昔は陸の孤島だった事間違い無し~今は?~

 

 

 

今回の四国八十八箇所霊場巡りは、ぽ-んと飛んで高知県の霊場です。

 

四国最南端である足摺岬に程近い丘陵の上にある、第三十八番札所、蹉跎山・補陀洛院「金剛福寺」(さださん・ふだらくいん・こんごうふくじ)です。真言宗豊山派の寺院です。

 

この寺院は何せ、とても行くのに苦労する寺院とでも言いましょうか、今でこそ車があれば簡単に行ける場所ですが、その昔の歩きが移動手段だった頃なら、前札所の三十七番札所からの距離が実に80Km以上あり、健脚な昔の方でも3泊4日の、最大の修行道であったと思われます。

 

 

車で行くと、四国南端の市、土佐清水市中心部から、主要地方道(高知県道)27号・足摺岬公園線を南に、足摺岬を目指します。足摺岬灯台への遊歩道近くの自動車駐車場に車を停めると、その向かい側がこの寺院の山門になります。車で行くには苦の無い場所でしょうか。

 

足摺岬の灯台側から観ると、この寺院の堂宇が見えます。朱塗りの山門は潮風に打たれて、やや色が抜けるのでしょうか、しかしその色合いが歴史を感じさせます。

 

 

山門を超えると更に少し石段を上がって本堂へと昇ります。いつも通り、簡単に歴史的な所を見てみましょう。

 

寺伝によると、弘法大師はその足摺岬突端に広がる太平洋の大海原に、観世音菩薩の理想の聖地「補陀落の世界」を感得した。時の嵯峨天皇(在位809~823)に奏上・勅願により、伽藍を建立・開創したと伝えられる。

 

ご本尊は、「三面千手観音立像」です。これは大師が伽藍を建立した時に、三面千手観音像を彫造して安置した事から始まる。そしてその際に「金剛福寺」と名づけられたと言います。

 

ここで言う「福」とは、『観音経』の「福聚海無量」に由来していると言う事です。大師因縁の「足摺七不思議」といわれる遺跡が、岬の突端を巡る様に点在している~~と書かれていました。実はこの時少し時間がありましたので、その一部を観て来ました。この事は過去に足摺岬の事を記事にした際に少し書きました。

 

山門を越えた右手にある納経所を過ぎ、正面奥にある立派な本堂は通常は開帳されておらず、正月の三が日のみ本尊が開帳される様です。

 

山門を越えた左手には弁財天、不増不減の手水鉢、鐘楼があります。本堂より右の奥に不動堂、多宝塔があり、その先に和泉式部の逆修塔があります。

 

 

本堂左手の池の畔を行くと愛染堂、権現堂、行者堂があって大師堂に至る。本堂前の池の前には奉納された所願成就の亀の像が安置されています(上写真)。

 

納経所の方に色々と詳しく境内の事を聞く事が出来ました。しかし本当に歩き遍路で見える方は、この札所に到着された時の、心よりの一礼が本当に嬉しいと仰います。勿論80Kmの道のりを数日掛けて見えるには、それなりの根性も必要です。

 

今回私は車での参拝になりましたが、実は何を隠そうこの八十八箇所の霊場巡りの最初に御朱印を戴いたのが、この金剛福寺でした。これが四国八十八箇所の霊場へ巡礼する糸口になったのです。

 

ある意味一番遠い札所。最初に伺ったので印象も深く、再度また伺いたいと思う気持ちが今も間違い無くあります。定年退職してからでも良いので、是非伺いたいと思います。

 

合掌

 

 

 

蹉跎山・補陀洛院「金剛福寺」

〒787-0315 高知県土佐清水市足摺岬214-1
TEL 0880-88-0038

 

 

 

 

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