長いことプロ野球界でお世話になって“卒寿”(90歳)を迎えることができました。

あくまでも通過点です。

来年甲子園球場が“百歳”なので、わたしより先輩ですわ(笑)

お祝いは“アレ”をしてからで結構です。

 

ここから阪神に大切なのは、“平常心”で戦い抜くことです。

勝負は8月。

対DeNAの8試合がポイント、うちビジターの6試合を勝ちきりたい。

当たり前を当たり前にするのは容易ではない。
今まで挑んできた野球を貫くことです。

 

開幕直後は「独走では?」との声もあったが、わたし自身は混戦と読んだ。

前回の岡田が率いて優勝した05年のチームと比較しても安定感があるとは思えなかったからです。

そこを岡田がブランクを感じさせない手腕を発揮し、勝利をもたらした。

監督がもっとも目立った前半戦だったのと違いますか。

後半戦はコーチの役割、力量も問われます。

岡田は“攻め”の監督で、センターラインに重点を置くチーム作りが奏功した。

村上、大竹が先発をけん引し、リリーフに流れをつくったように、投手を中心にした守りの野球です。

その意味では、安藤、久保田(両投手コーチ)は評価したい。

 

中野の二塁転向もファインプレーです。

ステップを踏むことが多かった遊撃と違い、ワンピースで送球するポジションにはまった。

木浪との二遊間コンビには成長を感じました。

 

監督がノイジー、佐藤輝、それと失敗した投手に再びチャンスを与えたのは、選手との信頼関係が大事なことを身をもって知っているからでしょう。

「辛抱ならん」と口を突いても我慢の起用をしたように映りました。

問題は打力で、やはりカギは佐藤輝。

一塁大山とともに三塁に固定されたが、フィールディングは動きが鈍いです。

打撃も何かにこだわり過ぎるのかもしれないが、殻を破ってほしいです。

近本復帰でチームの得点力アップは中軸にかかってくる。

 

ここからはあっという間ですよ。
まずは22日からのヤクルト戦で全力を尽くしたい。
ヒーローが現れることを熱望します。
信念を秘めて戦ってほしい。
もっとも“アレ”に近いのが阪神であることは間違いありませんわ。
 
 
2023年7月21日 日刊スポーツ