集合し咲く様はとても綺麗で見応えありますが

 

 

 

今では日本の広範囲な温暖地域に、特に宅地開発や埋立地、造成地、河原・・・・あらゆる所で発見されるこの草本。一見して直ぐ「キク科の多年草」と判ります。

 

実は特定外来生物(2006年に制定)であり、自宅に植えたり、持ち帰って育てたり、意図的に繁殖させたりすると、法令により罰せられます。

 

キク科キオン属の「ナルトサワギク」。恐らく何処かで見かけた事のある植物だと思います。そもそも外来種であり、南アフリカやマダガスカル島に多く生存する植物ですが、日本に渡来したのはアメリカからだと推測される・・・・と書かれています。いわゆる帰化植物です。

 

草本そのものは、高さが15cm 前後にしかならない小型の草本ですが、荒れ地など周りに多く発育し、また集合して咲く事から、特に他の植物が生育していない場所では、黄色い花が極めてよく目立ちます。

 

Senecio madagascariensis

 

学名はマダガスカル原産である事から付けられた様です。温暖な気候を好む事から、最初に発見された徳島県より、今では北海道・東北以外の寒冷地でも、夏期に観られる事があります。

 

花期は一年中とされていますが、寒冷な地では夏期が開花期となります。タンポポなどと同様に、開花後には種子が風に乗って遠方にまで運ばれ、繁殖した物と思われます。

 

そもそも、造園に使われる土や干拓地に運ばれる土壌中に、この種子が多く含まれている事があり、それが国内の多くの地に繁殖した理由と考えられています。

 

しかしこの植物の問題点は、他のキオン属(黄苑属)やヒレハリソウ等と同様に、アルカロイドを全草に含むので、家畜を飼育する牧場などでは大きな問題になります。このアルカロイドは「ピロリジンアルカロイド」(強力な肝毒性)であり、家畜などが中毒死する事があるので、要注意の植物です。

 

 

また繁殖する理由にはもう一つあって、植物群落状、「他感作用」(アレロパシ-)があるので、この草本が多くまたは広域に発育すると、他の植物の発育が抑えられたり、特定のバクテリアが多く誘発されたりする事があるのです。生態系にとっても問題のある植物でもあるのです。

 

なので拡散をさせない様にする為には、花期を迎える前に完全に根まで取りきらないと、あっという間に種子で繁殖します。現在の国内での繁殖が最も多いのが、徳島県や和歌山県、大阪府、兵庫県、香川県等となっています。

 

いやはや、見た目が綺麗な事と、集合して発育する事などから、庭に植えたりしている方もおられる様ですが、前述の様に「特定外来生物」ですから、駆除しなくてはいけない・・・・事になります。気をつけましょう~~。

 

 

 

 

リンゴりんごいちごいちご

 

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