感謝の気持ちを忘れずこの1年を健康に過ごしチームが連覇したときその輪の中にいられるよう|原口文仁 | road to 優勝~日本一 虎の備忘録

    ――原口文仁

    リーグ優勝は18年ぶり。

    日本一なら38年ぶり。

    それだけタイガースの歴史のなかでもすごいことをチームが成し遂げたという達成感がありますし、その一員になれてすごく、もう幸せな気分ですね。

    癌だとわかって、家族のことや将来のことをすごく、すごく考えて、不安で。

    でも告知を受けたその場で、先生が『手術までの間、野球をやってもいいですよ』と言ってくださったんです。

    先の見えない暗闇のなかにいるようでしたが、野球をできる環境と家族のおかげで徐々に前向きになれました。

    できるだけ早く手術する必要があると。

    おそらく大丈夫だけれども、人工肛門になる可能性もゼロではないとの説明も受けました。

    先生は、それでもとにかく野球を続けたいという僕の気持ちに寄り添って治療法を提案してくださいました。

    やはり抗がん剤を飲みながらなので、日によってコンディションの良し悪しがありましたね。
    ひどい吐き気などはなかったですが、粘膜が腫れやすかったり、血圧が下がって動きづらかったり。
    練習時間や場所を調整してもらいつつ調子を上げていきました。
    6月の交流戦なら、DHがあるので。
    そこが一軍復帰のチャンスだと、自分のなかで目標を立てました。
    するとそこから逆算して、練習の強度を何月にはここまで上げたいだとか、やるべきことが見えてくる。
    あとはそれを一つひとつクリアしていくだけです。
    本当はオールスターに出られるような成績ではなかったんです。
    でも、『プラスワン投票』という最後の1枠で選んでいただいて、まるでファンのみなさんからプレゼントをもらったようでした。
    打席に立ったときは、まずは元気な姿をお見せしよう、という気持ちでした。
    でも思いがけず良いホームランを打てて、ファンのみなさんが喜んでくれて、すごくうれしかったです。
    オールスターの2戦は、野球の喜びを思い出させてもらった試合でした。
    癌になる前から、目標を見据えることの大切さはよく分かっていました。
    怪我や不調など良くないことがあっても、目標があればやるべきことは見失わない。
    どんなときも自分に負けないよう一生懸命やってきたという誇りがあったから、このがんを乗り越えられたんじゃないかなと思いますね。
    それまでは、どうやったら結果が出るかとか勝ちに貢献できるかとか、そういうことばっかり考えていました。
    でも癌になり、普通に生活することすら当たり前じゃない状況で、野球ができること、ましてやプロ野球の最高峰である一軍で野球ができるっていうのは本当に幸せだと、いまでもつくづく思っているんです。
    野球を始めたての小学生のような、純粋に野球が楽しいという原点に返ってプレーできている気がします。
    『それだけ重い病気をして、これだけ頑張っている人はなかなかいない。絶対みんな勇気をもらえるし励みになる』と声をかけてくださいました。
    それで、重い病気を抱えた方へのエールの意味をこめてステージを公表することにしたんです。
    僕が野球をやっている姿が、その方の生活のほんの一部でもいいので、良いエネルギーになってくれたら。
    それも野球選手としての価値だと思っています。

    医師や看護師のみなさんや、家族、お世話になった全ての方のおかげでこの5年目を無事に迎えることができました。

    感謝の気持ちを忘れず、またこの1年を健康に過ごしたいです。

    健康であるということが野球の結果にもつながっていくと思っています。

    チームが二連覇したとき、その輪の中にいられるよう、これまで通り、日々しっかり準備をして臨みたいですね。

     

     

     

    ――青柳晃洋 (静岡県)

    体は動くようになっていますし。
    昨年、可動域が動かなくなったというのがあって、良くなってきているのはある。
    この時期の土台づくりでは良い感じに動いている。
    今のところ成功しているかなと。

    昨年だったら肩が上がりづらいとかもあったけど、すんなり上がるようになってきて楽に手が出てくるようになってきている。

    2週間で感覚の変化は感じている。

    左足が着いてから投げるための動きが昨年に比べて、できている。

    (昨季は聖地で2勝どまり) 甲子園で勝つというのは、阪神の選手にとっても、ファンにとっても良いことだと思う。

    より多い歓声の中で勝てるように。

    見に来た人たちの期待を裏切らないように頑張っていけたら。

    22年がピークと言われるのが自分の中では凄く嫌なので。

    まだまだ年齢的にもできるんだぞ、というところを見せなきゃいけない。

    オフの成果が出るのは楽しみですね。

    全ての部分でキャリアハイが今年の目標。

    それを目指してやっていく一年。

     

     

     

    ――岩崎優

    湯浅が守護神をやりたいと意欲的なのは知っている。

    ただ、自分としては〝はい、どうぞ〟と簡単に譲るつもりはない。

     

    ――湯浅京己 (大阪府堺市)

    (自主トレは) 自分が思うようにやりたいことができている。

    順調に来ています。

    ザキさん(岩崎)に守護神の座を簡単に譲ってもらう気はないです。
    逆にザキさんがそれくらいで言ってくれている方が自分もやりやすい。
    簡単にとは思ってないし、だからこそキャンプからアピールしていかないといけない。

    チームが優勝したことはすごくうれしかったけど、個人としては力になれなかったことが一番悔しかった。

    今季こそフル回転してチームの優勝に貢献し、やるからにはセーブ王を取りたい。

     

     

     

    ――野口恭佑 (鳴尾浜)

    まだ守備の知識は全然浅い。
    これまで近本さんと話したことがないので。
    春季キャンプでいろいろ意見を聞いて、自分の参考にしたい。

    大学時代から打てばいいだろうと思っていたが、ある程度、守れないと上(1軍)にはいけない。

    (自主トレでは守備練習に多くの時間を割いている)
    守備が『うまくになった』と言われたほうが、打撃を褒められるよりもうれしい。
    (リーグトップの12補殺をマークするノイジーなど) 守備がうまいじゃないですか。
    近づくというか、追い越せるように頑張りたい。
     
     
     
    2024年1月23日 AERA dot.

     

     

    2024年1月23日 スポニチ

     

     

    2024年1月23日 夕刊フジ
    2024年1月23日 デイリースポーツ