鬼人幻燈抄 明治編 君を想う | あだちたろうのパラノイアな本棚

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読書感想文、映画感想、日々のつぶやきなどなど。ジャンルにこだわりはありませんが、何故かスリルショックサスペンスが多め。

困ったことになったぞ。


本が溜まってしまいました。


6月は追っかけてるシリーズの新刊オンパレード〜そして、それ目当てに本屋さんに行ったらアレもコレもと目移りして、集めすぎてしまいました。現在、うず高く積まれてございます。


休み欲しい…GWみたいな豪華な休み欲しい…


ネットも便利だけど、本屋さんは良いです。

楽しい。



これも追っかけてるシリーズの新刊です。

いつの間にか、7巻目まで来ました。

※以下、とてもネタバレしてます



人から鬼になった兄と妹が、お互いに執着しつつ憎みつつ、長い時をかけて闘い合うというストーリーです。

主人公は兄のほうの甚夜といいます。

倒した鬼を喰うことで、その能力を自分に取り込むことができるので、今やめっぽう強い。

鬼ですが人間世界で暮らしていて、人に仇なす怪異を斬るので、人間のほうの味方になってます。


今回は甚夜が親しい人と別れる事件が続き、ひとつのターニングポイントとなりました。


別れの一つは、長く一緒に闘ってきた親友、秋津染五郎さん。


ショックでした…

染五郎さん好きだったのに。


コテコテの関西弁で飄々と明るく、甚夜の頑なな心をほどいた存在でした。

染五郎は付喪神使いで、犬神とか張子の虎とか鬼の大男とかを使役して闘います。


もうお年ですから、体力に限界があり…

甚夜は鬼なので歳を取らないのですが、周りの人間は歳をとっていき、気づけば染五郎さんも老人でした。

染五郎さんは息を引き取る寸前、弟子の平吉に染五郎の名を託し、平吉は四代目染五郎と相成ります。


もう一つの別れは、甚夜の養女である野茉莉です。男手ひとつで育てた最愛の娘でしたが、敵なる鬼神・マガツメの策により、甚夜に関する記憶を無くすという術にかけられます。


もともと野茉莉は人間の娘なので、見た目はもう父の甚夜を追い越して立派な成人女性になっており、行く末を案じていたところでもあったので、甚夜はこのまま別離の選択をしました。


親しくしていたほかの近所の人々からも記憶を消されてしまったので、人間世界で築き上げてきた交友関係の一切を白紙に戻されて、甚夜はまた独りぼっちに戻った状態。


なぜこんなことをされたかというと、マガツメ(もともとは甚夜の妹)が、

「わたしだけを憎んで、わたしだけを見て」

という執着から起こっています。


歪んだ感情です。


この歪んだ感情、本文でことのほか詳しく描写されているので、要はもう大好きでしょうがないのねというのがよく分かります。



それから、この巻では、この愛憎関係を形成した発端でもある、甚夜の昔の恋人、白雪(の幻影)とも再会しました。


ただね…


これはシリーズ初回感想にも書いたかもしれませんが、わたしこのヒロインが好きになれなくて。


白雪は村の巫女なのですが、およそ巫女らしからぬ軽ーい女に見えまして。


もともと、甚夜は巫女を守る護衛役として剣を持たされた存在でした。

口に出さずとも二人はお互い好き合っていましたが、白雪は、あろうことか別の護衛役である男と婚約をします。


いやいや、ここまではヨシとする。


江戸時代の伝統ある村なので、巫女として相応しい婚礼のあげ方はあるでしょう。


問題はここから。


白雪はある日甚夜を呼び出し、二人でお忍びデートみたいなことをしたあと、別の男との婚約の決意を甚夜に打ち明けました。

「でも、わたしはアナタをずっと好きだった」

という言葉も添えて。


言うなよ!!

それは、

墓場まで持っていけェ!!


というのがわたしの持論です。

これを最後にお別れというならまだわかりますが、甚夜は巫女の護衛役ですから。

これからもずっと顔を合わせる関係です。

こんなん言われた男は未練タラタラでしょうよ。


世界はそれを

フタマタと呼ぶんだぜ


ちなみに、この事実を知った甚夜の妹・鈴音が激怒し、白雪を惨殺し、首を切って持ち去ったというのがそもそもの愛憎関係の始まり。

鈴音は、白雪のことを「あの売女」呼ばわりしています。


当然だろう。


なので、少しマガツメ様(鬼に変化した鈴音)に同情的なわたしなのでした。





札幌の熊騒動、怪我人も出たそうで。怖いニュースでした。

映像見たらかなりでかいクマだったし!!


これは夫が地元で山歩きをした時に見つけたという、熊のツメあと。


怖いです。