ドラマ感想 年末時代劇スペシャル 白虎隊(後) | あだちたろうのパラノイアな本棚

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年末時代劇スペシャル、白虎隊の後編感想です。
 
これドラマもそうなんですけど、主題歌の良さも相まって評価の高い作品になったと思います。
堀内孝雄さんの「愛しき日々」です。
 
かたくなまでの ひとすじの道
愚か者だと 笑いますか
 
ひたすら夜を 飛ぶ流れ星
急ぐ命を 笑いますか
 
きまじめ過ぎた まっすぐな愛
不器用者と 笑いますか
 
歌も良いのだけど、詞が秀逸ですね。小椋佳さん天才。
これだけで泣けるわ〜
 
 
 
最初に登場するのは会津目指して攻め入る官軍、長州藩の世羅修蔵。
(それにしても、官軍が被っているこの白とか赤のフサフサは一体なんなんだろう)
 
 
いやー、泉谷しげるさんの悪役っぷりが堂に入ってる(笑
 
戦争というものは開戦の前に、必ず話し合いがあります。
会津藩としても朝廷には恭順の意向を示し、仙台藩と米沢藩による会津救済の嘆願書を出して交渉に臨んだのに、こいつが何やかやとイチャモンつけて粗暴な態度を取ります。
 
こいつ
マジ許さん
たたっ斬ったれ💢
 
・・・まあ、その通り、闇討ちに遭って斬られちゃった。
が、この世羅暗殺が和睦の道を閉ざし、開戦の理由になっちゃいました。
 
続々と会津入りする兵の中に、新選組の生き残りが。
 
 
 
新選組は、会津の若者達に大人気。
白虎隊の若者達が駆け寄り、
「新選組だ」
「土方さんだ」
と目をキラキラさせている。
そりゃーカッコいいですもんねえ。
 
でも実際は、この時は土方さんは前の戦いで負傷していて、斎藤一(山口次郎)さんが新選組の指揮をとっていたんだがな〜
 
不思議なことにこのドラマでは、斎藤さんはいっこうに出てきません。ドラマが撮られた頃って有名じゃなかったのかな…?
 
一説によると、新選組を率いる斎藤さんに若者達が「土方さんですか」と尋ねたところ、わざわざ否定するよりそういう事にしておこうと、斎藤さんがあえて何も言わずにいたとか。
 
 
ところ変わって、会津の前に戦いがあった二本松藩。
土佐藩の板垣退助が、壮絶な光景を目にします。
 
(あおい輝彦さんイケメンですね〜)
 
 
そこは年端もいかない少年達の死屍累々。
 
二本松少年隊といいまして、白虎隊よりもさらに年少の、最年少で12歳(満年齢で)の子供達も戦ったとのこと。
 
なんて痛ましい・・・
あまりの酷さに、官軍側も戦慄。
 
 
会津藩でも、従軍はしないけれど、少年たちが城の守りにつきます。彼らも官軍の砲弾攻撃により命を落とす。うう…
 
 
負け戦の中、会津家老たちも次々と覚悟を決める。
 
このシーンが
すごいんですよ〜!
 
家老の田中土佐と神保内蔵助が、燃え盛る屋敷の中で自害するシーンなんですけど、しみじみと数分間語り合いながら、この炎がだんだん大きくなっていくんです。黒いススみたいなのも、時たまヒラヒラと飛んでいきます。
 
つまり、これ本当にそこら辺燃やしてるよね?と。
 
危ないし、
NG無しの一発勝負よね
コレ?
 
もちろん安全には配慮をしてるんでしょうけど、このあと切腹の瞬間にはもう一面炎で、何も見えなくなってるんです。
すごい迫力だった。
 
 
 
悲惨なシーンは続きます。
 
西郷頼母の一家は、敵に辱めを受けるよりはと、幼い長男だけ逃して女たちが全員自害します。
 
官軍が到着した時に一人だけ死にきれずにいたのですが、とどめを刺してくれと嘆願され、その通りにしてあげる。
 
これ現在も、会津武家屋敷で人形が再現している「自刃の間」という展示がありますがなかなかトラウマものです。
 
 
白虎隊の話に戻ります。
攻撃を受け負傷し、当初の人数の半分になった白虎隊は、飯盛山から鶴ヶ城が燃えるのを目にして(実は違うとこが燃えてるという勘違い)全員が自刃。
 
しかし飯沼貞吉だけが死にきれず、使用人に介抱されて命を取り留める。
 
意識を取り戻してから
「死なせてくれえー」
と泣き叫びますが、気持ち的にはそうでしょうね・・・
が、彼のおかげで、悲劇の全貌が明らかになり語り継がれる。
生きててくれてありがとうだよ!
 
 
中野竹子、山本八重など女達も戦う。
 
 
最後のあたりでいきなり出てくるのが山川大蔵(山川浩)なんですけど、この人と、鬼と呼ばれる佐川官兵衛は、明治の世でも活躍する方なので、ちょくちょく他の作品でも見かけます。
この人は智謀の人ですね。
 
 
ラストで西郷頼母は松平容保から孝明帝から拝領したご宸翰を預かり、城を脱出。
その後は箱館戦争に加わったらしいですが、知らなかったな・・・というか、全然有名じゃないな。
 
 
どうも西郷頼母は、切腹するー言うてみたり、徹底抗戦だー言うてみたり、どう導いて行きたいのか、よくわからない感じです。
もうちょいお殿様との関係性がよければ違う方向に行ったのでしょうけど、容保公がイライラする理由もわかるなー。
 
後編は鬱シーンばかりで気が滅入りますが、俳優さん達の熱演はとにかくすごい。
 
終幕に堀内孝雄さんの「愛しき日々」を聞きながら
 
大・号・泣
 
新潟に帰ったら、またドライブして会津に行ってくることにします。
 
 
これは昨年の訪問時に撮影。
この奥に、トラウマ級の自刃の間が…