ミカエルの鼓動 | あだちたろうのパラノイアな本棚

あだちたろうのパラノイアな本棚

読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

今日から読書週間だそうです。
 
ブログスタンプが「読書の日」かと思ったら違ったぞ?
(あの○○の日っていう出処は謎である)
 
 
さて今日の本。
 
柚月裕子さんといえば、先日読んだ「短編ホテル」の『サンセールホテル』を書いた方で、ドラマ仕立ての物語にわたしはつい
 
姉さん事件です
 
と、懐かしのフレーズを口走ってしまいました。
 
この方の書く作品は、どこかドラマ仕立てっぽいのかな〜
 
振り返れば奴がいる
 
今回はこんな懐かしのドラマ作品を思い出しながら読んでいました。主題歌のYAH YAH YAHも、懐かしいですね。
 
医療モノです。
二人の天才医師がライバル関係で、外科医としてのお互いのプライドをかけてバチバチさせます。
 
タイトルにある「ミカエル」というのは、手術支援ロボットの製品名で、主人公である西條は、大学病院の有能な心臓外科医でありミカエル手術の第一人者です。
体に開けた小さな穴からミカエルのアームを入れ、医師は別の部屋から高画質な3D内視鏡カメラの映像を見ながら手術を行います。心臓手術の場合、胸を開けて胸骨を削り患部までたどり着くよりも患者の体の負担が少なく、短時間で手術をこなせるという優れモノ。しかも別部屋からの操作なので、医師の着替えや消毒の時間も省けるのです。
 
ライバルとなるのは、世界的にも有名なドイツの心臓専門病院で勤務し、帰国したばかりの真木です。国内では誰にも真似できないような正確無比で超ハイスピードの手術ができる天才外科医が、西條のいる大学病院に赴任してきました。
 
ミカエルを使ったロボット手術で、日本の医療の最先端にいて病院の将来を担う自負のあった西條は、真木の出現で心穏やかではない。
その状況下、心臓に難しい病気を抱えた少年が大学病院に転院してきて、その治療法を巡り西條と真木が激しく対立し…
 
そもそもミカエルの強力な支援者であった病院長が、真木が来た頃から何となく様子がおかしい。まるで手の平を返したかのようなよそよそしい態度を、西條はいぶかしく思います。
その矢先、西條を尊敬しミカエル手術を専門に行っていた後輩医師が謎の死を遂げます。
 
ガーッと書いちゃいましたけど、ここから背後に隠されているミカエルの秘密が明らかになってゆくわけです。
 
ミカエルは…
「あれは人を救う天使じゃない。偽物だ。偽天使だ。」
怪しげなライターが西條に言った言葉。
 
いや〜
ハラハラドキドキしながら
読んだ!
 
医療専門用語などたくさん出てきますが、丁寧に説明がされているし、話の筋を理解するのにはあまり専門的でなくても問題ないです。
やっぱりドラマ仕立てだな〜
登場人物の怪しい態度とか、秘められた過去とか、ところどころ盛り上がりポイントがあるので飽きずに読める感じ。
そのかわり、いささか大げさかもなーという描写はありますけど。例えば西條を追いかけようとした女がその場で転んで倒れ、嗚咽交じりに叫ぶところとかね。こんな場面、いかにもドラマにありそうだわ。
 
西條も真木も、プライドが高くてこだわりが強い人物ですけど、悪人じゃないので、こいつめ…みたいな憎らしさはないです。その辺がストレスなく読めて良かったです。
 
じゃ、悪人はいたのか?誰なのか?と考えると……
皆それぞれの立場で大切なものを守るため、必死だったのかなぁと思います。しょうがないかなあ。
 
ロボット手術。実際にあるのでしょうけれど、絶対の信頼をおけないとしたら怖いですね。じゃ人間の手で執刀するのが絶対の信頼を置けるかどうかというと、それも怪しいですが。
 
外科医って大変なお仕事ですね〜
とても仁術を施せと軽々しくは言えない、過酷なお仕事でした。
医療従事者の方、お疲れ様でございます。
 
 
 
セブンイレブンのハロウィンお菓子、もちっとどらかぼちゃプリン&ホイップです。
皮が本当にモチモチ!!
全体的に全然甘くなかったです。もうちょっと甘くても良かったかなー。