"生まれてくれてありがとう"
何かしらを背負っている疑似家族が、何気ないやさしさに触れて、それぞれの境遇に触れて、心が変わっていく。
"きっと幸せにしてやるからな"
許し、許され、そして母になる。
* 以下、ネタバレあり。
"捨てるくらいなら産まなければいい"のスタンスで鑑賞。
前半は淡々として、可もなく不可もなくなテンションで観てたけど、ボールは友達、サッカー少年ヘジンが合流してから、ぐっと物語に引き込まれた。彼の存在が、スイッチになり、一気に家族を感じさせた。
取れかけたボタンを直してくれる、雨が降れば迎えに来てくれる、小さなやさしさが心を揺さぶる。
赤ちゃんを高く売ることだけを考えてた人たちが、リスクしかないのに、赤ん坊を第一に考え、病院を受診させる。
現行犯で逮捕することしか考えてなかった刑事が、人を知ることで、考えが変わっていく。
「なんとか幸せにしてやりたい」が共通言語。
洗車場と観覧車のシーンが、お気に入り。例えるなら、女優イ・ジウンが、歌姫 IUとして歌ってるときでも、目が隠れてるとあの名シーンを思い出してしまうほど好き。笑笑
「人間の命をどう考えるべきなのか?」
是枝裕和監督からの問題提起。
"捨てるなら産むなよ"
そんな単純な話でもないのかも?と思わされた。
『ベイビー・ブローカー』鑑賞後、十数年振りのIU沼に落ちている。笑笑
長編映画初出演イ・ジウン、日本ではシンガーIUとしての方が認知されてる? 私がよく聴いていた当時は、Tamia (タミア) やCorinne Bailey Rae (コリーヌ・ベイリー・レイ) 等、ギター片手に私好みのカヴァーをよく聴かせてくれた。
CDを数枚持っている程度のライトなファンだけど、違った形での活躍を見れるのが嬉しい限り。是枝監督もIUの歌声が好きだとか⁉︎
-あらすじ-
古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。
ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が〈赤ちゃんポスト〉に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。
しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。
一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと、静かに後を追っていくが…。
〈赤ちゃんポスト〉で出会った彼らの、特別な旅が始まる―。
第75回カンヌ国際映画祭、エキュメニカル審査員賞を受賞。主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞し、カンヌ2冠を達成!!
関連レビュー