治療が始まる。
物々しいチューブ類やいろんな機械に繋がって...
自由になるのはナースコールを持った左手だけ
元々麻痺がある右腕は、もしものための血管確保がされてある。
...この点滴が
私を殺して、もう1回生き返らせてくれるんやな...
ぼんやり落ちてゆくのを眺める。
これを何回やったらいいんやろ
何回死んで、何回生き返るんやろ…
ちゃんと全部生き返ることが出来んのかなぁ…
途中で心臓が止まったり、臓器が持たなかったら
そのまま臓器不全で死ぬのか。
思った通りの薬は、2時間あまりで私の身体に入った。
抗生物質が効いている3日間くらいは
まったくなんのツラさも痛みもなく...
こんな治療なら特に気にしなくても続けられる。
...と呑気なことを思っていた。
地獄が始まったのは4日目を過ぎた辺りから
焼け串でえぐられているような患部の痛みと...
口の中、鼻や粘膜からの出血。
激しい下痢と吐き気...
口の中は常に出血していて、味覚がわからない。
熱は常に37度後半をうろうろしている。
熱のせいで身体の節々が痛む
ほぼ寝たきりの2週間……
やっと粘膜の腫れが収まりはじめ、食事が取れるようになると
今度は砒素でも飲んだように、髪が束で抜け始める…
鏡に映る自分は、まるで皿屋敷の老婆のようだ
...さすがにメンタルは崩壊していて、死にたいと思った。
病気なのは身体‼️心じゃない‼️
負けないで…
...この言葉を私にかけてくれたのは
2007年の事故の後、右半身が動かないってわかった時に
泣きながら電話した中之島の心療内科の先生
先生は…偉大な心臓外科のお父様に反抗して
医者にはならず…
学校の化学の教職につきながら、やっぱり何か違う...
そこから内科医になって、心療内科って科が出来るきっかけになった人。
先生の著書には「病は気から」って本がある。
その先生の一言が...
今の私を救ってくれてる。
辛くても、弱音を吐かない
死にたくなっても、笑っていよう
何事もないように…しんどいのは私。周りや家族じゃない。
痛みや辛さは…言葉や態度に出してしまえば伝染する
投薬から3週間過ぎると、少し楽になる...
そしてまた...次の投薬が始まる...
...何度死に...何度生き返ったら…終わりが来るんだろう。
患者さんが投薬を拒む理由は…これに耐えきれないから…
どうせ痛くてしんどいなら、1回だけ死ぬ時だけでいいって思ってる
...でもわかったんだ
私には、まだ残していけないものがあるって…
このままじゃ順番抜かしで、先に行った父に「頑張って生きたな」って
あの懐かしい大きな手のひらで、頭を撫でて貰えないって事も...
弱音を吐けば、絶対に楽になんかならない
周りのみんなを巻き込む。
私の本当に痛くて辛い事なんて、例え医者でも理解できない
...みんなの辛そうな顔を見て「言わなきゃ良かった」って思うくらいなら
全部抑え込んで、笑える自信がある。
今だって...
猫と遊ぶ旦那さんと何食わぬ顔で、音楽の話をしている。
口の中にはどんどん血が溜まってきているのに...
口を手で隠すフリして...
ティッシュに吸わせて、手の中で握り...傍に引き寄せてあるゴミ箱に捨てる。
...マジシャンで言うところのパームという技術...
我ながらプロ並みのいい仕事してると思う
ツアーの最中には鼻血に悩まされた。すぐに止まるのだが、突然襲ってくるから怖い
真っ暗な物販ではあまり人目につかない。そっと拭うことも出来た。
黒いマスクが幸いして...大事に至らずに済んだ...
車の移動中はサービスエリアで何度も替えて...何食わぬ顔でみんなの元に帰る
10枚パックなんかあっという間に使い切った。
...何のために事故の辛い経験したと思ってんだよ
今更...多少の身体の痛みや異変でヒヨってんじゃねぇよ
あん時の絶望と自分の中の闇に比べたら
こんなもんただの胃腸炎、インフルエンザ、ストレス性の脱毛よ
どこを取っても5種で緊急性のないもの
1秒でも長く生きてやる。
それが私のLast will(遺書)だ
万一...召された時は…
ありがとう
みんな
愛してたよって
...そう伝えてね。
このアカウントを開けられるのは、たったひとりだから
私の名義のすべてを託します。