ネット裏で10年間、評論家として阪神の野球を見てきた岡田監督は、打線の変化をずっと追いかけてきた。
大きな変化があったのが、6年前に監督に就任した金本監督時代だったと分析していた。
簡単に言えば、ボールを引き付け後ろ足重心で体の回転で打つ打法よ。
これがうまくいけば、ボールの見極めができ、変化球にも対応できて、トータルで打率が残る。
だが、この打法には、バットスイングの速さとパワーが必要になるので、できる打者が限られてくるのよ。
カネのバッティングは、カネにしかでけへんからな。
それは金本氏が、いつの日か指導者になる際に向けての忠告だった。
あそこまでポイントを手前に置いて、ボールを打ち返すことができるのは、金本氏がトレーニングで鍛えあげた強靭な肉体があってこそ可能な理論で、万人にあてはまるものではないということを伝えたのである。
だが、金本氏は、ウエイトトレによるパワーアップとセットで、その自らの打撃理論をチームに浸透させようとした。
岡田監督は、この3年間の金本氏の打撃理論がチームに影響力を与え今の「ストレートに弱い」打線につながっているのではないか、と見ている。
クライマックスシリーズを見ていると、ヤクルト打線との違いは、ボールの見極めと、ストレートに対する弱さやろう。
佐藤、大山が、その象徴やけど、タイミングが遅くて立ち遅れるのよ。
だから球威のある投手のストレートに差し込まれる。
動くボールへの対応も、動く前に前で打てばええのよ。
ここをなんとか直したい。
これが岡田監督が、この秋、全員に語りかけ、大山、高山ら各打者にワンポイントレッスンをするなど、積極的に取り組み始めた「少し変えれば」の根本的部分だ。
佐藤は、金本氏の教えを受けたわけではなく、金本氏の監督時代を知る主力選手は、大山、梅野、糸原、北條、陽川くらいしかいないが、ボールを前でさばけるバッターがあまりにも少ない。
また金本監督の1年目に球団の新人の最多安打記録を更新する136本のヒットを打ち、新人王を取った高山が、2年目の途中から、打撃不振に陥って低迷。
結局、レギュラーの座を失ってしまったが、この急降下も、金本氏の打撃理論の消化不良が、打撃を狂わせる原因のひとつになったのではないか、と推測している。
高山にしても佐藤にしても入ってきたときが、一番良かったやないか。
それがなんでか?ということよ。
もちろん相手チームの研究もあるやろうが持っている能力が出せなくなってるやん。
そこまでの選手やったという見方もあるかもしれんけど、そうやろうか。
オレはちゃうと思うんよ。
2022年11月5日 RONSPO
