木曾街道沿いに慶長の歴史と歓喜の鐘を見た

 

 

 

中部地域の寺院を訪れるのは久しぶりだったのですが、余りにも天気が良い土曜休の午前中、名古屋市内北部にある寺院を訪れました。

 

「久國寺(久国寺)」さんです。山号を「天長山」と称すこの寺院は、曹洞宗の寺院です。

 

 

場所は、名鉄瀬戸線の「清水駅」か、「尼ヶ坂駅」のどちらから歩いてもほぼ7~8分で歩けます。清水駅を出て北側になだらかなカ-ブを描く「木曾街道」を歩いて行くと、右前に大きなお堂の屋根が見えれば、そこです。

 

名古屋市内中心部ではありますが、この11月の末日には、まだ紅葉は始まったばかりの様に見えました。境内には何本かのモミジの木がありましたが、涼しい秋風に揺れていました。見頃は12月初旬の様です。

 

さてこの寺院、比較的マイナ-な寺院ですが、地元で愛される寺院として、旧街道沿いにある由緒あるお寺さん・・・・です。

 

 

歴史的な所を見てみると、まず寺伝によると、慶長年間(1596~1615)に、紀州・松平家の菩提寺である「法蔵寺」から、徳川家康の守護仏を貰い受けた長国守養が、「楠山久国寺」を創建したが、その後の寛文3年(1662)には、安祥長盛和尚が現在地に移設し、これをもって名古屋城の鬼門除けとしたのが起源。

 

現在の山号である天長山とは、この時に名古屋城・本丸の「天長峰」の名を借り、改めた物と伝えられている。

 

この寺院のもう一つの気になっていた物は、下写真でもお判りの様に形状の面白い「梵鐘」。

 

これも「アイチカンジル LET'S GO! あいち ア-カイブ」によると、岡本太郎氏による昭和40年(1965)作の物らしいです。梵鐘上部には沢山の角やトゲが出た様な形状があり、これは曼荼羅をイメ-ジした物と言う事です。大晦日に突かれる鐘の音が実に気になります。

 

岡本太郎さんらしい作品と誰もが感じるでしょう。折しもその頃はちょうど万博があった頃。いわゆる「太陽の塔」の頃にあたります。この梵鐘は、「歓喜の鐘」と呼ばれている様で、当時の住職が岡本太郎氏に依頼して作成した物らしいです。ミニチュア試作品は「岡本太郎記念館」にも安置されているとの事です。

 

 

またこの寺院は、尾張三十三観音霊場の第29番札所でもあり、私もしっかりと御朱印を戴きました。

 

地域の方が一人、お参りに見えていましたがそれ以外は、しばらく滞在していた私のみ。市内中心部とは言え、この界隈は全くの住宅街。本当に静かな寺院でした。

 

久しぶりにゆっくりした時間を、街中の寺院でしたが、静けさの中でゆっくり秋が深まってゆく雰囲気を味わいました~~。

 

 

 

「天長山・久國寺」

〒462-0837 名古屋市北区大杉三丁目2-27

TEL 052-981-1252

境内拝観自由、無料、御朱印は開門時間内に本堂横で自ら朱印する、駐車場40台

 

 

 

 

 

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