タイトルからして不穏ですけど、金田一耕助シリーズの最後の事件だそうですよ。
ひとまず上巻を読みましたが、長い長い物語です。正直、こんなに長くなくても良かったのでは?登場人物がたくさんいて、それぞれの生い立ちとか生活とかが説明されるので、自然と長くなります。
主要人物ならともかく、明らかにチョイ役だろうと思われる人物の説明も多く、「それもうどうでもいいワイ」という気になります。
でも待てよ?
実はこれが密かな伏線で、後からガッツリ回収される可能性もあるなあ・・・
と思うと、ちゃんと把握しておくに越したことはない。
上下巻で二部構成になっており、一つの因縁の事件が二世代にわたって継続されるという壮大なストーリーです。一部は昭和28年、二部は昭和48年が舞台となります。
まずは上巻、昭和28年の出来事。
因縁の発端は、法眼家という、幕末の医師から続く名家に起こります。タイトルに出てくる「病院坂」という名称は、坂道のところにこの一族が創業した法眼病院があることに由来します。
法眼家の複雑に絡み合った家族関係を説明すると小説並みに長くなっちゃうので省略。事件としては、法眼病院の跡取り息子の妾が、本宅のお嬢様にこっぴどく罵られたのを気に病んで、病院坂の法眼屋敷跡で縊死したことから始まります。
うん、まあ、気持ち悪い事件だなと思って読んでいたところ、それじゃ済まなかった。まだ事件は続きます。
出たよ生首が・・・
しかも風鈴に見立てて、長い髪を束ねて上から吊るし、ヒゲの先に短冊を下げてあるという趣味の悪さ。
これは「風鈴を撮影してほしい」という依頼を受けてこの廃屋に呼ばれた写真屋が発見した光景なのですけど、写真屋さんはびっくり仰天するも、依頼主の注文に応えなければならないというプロ根性を出して、この生首の写真を真面目に撮影してるんですね。
いや普通やらないだろ!警察呼べよ!
神経疑うわ!
この時撮られた写真が、のちの昭和48年の事件を引き起こすアイテムの一つになるという。そう来たか。
金田一耕助は、法眼家のゴッドマザー的存在・弥生とも交流があるし、生首を撮影した写真屋から調査依頼を受けているし、両方の秘密を握っている人物になります。
上巻で何気に活躍するのは「成城の先生」ですね。
これは時たまゲスト出演している横溝先生のことよね?
成城の先生ったら、今回は冒険心たっぷりでやたらアクティブ。単独で現場の調査に行き、結果的に金田一にヒントを与えるなんて、サービス精神旺盛です。(が、先生の出番はこれだけだった)
一旦昭和28年の事件は、モヤモヤが残りながらも終息しました。さて、これが20年後にどう再燃するのやら。
ここで下巻に続きます。
(長い・・・)
寒風に耐える鳥を見つけました。
モコッとして可愛いです。
なんだろう。トンビ?