エアコンのオバケ | 「意識低い系」より「高い系」

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書籍化のスカウト待ってま~す♡ノンフィクションライターが書いているフィクションって言いたくなる物語

 暑い、暑い、部屋に戻るとエアコンのスイッチを押した。
 テレビをつけた。
 冷やしていたカルピスを飲む。
 汗がボタボタ流れる。
 タオルを風呂場から持ってきて汗を拭き拭き、もう一杯カルピスを飲む。
 はぁ~、
 フレンチを食べる人って、話の内容も高級なんだわ……。会話を高級にしたら、少しは畑仕事から逃れられるかしら・・・・・。プランターに植えたバジル。次々と花を咲かせている。
 でも、食用のバジルにするなら花を咲かせてはいけない。
 香りが落ちるから……。
 って聞いたことがあった。増やすならタネを作るには花を咲かせなくちゃね。
 

 キラキラ光るミニトマト、カーテンのようにツタを絡めたゴーヤがだんだん大きくなってきた。
 いくつかミニトマトを採取してテレビを見ていると、
 「ん?エアコン、壊れてる?」
 なんだか部屋の温度がおかしい気がする。
 エアコンの近くまで行って、スイッチをつけたり消したりしてみると、なんだか暖かい風が出ている。この期に及んでエアコンが壊れた?
 

 トイレに行くと、犬の毛玉や綿ゴミがすごく大量に発生している。
 「でたな、オバケ・・・・・・」
 負けまい、負けまい、勝つまで掃除!
 綿ゴミをゴミ箱に捨て、トイレ用のウエットティッシュで拭き掃除。
 戻ると、また大量の毛玉と綿ゴミがトイレにたまっていた。
 「ぎゃあああ」
 発狂しない、発狂しない、落ちつけ、落ちつけ、
 暑さでイライラするけど、ウーは掃除してもまた発生する埃、綿ゴミ、毛玉を根気よく掃除し続けた。カルピスに入れた氷がとけて、白と透明の層ができるまで掃除し続けると、エアコンは気持ちいい風を送ってくれた。
 「トイレ掃除したら、エアコンも治るお化け屋敷」
 ぜんぜん理解できないけど、考えたら怖くて泣きたくなるけど、女の一人暮らしはこんなオバケに屈してるようじゃ、旦那自慢のタレントに小馬鹿にされて、ますますむかつく暮らしになるんだから!

 ウーは、子もちの旦那自慢の女がキライになった。