工業用素材にすれば良い？～しかし衣類には？
今から４０年程前位から、あらゆる生活用品の中にメジャ－に使われ出した、「ポリウレタン」。
化学を専門にする人なら、一般的な製造方法や特性などご存じだと思います。私も高校生の時以来ですので何となくしかボヤ－としか覚えていません。
改めて勉強する気はほぼありませんが、「ナイロン」、「ポリエチレン」、「ポリプロピレン」、「ポリスチレン」、「レ－ヨン」、「合成ゴム」、「ビニ－ル」などの製造原理と化学構造など勉強した事、微かに覚えています。大学受験の際に勉強したのが最後でしょうか（笑）。
その中で今日は「ポリウレタン」の話。
グリコ－ル（二価のアルコ－ル基）を主とするポリオ－ル（多価）と、ジイソシアネ－ト（２官能基）の縮重合によって製造する物ですが、ポリオ－ルの種類などで色々な形態の製品が出来る物です。
さて前段はそのぐらいにして、製品化された初期の頃は材質も悪く、安定しなかった製品である事を覚えています。
子供が小学生の頃に、今の職場（大阪）に転勤になった私ですが、その頃から最寄りの駅まで自転車又は原付で通う事になりました（ある怪我をした後は、バス通勤に変更）。
その際どうしても雨に遭う事が多くなり、雨合羽を必要とした際、どうせ長く使うならビニ－ルの様な安物はやめて、少々高いけど「蒸れを押さえ軽く丈夫」と謳われた、高いレインス－ツを購入。
最初は快適だったのですが、一年しないうちに素材の裏面にコ－ティングしてあった「ポリウレタン（ＰＵ）樹脂が剥離、また縫い目のシ－リング付近に亀裂が入り、結局防水性が低下。
呆気なくダメになってしまいました。結局雨の日に何回着ただろう？？。そんな勿体無い思いをした記憶がありました。今ではそこまで質が悪くないと思いますが、今から思えばあれは国産では無かったのかも・・・。そんな事さえ思いました。
ポリウレタン自体は優れた伸縮性がある事と、カルボキシル基（-ＣＯＯＨ）を加える事で繊維以外の硬材にもなります。発泡樹脂を加えるとウレタン樹脂となり緩衝材などにも使用されるのですが、それとは反対に欠点が多くあります。
それこそどれだけ丁寧に扱っていても、空気中の水分や、衣類の場合はかいた汗、水蒸気などで加水分解が起こり、素材の持つ柔軟性や伸縮性が失われ、見た目のひび割れが起こったり、剥離したり・・・・。
勿論前述のレインス－ツも濡れたら直ぐに乾燥させ、畳んで袋に入れていたのですが、やっぱりダメでした。これは一つの例でしたが、もっと酷い経験もしています。
まだ若かった頃に、その当時特に女性のアパレル界で一気に流行り、一気に消えて行った、このポリウレタンの光沢性を利用した衣類である、「合皮ジャケット」や、「合皮コ－ト」。覚えがありませんか？。
テクノ・・・・と言うともう死語でしょうけれど、メタル的な光沢衣装が流行った頃の名残でしょうか、一見ビニ－ルコ－ティングしているかの様に見えるジャケットやコ－ト。少なからずユニセックスで衣類はありました。
そんな衣類を私も少なからず持っていたのですが、仕事で着る事は勿論無く、仕事以外でも殆ど着る事が無く、結局は押し入れの肥やしになっていました。数年後に衣類の整理をしようと畳んで収納していた、そんな衣類を出したら・・・・・。
酷い事になっていました。畳んでいた事で、表面のポリウレタンが溶けて引っ付き、剥がそうとするとコ－ティング自体も剥がれ、手はベトベト。しかも他の衣類に溶け出した粘性物質が接着着色し・・・・それも使用出来なくなってしまいました。
要するに劣化して溶け、どうしようも無い事になっていました。最悪でした。
それだけではありません。安物ブ－ツが皺が起こりやすい部分から見る見る剥がれ、ワンシ－ズンでダメになったり・・・・・。
私はポリウレタンという素材で、結構苦労・損をした気がします。前述のレインス－ツの様に軽く通気性があって便利・・・・では無く、直ぐにダメになる表向き良さげな素材・・・・。ソウとしか言えない代物だと確信しました。
若き後輩に聞くと、衣類だけの話で恐縮ですが、例えば女性の下着に良く使用されているとの事で、特にパンスト（パンティ－ストッキング）やガ－ドル、ボディ－ス－ツなどの伸縮性を必要とする衣類も意外と早くダメになるとの事。その理由にはナイロンに加えられたポリウレタンの配合比率に因るとの事（化学関係出身者の後輩）。
なるほど・・・・と頷いてしまいました。
昭和４０年代頃迄は、伸縮性を必要とする素材は多くが「ゴム」でした。それを補う様に色々な衣類の場で使われ出した「ポリウレタン」。プラスティックの分類から言うと、ゴムの一種とも言われるポリウレタン。
今後はもう少し、いやまだまだ素材は良くなるのでしょうか？？。
私はポリウレタン素材に良いイメ－ジを持っていません・・・・・。
りんごいちご
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