大河ドラマの本郷奏多さんが、あまりにクソ東宮役にハマっており、なんだか一大旋風を巻き起こしそうな気配・・・
こちらのシリーズを読んでみました。
富士見L文庫だと、ラノベになるのか?
まあ、今はラノベと一般小説の区別がつかなくなっているから、どちらでも良いのですが
特にティーンズ向けの内容ではなく、しっかり読ませる物語でした。
タイトル通り、平安時代の陰陽師のお話です。
有名な安倍晴明ではありません。
実は、安倍晴明の師匠にあたる、賀茂光栄のお話。
安倍晴明は幼少期からスピリチュアルな才能に恵まれていたけれど、いかんせん家格が低いので、なかなか活躍の場がない。なので晴明が有名になったのは壮年期以降であり、取り立ててやったのが彼の兄弟子、というか実質の師である賀茂光栄だそうだ。
賀茂光栄は安倍晴明よりも18歳も年下。賀茂家の麒麟児であるけれど、表に出ることを好まず、名を秘していたらしい。
これは賀茂光栄と、その幼馴染である中級貴族・藤原為頼とのコンビが遭遇するあやかしの物語です。
うーん
安倍晴明ファンの人が読んだら、ちょっとモヤッとするかもしれないです。(わたしはそれに近い)
晴明も出てきますが、あくまで光栄の弟子であり、光栄のことを「師匠」と呼んで忠実な部下です。なんかアゴで使われてるような感じもして、「晴明様はそんなヘナチョコじゃないぞ」と・・・
あとは光栄と為頼のイチャイチャしたような会話が「若いなぁ」って感想でした。
光栄のもとへ、というか大体はお人好し為頼のところに物の怪系のお困り事が持ち込まれ、光栄が陰陽師としての超能力と頭脳を使って解決に導きます。全部が物の怪というわけではなく、実は自然現象だったり、幽霊ではなく実在の人間の犯行だったり、解決方法はさまざまです。
時の権力者は、藤原師輔。
この人は藤原道長の祖父にあたるから、平安時代でも少し前の時期になるのか。師輔も実の兄である藤原実頼と兄弟間で熾烈な権力争いをした人でした。もう、藤原氏って
そんな藤原氏の栄華をブチ壊すことができるのは、もうあの人しかいないんだな!!
あの人とは・・・
菅原道真。
の怨霊。
個人的には、そんなに菅原道真を悪霊扱いすることないんじゃないかい?とかなり可哀想なのですけど、まぁとにかく地上最大級の怨霊であるわけなので・・・
陰陽寮を預かる賀茂家の光栄にとっても、末端とはいえ藤原一門である為頼にとっても、対決しなければならないラスボスなんですね。
他のキャラとしては、藤原師輔の娘であり、今上帝の中宮である安子さまがいい感じ。中宮安子さまは「見鬼の才」の持ち主で、この世ならざるモノが見えるのです。なので光栄らの協力者であり、とっても頼もしい女性なのです。
怨霊との戦いで、中宮さまがお住まいの藤壺が破壊されてしまい、なかなか激しい。大丈夫だったのかな?
この本はシリーズになっており続きが出ていますので、読み進めることにしました。さて次の怪異はどんな感じだろう。
〜おまけ〜
やっぱり元祖はコレですね!
平安モノで昔、胸をときめかせて読んだ作品。
『なんて素敵にジャパネスク』も良いが、わたしは『ざ・ちぇんじ!』も好きだ。
公達と姫がお互い入れ替わるというジェンダー要素とか、「奇しの恋」に落ちちゃう公達とか(今でいうBLですな)昔にしては時代を先取りしたところがあったんだなと今は思います。
しかも原典となった『とりかへばや物語』自体が、平安時代に作成された物語だという、驚愕の事実。