ヤブキリの青年??~最後の幼虫でしょうか

 

 

 

この昆虫を見て、「あ~~今年も夏が近くなってきているんだ~」と感じました。

 

「南天」の低木があって、その枝にじっとしているこの緑色の昆虫。何だか判りますか?。

 

キリギリスによく似ていますが、背中の筋から恐らくは「ヤブキリ」の幼虫だと思います。そしてオスの5齢幼虫でしょうか。もう1回脱皮すれば成虫となるものでしょう。5回目の脱皮を終えた所でしょうか、背中の未熟な羽がまだしっとりと濡れている感じがします。

 

実はこのヤブキリは意外と個体数が多いのですが、キリギリスと異なり、日中に鳴かない上に、主たる生活環境が藪などの下草が多く存在する中の高い樹上である事などで、見かけたり捕まえたりする事が難しい点にあります。

 

しかも夜行性で、夜間に時々藪の中などで鳴き声を聞く事があります。それも特徴ある鳴き声であり、樹上から聞こえるので直ぐに想像が付きます。

 

Tettigonia orientalis

 

鳴き声を言葉で表現するのは難しいのですが、キリギリスを「ギ-ス・チョン」と表現するならば、このヤブキリは、「キリキリキリ、ギ-」でしょうか。しかしこの表現では、キリギリスが「チョン」と言う間の手的な鳴き声が入るのと同じでは無く、状況に応じて鳴き方を変えると言う表現です。

 

しかも私もかつてこのヤブキリを、蝶々を捕る網で樹上にいる所を捕まえた事が何度かあるのですが、絶対に素手で捕まえようとはしない事が注意点です。

 

要するに実に獰猛で、樹上で他の昆虫や蛾など何でも捕まえて丈夫な口で食べてしまいます。幼虫時期に草本上で生活している時は草食性なのですが、脱皮を繰り返す毎に肉食性となり、樹上生活に変わって行くのです。

 

下手に手で捕まえたりしたなら、そのペンチの様な尖った口で指や皮膚を噛まれ、思わぬ怪我や感染症を起こす可能性があるからなのです。しかも軍手などを装備して捕まえると、軍手の繊維を噛んだまま暫くは離れず、本当に苦労するのです。

 

さてそんなヤブキリですが、鳴き方に特徴のある夜行性昆虫であるけれど、夏に昆虫を売るお店などで見かける事はほぼありません。自然界でのご対面をなさって下さい。(笑)

 

 

 

 

 

リンゴりんごいちごいちご

 

.