先日、令和5年度の行政書士試験が行われました。
試験を受けた方は本当にお疲れ様でした
今日は行政書士試験の難しさについて私見を交えながら解説していきたいと思います
絶対評価の試験
他の法律系国家試験である司法試験や司法書士試験は「相対評価」の試験です
つまり、受験生の本試験での成績順位が合否に影響してくることになります。
これに対して行政書士試験は「絶対評価」の試験なのです
足切りの制度はありますが、原則として300点満点中180点以上の点数が取れれば合格になります。
6割以上の正答率で合格になるということで、結構ハードルが低い印象を持つかもしれません
しかし、行政書士試験の合格率は10%ほどで、かなり低いんです・・・
なぜ低くなるのかというと、「問題そのものが難しい」からに他なりません。
行政書士の合格者数は試験を実施する側である程度調整していて、それに合わせて問題の難易度を変えてくるわけです。
そして、ここ10年ほどは試験自体の難易度がかなり高くなっています
難化する2つの要因
なぜ難しい状態が続いているのかというと、大きく2つの理由があると思われます
1つめは資格ブームで行政書士試験を受けようとする人が多くなっていることです。
不景気、コロナ禍・・・
こういった不安定な社会情勢の時には資格に注目が集まります
そしてもう1つが受験生の質です
各種予備校などで試験の対策がしっかりしていること、テキストの質が上がっていることにより、受験生全体のレベルが上がっていると言われています。
また、法科大学院の学生が力試しで受けることもあるようで、他の難関法律系試験の前哨戦として行政書士試験を受験する人も多く、このこともレベル上昇に拍車をかけています
記述式は調整弁!?
試験問題の難易度の上げ下げに加えて、記述式の採点が合格者数の人数調整に使われていると言われています
この記述式が行政書士試験では厄介な存在です
対策をしてもなかなか思うように点数が取れない、、、というか取らせるつもりないのかなというような問題も散見されます
択一式が難しすぎた時には記述式を緩く採点し、逆の場合には厳しく採点されると言われていて、実際にそういう印象は受けます。
行政書士試験に合格するためには
ネットでは「行政書士試験は簡単」みたいな意見も多いですし、予備校では比較的取りやすい資格として宣伝していたりもするのですが、決してそんなことはありません。
これまで述べてきたように、行政書士試験は特有の難しさがあって、近年ではそれが顕著になっているように思います
受験生の質のことを考えると、合格率以上に難しい試験であるともいえます
行政書士試験に合格するためにはまずこの現実をしっかり知っておくことが大切です。
生半可な学習で受かるような試験ではありません。
来年度からは試験科目が一部変更になるということで新しい対策も必要になってきます。
難しいとは言いましたが、しっかりと対策を立てて正しく努力すれば合格できる試験です。
難関資格に挑戦するんだという心構えをしっかり持って取り組んで欲しいと思います