ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる | あだちたろうのパラノイアな本棚

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読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

 

 

櫛木理宇さんの学園ホラーシリーズ。

何冊か出ているようなのですが、今回このシリーズは初めて読みました。

 

他作品の猟奇的でえげつない(?)ホラー・サスペンス作品に比べるとライトな感じで、ラブコメ要素あり。でもきっちり怖くて、面白いですね!

櫛木理宇さん作品はだいたい舞台が新潟だからなあ。このシリーズもそうだったのですね。上越とか下越とかの地名が出てくるし、冬の天候がそれっぽいし、高齢者が喋る口調がここらへんの方言でした。

 

なので、ここで起こる怪異は、もしかして近くのどっかで起こった話なんじゃないか・・・などと勘繰って余計に怖くなるのだドクロ

 

短編が三話あったのですが、三話目の『かどわかしの山』が怖かったです。神隠しの話。

 

山にピクニックデートに行ったカップルが行方不明になる。男の方はまもなく見つかりましたが、女の行方はわからないまま。男が女を殺害したのじゃないかという嫌疑がかけられますが証拠がなく釈放。ですが男はそれ以後、精神に異常をきたしまるで別人のような言動をとるようになる。・・・

 

話題として出てくるのが「AA=エイリアン・アブダクション」。1940年代50年代とかに世界的に流行った、宇宙人が地球人を誘拐して様々な実験をするやつ。

 

あとは遠野物語の「マヨイガ」と、幽霊船「メアリー・セレスト号事件」。

 

宇宙人の誘拐の話は、わたしは眉唾物だと思っておるのですが、メアリー・セレスト号の話は本当にゾクッとするガーン

神隠しも、種類的には似たものかと思いますが、昔から各地方にあるので、本当になんなんでしょうかねえ・・・

 

この話の神隠しの真相は、なかなかにホラーな話だった。オカルト的な意味でも、事件的な意味でも。

 

キーとなる人物の葬式で、棺桶の上に座る髪の長い女の姿が見える人には見えるんですけど、この光景がめっちゃ怖い!!この女、死者がまっとうに成仏しようとするところを邪魔しているらしい。祟られて死んで、死んだあとも復讐されるって何なん・・・怖すぎるわ。

けれど、それほど強い憎しみが生まれるのもわかる凄惨な事件があったのだ。

いやー!櫛木さんのえげつない筆致がこんなところに!

 

 

登場人物である「雪越大学オカルト研究部」のメンツが織りなすドタバタなラブコメがホッと一息つけますなあ〜

まあ、これくらいバランス取れている方が安心して読めるかなと思いました。

 

 

〜おまけ〜

 

『警視庁草紙』の最新刊、12巻。

 

 

今回一番好きなシーンがこれ。

藤田五郎(斎藤一)と、上司の加治木警部の間にだんだん絆が生まれてきたような気がするんだが?!

 

 

 

 

加治木警部は薩摩人なので、部下の旧”賊軍”(新選組、仙台藩士、京都見廻組)とは一線を画しております。

けれどこの部下たちはやることなすことハチャメチャで、可愛くなってきてるのだ(多分)。

 

 

 

次巻が最終巻になってしまうのか〜

 

ついに西南戦争!西郷をリスペクトする薩摩人・加治木警部はどうするんだろう。