いくら乾物とは言え古過ぎると食は無謀・迷惑
 
 
 
いやいや、ちょっと失敗しました(笑)。
 
「乾物」を甘く見てました。高野豆腐は栄養価の濃縮された乾物の女王、そして保存食なのです。
 
しかしその真髄を知らずして利用するのは、少々情けない。今回私は職場において、実に情け無い思いをし、また皆に相当の迷惑を掛けてしまった事例をご報告します(笑)。
 
 
もっとも、そんな事は当たり前でしょうと言われれば、それで話は終わりなのですが、知らなかった私は実に不甲斐ない気分です。
 
そもそもこの話の根源は、数年前のダイエット飲食をしていた頃の事に発します。
 
栄養はちゃんと摂った上で、カロリ-制限をしたかった時、野菜や植物性蛋白を積極的に摂るべく、あれこれ食材を考えて職場で調理し昼食を摂っていました。
 
しかし段々その頃に、食材のマンネリ化を感じていた私は、何か他に低カロリーで栄養価の高い食材は無いかと、色々思いあぐねていました。
 
そんなある日、百均ロ-ソンで見つけたのが、「バリュ-高野豆腐」。
 
高野豆腐は要するに乾燥豆腐。豆腐の栄養分を凝縮させた高栄養・低カロリ-のヘルシ-食材です。これを食べない訳は無い。そう飛びついた迄は良かったのです。
 
購入して直ぐにでも食べれば良かったのですが、職場の食材庫(ダンボ-ル箱)に保存している色々雑多な食材や野菜などと共に保存しているうちに、それ自体がある事すら忘れ、ダンボ-ル箱の底の方になったまま忘れ去っていました。
 
それを先日、箱を整理して食材確認した際、見つけたのです。
 
期限を見た所、2017年8月迄となっていました。要するに2年以上経過していた訳です。しかし袋自体はほぼ密閉ですし、開封していない乾物だからと勝手に大丈夫と判断。
 
それの半分量を、朝に職場に着いた際、湯戻ししおきました。でもその際に少し思ったのが、熱湯に漬けた際、やや変質した様な臭いがしましたが、まあこれは乾物特有のニオイだろうと、昼食時までそのまま放置しました。
 
さて昼食時になって、その戻した高野豆腐を小さく切って煮ようとしたのですが、これが異様に堅く、戻った感じがしていない上、包丁で切ろうとするとまるでゴムを切るみたいに堅く弾力が無い。
 
まあそれでも・・・・と煮るために電子レンジにかけてみると、しばらくして煮たって来た頃に、とても嫌な臭いがした事で、慌てて調理を中断。煮物を出して口に入れてみたものの何とも嫌な味と臭い。そして普通の高野豆腐の様な弾力は無く、とても堅い。
 
しかも部屋中に、丸で悪くなった油を加熱した様な、何ともいえない不快な臭いが充満。部屋の後輩たちも、「何ですか、この臭い!!」と避難囂々。もう直ちに調理を止め廃棄処分へ。
 
我が社はビルの中央階くらい。窓はあっても開けられない。全館空調の換気設備以外、空気を入れ換える事が出来ない。これは参りました。せいぜい扇風機を回して室内空気の攪拌と希釈を実施するくらい~。今まででもカレ-を作ったりした時でも臭いは出ましたが、不快な臭いでは無いので特に皆、何も言わず問題になりませんでした。
 
結局部屋の臭いを感じなくなる迄に2時間近く掛かりました。本当に申し訳なく思いました。作業室の奥にある休憩室(飲食室)から出たニオイは、確実に作業場フロア-全体に拡散してしまう。いやぁ~本当に大失敗でした。
 
 
 
さて所でどうしてこんなにも「高野豆腐」が変な臭いがしたのか、ちょっと調べてみると、勿論「古い事」が主たる原因ですが、同じ乾物でも「ひじき」や「あらめ」、そして「かんぴょう」や「干し椎茸」、「春雨」のような物と異なり、なぜ賞味期限が短いか・・・・、です。
 
その原因が素材にある事でした。豆腐は大豆で作ります。いくらゲル化した物(普通の豆腐)でも、乾燥させ固化しても成分である大豆タンパクだけで無く、大豆から生じる油脂成分が時間と共に少しずつ変成して来る。
 
製造時に油脂を使わない食品であるにも関わらず、油の酸化した(油は酸化しないけれど)、あるいは腐った様な臭いがしたのはこの為だと推測出来ます。
 
それともう一つは、乾物全体がそうなのかどうかは判りませんが、この「高野豆腐」は吸湿・吸臭し易い物である事が原因。勿論未開封の状態であったにも関わらず、完璧な密封では無い物だったので、さらに保存の方法・温度の注意も考えるべきだった事。
 
また変質する程に堅くなり、しかも湯戻ししても柔らかくならない。ましてや煮たり熱を加えたりすると吸臭した物の臭気や油脂成分の臭気を逆に放出する。
 
因って、こんなにも嫌な臭気が部屋中に充満してしまったのです。一人の女性は「吐き気がしそうなニオイだった。」と言いました。
 
 
 
と言う事で、流石に物持ちの良い私でも、今回の食材については大失敗でした。乾物を甘く見ていたと言うか、勝手に大丈夫な物だと過信していた事が、今回の大きな原因で皆に迷惑をかけてしまいました。
 
本来はどんな食材でも、基本的に賞味期限(消費期限)がある訳で、その期限以内に食べるのが原則で、少々切れたとしても、その保存方法や切れてからの期限がどの程度かに因って食が可能かどうかを見極めなくてはいけないのが当然。
 
本当に今回は痛い目をしました。
 
 
 
 
 
リンゴりんごいちごいちご
 
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