映画『モノノ怪』が7月に公開ですな。
紆余曲折あってかなり待たされたけど、公開になってよかった。が、やっぱり櫻井さんがよかったなあ・・・しょうがないが。
スピンオフ小説が続々と出ており、ちょっと嬉しい。
これは短編の繋がりながら大きな物語になっていて面白かった!
戦国時代の九州のお話。九州の勢力図は全然わからないからイチから勉強することになりましたが・・・
玖珠郡の山間部に帆足郷という土地があり、帆足氏が小領主となって極小ながらも独立したムラを統治しています。玖珠郡をゆるくまとめているのが古後摂津守で、当主の娘に小梅という女性がいました。
小梅は女ながら常人離れした大きな体と武勇を持ち、戦ったら誰も敵わないため鬼御前とも言われています。でも体の見た目に似合わず、心は優しく女らしい乙女。
帆足氏と古後摂津守は険悪な関係なのですが、帆足の若君である鑑直と小梅は恋仲で、やっと双方の家に認めてもらって結婚することになりました。
その頃、九州最強の島津軍が勢力を伸ばして北上してくることになり、玖珠郡には島津の調略の手が伸びてきます。このまま独立を捨てて島津に併呑されるのか、それとも独立を守るために島津と戦うのか。
玖珠郡の者たちは選択を迫られ、離反する者が出るなど危機的状況となります。
そしてこの場にはいつも、どこから来たのかちゃっかりと薬売りさんがいるんですね。
薬売りさんがいるということは、モノノ怪がどこかにいる。
戦国の世での人間の争いや黒い感情がモノノ怪を生み、ドロドロといろんな愛憎が渦巻いている。
なるほど・・・未知の世界だったが色々と勉強になったぞ!鬼御前というのは実際にいた、っていうかそう呼ばれた女武将はいたのですね。
それにしても島津。
すごい最強軍団なのはわかったけど、けっこう弱き者や敗者に対して冷酷非道な振る舞いが描かれていて、本当だったら酷い奴らだぞ。まるっきり悪役なので、島津推しは怒りそうな気がする。
鬼御前と呼ばれる小梅は心清き人なのだけれど、正義感と勇気に溢れる行動がかえって他人を災厄に巻き込んだりして、そのことにショックを受け苦悩する様が心を打つ内容でした。
こういうドス黒いところに薬売りさんがいるのねー
薬売りさんが対決するモノノ怪はいつも人の情念が絡んでいる。ラスボスとなる人物は、実は・・・
っていう謎解きも面白かった!
いつものことなのだけど、薬売りさんは「形」「真」「理」の三つが明らかにならないと剣が抜けず戦えないのです。なので、危ない危ない、早くやっつけてアイツ!!って時にも、「いやまだ抜けない、理がわからないから」ってことがよくあり、だいぶ面倒なのです。
もどかしいね。
映画は櫻井さんに代わって神谷浩史さんになりました。まあまあ、これもアリかなと思います。
が、なんつうか・・・櫻井さんがボソッとしゃべる中の静かなドスみたいなのは、やっぱり唯一無二なんだよなー