(4日の広島戦)ベンチの野球の違いが出たゲームだった。

 

新井監督の経験のなさと、3連敗で本拠地に帰り、なんとかひとつ勝ちたいという焦り、岡田監督の勝負勘と先を読む力、連勝していることによる落ち着きというベンチワークの差がもろに出たと思う。

 

9回の攻防で広島バッテリーは中野―島田の機動力を防ぎにいく警戒が見えなかった。

岡田監督はストライクを取りにくるカウントで見事にエンドランのサインを出した。

そして、大山を迎えたところで、栗林は一塁も空いていたのだからフォークを2球続けてストレートを待っているカウントでストライクをとる必要もなかった。

 

(9回裏の牽制死の場面について)大盛は、もう1球待ってもよかった。

牽制球を投げたのは、ベンチのサインではなく、湯浅と梅野の判断で見抜いたのだと思うが、岡田監督が、チームに相手の嫌なことをしろと、考える野球を浸透させた成果だと思う。

ベンチ、選手の野球を読む力が、1点を争う攻防の分岐点になったと思う。

 

岡田監督は、新井監督の性格や野球観を熟知している。

それだけにコーチ経験もないまま、広島の監督就任が決まった際に「え?ほんまか」と驚きの反応を示していた。

 

岡田監督にしてみれば、新井監督が考えることは、すべて見透かしているのかも。

長いペナントレースの中で、ベンチワークで勝てる試合は、そう多くはないけれど、そういう試合のある、なしが、最後の最後の優勝争いで響いてくる。

 

 

2023年4月5日 RONSPO