですね、最近 平行世界のアニメにハマってて」
キルシュ「へえ、面白そうだな」

トーマス「面白いというか、鬱系ですね。どの平行世界でも、ティーンで死んでしまうヒロインがいて……主人公が助けようとしても上手くいかない事が多くて、何度も死なせてしまうんですよ」
キルシュ「あー……話が重いな……」


トーマス「先輩は、ヒロインみたいな立場だったらどうします?」
キルシュ「ヒロインみたいなって……ティーンで死ぬ運命ってこと?」

トーマス「はい」
キルシュ「どうって言われても…………そういう運命だって決まってるなら仕方ないし……諦めるんじゃないかな」
トーマス「…………」


トーマス「やだなあ先輩ってば、マジレスしちゃって!!先輩もちょっと厨二病ですね!」
キルシュ「お前が聞いたんだろうがよ……まあいいや、もう夜遅いし帰るわ」
トーマス「はーい」


キルシュ「シュバルツ、おまたせ。今日も……ていうか、いつもありがとな。ほら ご褒美のニンジン」
シュバルツ(ワーイ!)


トーマス「………………」


……もういいよ……。
もう……疲れたんだ……。
……生まれてこなければ良かった。

トーマス(このままじゃ……駄目だ……)

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