瑕疵借り 奇妙な戸建て | あだちたろうのパラノイアな本棚

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読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

 

 

松岡圭祐さんやっぱり面白いなあ。ハズレないなあ。

こちら『瑕疵借り』はシリーズ2作目で、どうやら1作目からしてだいぶ売れていたらしいけど、それは読んだことなくて、この本で初めて知りましたわ。

 

こちら、「瑕疵借り」と呼ばれる職業(?)についている藤崎という男が主人公。

いわゆる事故物件には、入居者に対して瑕疵の説明責任があるので、嫌がられてなかなか借り手がつかないものです。ですが一度その物件に入居した人がいれば瑕疵はなくなり、説明責任はチャラになるという制度を利用して、わざと事故物件に住んで報酬をもらう人がいるとか。それが瑕疵借り。

 

これ、原田ひ香さんの『東京ロンダリング』でも同じような人が出てましたが実際にあるんですかね・・・?

小説の中では、そんなの都市伝説に過ぎない、といってましたけど。

 

 

事故物件にまつわるホラーな話かと思いきや、しっかりミステリーでした。藤崎が探偵役となります。

 

大切な飼い犬を探し当てたことで、偶然知り合いになった藤崎と瑕疵借り依頼人の秋枝。秋枝は、自分がローンで購入した千葉県八街市の一軒家に賃借人として住んでくれないかと指名で頼み込みます。

秋枝は妻と子供を事故で亡くして、傷心を癒すために田舎の静かな一軒家を中古で買ったのですが、近所に住むのは少し認知症気味のお年寄りばかり。彼らは新参者の秋枝に、殺人と死体遺棄の疑いをかけて、連日連夜「お前がやったんだろう」と責め立ててきます。

隣人たちのイジメにほとほと困り果て、秋枝は藤崎を頼ってきたのでした。

 

藤崎は物件に住むだけで余計な調査はしないつもりでしたが、異常なまでに攻撃的な隣人らをおかしく思い、真相を調査することになります。

 

前の住人が残していった不審な仏壇。

なぜか漂う線香の匂い。

たまに聞こえる女性の声。

夜、天井から聞こえる足音。

・・・

 

 

なんか千葉県八街市が辿ってきた特殊な事情とか書いてあって、コワーと思いました。大丈夫か八街市?八街だけに「やっちまったー」と言われるそうですな。(本当かどうかは知らない)

 

元から住んでいる年寄りどもの陰湿なイジメにイライラしながら読んでいました。・・・が、なんかどうもおかしいぞ?

 

いやー。この展開が、さすが松岡圭祐さん作品だと思いました。ホラーと思われる不可解な現象も、少しずつ少しずつ明らかになっていきます。

 

そして、藤崎、カッコイイぞ!!

 

ちょっぴり反社会的な組織に属しているみたいだし、昔やらかして刑罰を喰らったみたいだし、社会の片隅で生きる暗ーい冴えない奴かと思いきや。めっちゃ名探偵やん!

謎解き堪能できる一冊でした。

 

 

〜おまけ〜

 

今日も津川のブックカフェ風舟さんで読書だよー

いちごのテリーヌ、美味しかったラブラブ

 

 

マイ本棚をメンテナンス。

 

 

小林よしのりさんのゴーマニズム宣言。

天皇論・昭和天皇論はとても感銘を受けたのですが、その後はどうも思想的に合わなくなったので今は敬遠してますダウン

でもこの『昭和天皇論』は良い本だと思うよ!!