終始息苦しい。もやもやした重苦しい余韻がすごい。苦笑

 

何かが起こったからではない。何かに遠慮したり、取り繕ったり、きれいごとが鼻に付く。生きにくい...

 

もし間違った選択をしてしまっても、最後にお互いが目を見て話すことができれば、"愛""人生"に真に向き合えるのかも。

 

自分以外の他者を完全に理解しようとは思わないし、到底無理な話だけど、個と個が少しでも心通わせられたら、きっと幸せなんだろうなと思う。

 

 

 

 

* 以下、ネタバレあり。

 

 

妙子(木村文乃)は、孤独だ。

 

子持ち、再婚を“中古”扱いする義父 (田口トモロヲ)。擁護する側の義母 (神野三鈴) は、"次は本当の孫を抱かせてね"なんて悪気なく笑顔で言えちゃう。よりタチが悪い。


再婚した夫・二郎(永山絢斗)との上っ面でのやり取り。妙子への気持ち、敬太への気持ちは、どのくらい本気なんだろう? 最後は、山崎 (山崎紘菜) が居てくれるとでも思ってたのか?向き合わない二郎

 

逆に、感情むき出しで、本気で接してきた元夫パク(砂田アトム)。韓国手話を通して、半ば強制的に正面から向き合うことで、自然と濃密なコミュニケーションに。二郎は、本気でぶつかれる彼の存在が羨ましく、同時に寂しさを感じたに違いない。

 

いいやつと思いきや、パクもクズで、結局、妙子は、パクと関係を築けないことに気付く。


逃げた先の突き付けられた孤独
 

 

"ねぇ、こっち見て"

 

 

まっすぐ向き合って、“愛”と“人生”を考える人間ドラマ。

 

 

最後の最後での『LOVE LIFE』タイトルバックに震えた。

 

 

これからも人生は続く。

 

 

 

 

 

-あらすじ-

 

妙子(木村文乃)が暮らす部屋からは、集合住宅の中央にある広場が一望できる。向かいの棟には、再婚した夫・二郎(永山絢斗)の両親が住んでいる。小さな問題を抱えつつも、愛する夫と愛する息子・敬太とのかけがえのない幸せな日々。

 

しかし、結婚して1年が経とうとするある日、夫婦を悲しい出来事が襲う。哀しみに打ち沈む妙子の前に一人の男が現れる。失踪した前夫であり敬太の父親でもあるパク(砂田アトム)だった。

 

再会を機に、ろう者であるパクの身の周りの世話をするようになる妙子。一方、二郎は以前付き合っていた山崎(山崎紘菜)と会っていた。哀しみの先で、妙子はどんな「愛」を選択するのか、どんな「人生」を選択するのか……。

 

ひとりの女性をとおして、「愛」について「人生」について描いた物語。

 

 

 

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