元騎手・元調教師の田原成貴が逮捕された。
現役騎手時代の彼を見た身としては、悲しいものがある。
よもや、こんな転落人生を送ろうとは……。
麻薬や銃刀法違反での問題やら、調教師時代の奇行は聞き及んでいた。
華やかな表舞台から、なぜここまで落ちていったのだろうか。
落馬による負傷が彼の人生を狂わせたのかも知れない。
負傷が無ければ、もっと騎手として現役で活躍できていただろうに。
武豊の台頭ももっと遅かったろうに、とも考えられる。
だが、言い方は悪いが、彼は挫折に負けたのだろうと思う。
思うように競馬ができない悲しさを味わっていたのは本人自身かもしれない。
だが、トウカイテイオー復活劇や、マヤノトップガンの強さは田原騎手があってこそだった。
それを忘れる競馬ファンは居まい。
安田康彦という騎手がいた。
メイショウドトウという馬を駆り、最強とうたわれたテイエムオペラオーに唯一歯向かった。
テイエムオペラオーを語るときに必ず共に語られる名馬だ。
その背にあった彼も騎手を辞めた後に、暴行事件で転落人生を歩んでいる。
騎手と馬は一体だ。
名馬の背には騎手が居る。
だからこそ、ファンは馬の名と共に騎手の名を記憶する。
名馬を思う出す時、そこに騎手の姿がある。
その時、応援し、追いかけ、愛した、その名馬の騎手は、やはり輝いていて欲しい。
それはファンの願いであるはずだ。
個人的主観で言えば、私は、テイオーやトップガンを見てきたが、強い思い入れは無い。
だが、あの時晴れやかな舞台で一緒に輝いていた騎手のこんな姿は見たくない。
馬の栄光も消してしまうのではないかと悲しくなる。
そこに関わった全てが、栄光の元にあって欲しい。
競馬とは、人と馬と歴史と血によって織り成すドラマの結晶なのだから。
競馬ファンは贅沢なのだろうか、でもやはり悲しい出来事だと思う。
