まず先日、レインボーシックス・ベガスのマルチプレイのサーバーが完全に終了されるというニュースが入り、ちょっと思うところがあったので記事にします。 何事も否定から入るのは良くない。まず下記動画を見て頂きたい。
これを見て、私はとても驚きました。それはなぜか・・・
私はR6Sが発売されたときに違和感を感じていた一人です。 また、フランチャイズの看板を安易に使うべきではないと考えている一人。 特に、フランチャイズを”それ”たらしめている根幹や、その作品のテーマ=伝えたいことが大きく変わる場合、その看板を外して欲しいと常々願っています。 なぜなら、そのような改変は、そのフランチャイズに悪影響を与える事例が目立っているから。 例えば、メタルギア・サヴァイブ。メタルギアの看板を使って大炎上。 例えば、ブラザーインアームズ・furious 4も良い例で、トレーラー1本で炎上し開発中止ソニック映画版も事例の一つと言っていいかもしれません。 ソニックをソニックたらしめているビジュアルが改悪されてしまい、大批判の後映画が作り直しとなりました。
このR6Sもそうです。 レインボーシックスという作品は、もともとトム・クランシー氏の小説とゲームが同時展開されたメディアミックスで、氏の得意とするポリティカルアクション小説がベースにあり、世界各国の特殊部隊からなる混成部隊が、人種や国籍を超えてテロリストの驚異に立ち向かうというモノ。「シックス」とは隠語で指揮官のことで、プレイヤーはレインボーチームのシックスとなり、様々なミッションを指揮する。というのが最初のゲーム作品でした。
レインボー=虹の所以は、人種や国籍が混ざりあった様を現しており、ここでピンと来た人も居ると思いますが、レインボーフラッグとは今やLGBT=つまり多様性の象徴であります。 この感性の鋭さは本当にすごい。偶然とは思えません。
そして話は遡って2007年。「レインボーシックス・ベガス」という作品がXbox360他で結構売れて、筆者が初めてレインボーを知った作品でもあります。 翌08年「ベガス2」も好評でした。 ベガスは、当時は珍しかったFPSとTPSの融合で、カバーアクションや、防弾シールド、オプティワインドや赤外線ゴーグルなどのガジェットも登場した当時の最先端シューター。 ベガス1は銃をリロードしたときマガジン内の残弾を捨てるという妙なリアリティもw(後に修正) ベガス1・2にはPvEとPvPの両方がありましたが、PC版の歴代シリーズに倣って、力が入っていたのは専らPvE(Co-opキャンペーンとテロハン)だったという印象です。 ものすごく余談ですが、このベガスのレベルをカンストするのはマジの苦行でした。マジで。
シリーズはその後しばらくの沈黙が続き、3年ぶりの新作として2011年に発表されたのが知る人ぞ知る「レインボーシックス・パトリオット」
倫理観を問う選択肢をプレイヤーに突きつけるトレーラーは衝撃的で、私は「この作品は絶対に面白いものになる」と感じました。しかし、13年に開発中止が発表され落胆・・・ 14年に突如発表されたレインボーは、なんとチーム戦になっていたので、驚きはしましたが一番最初のトレーラーでは、特殊部隊と犯罪者のチーム戦でした。 防衛側=犯罪者/攻撃側=レインボーで「これはこれでありかな」という気もしたのですが…
これは一番最初の予告映像。敵チームの最後の一人「Havoc」というのが強くてシビれます。
いざR6Sが発売されると、あらびっくり。
テロリストとの戦いはオマケもおまけ、チュートリアル的存在にすぎず、本来手を取り合うはずの特殊部隊が互いに殺し合っているではありませんか。犯罪者チームはどこいったんじゃー。 フランチャイズのファンは、私と同様に困惑したに違い有りません。
「レインボーシックス」という作品は、ポリティカルアクションであり、多国籍部隊と犯罪者の戦いを描く作品であった訳です。
それに対して、これはなんだ?と思いますよね
そして冒頭の動画へ戻ります。
私はこれまでR6Sをレインボーとは認めたくないマンでしたが、この動画で合点がいきました。
R6Sの世界観は、世界のテロリズムと戦うための技術を磨きあう・切磋琢磨し合うためのスポーツとなった、進化したサバゲーだったのですね。 まさしく模擬演習だったのです。もちろん誰も死んでない!!(笑) これはとても上手い設定だなと、本当に関心しました。 最初からこの世界観を共有してくれれば、多くのファンも混乱しなかったと思いますが^^;
そして、「パトリオット」が中止になり、なぜ「シージ」になったのか考えてみますが、これはシンプル。 13年といえばPS4が発売され、CoD:BO2やBF4などが全盛期のときです。 世界中のゲームシーンが、完全にオンライン対戦ゲームを主流とする潮流になっていたと記憶しています。 出るゲーム出るゲームが、対人戦のゲームばかりになっていったあの頃です。 この潮流に乗ったUBIが売れ筋を探るために対戦ゲームへと舵を切ったのだと推測します。
レインボーの最初の精神は、「ディビジョン」「ゴーストリコン」へ受け継がれたのかなと、個人的には解釈しています。
さて、幻となったパトリオットですが、面白い後日談があります。 「ゴーストリコンワイルドランズ」のアップデートで追加されたR6Sとのコラボレーションミッション「アークエンジェル作戦」にて、主人公ノマドが「パトリオット作戦」という言葉を口にするイースターエッグがあり、
これがUBIなりの供養なのでしょうね。
でも私達が見たかったのは、こういうの。
UBIではなくアクティビジョンですが、私はこれを見て救われた気持ちになりました。